4月から山形市にある東北芸術工科大学で教鞭をとっている。週の3日は東京以外で過ごす。

もっとも残り5日は東京にいる。(移動日には両方の地にいるので必ずしも足して7日ではないのがミソ)

学生などからいったいどうやってスケジュール管理を行っているのですか? と、時間の管理術について尋ねられることも多い。

自分なりに考えた結果、私は時間管理に「3つの法則」を用いる。

(1)移動時間の法則

毎月の移動時間を、まず決定する。この時、多少コストがかかっても、最短で最も"楽"な手段(ルート)を選ぶ。ただし、寄り道をしたり当日の思いつきでルート変更したりと、遊び心は残して移動時間を楽しむ。無理に移動時間に仕事はしない。

移動時間の細かい仕事がはかどらない。同じことをしていても疲れるスピードは早い。いっそ移動時間には仕事はしないと割り切って、考え事をしたり、雑誌を読んだり、途中に道草をしてみたりと、自分へのインプットの時間にしている。

(2)雑用の法則

つい仕事と仕事の合間に、細かいスケジュール調整やメールでの連絡などを行ってしまいがちになるが、雑用を細切れの時間に行わない。器用にマルチタスクで業務をこなしているようで実は効率が悪い。その代わりに、早朝と夕方の1日2回をまとめて雑用の時間にあてる。雑用はあくまで雑用なので、タイミングを逃して半日後になってしまっても、それほど大きな問題にならない。(逆に、半日後に行っても問題にならない作業のことを「雑用」と呼ぶことにしている)

(3)機械化の法則

とにかく機械化(オンライン)できるものは全て機会に任せる。例えばスケジュール管理にはGoogleカレンダーだけでなく、日常的にCu-hackerを使っている。アポイントの候補日時の調整にムダがない。

自分の移動が多いのに、業務上のサポートを行ってくれるアシスタントのスタッフは、自分のオフィスに常駐しているよりもオンライン上で頼みたいときに案件を頼める方がありがたい。スタッフとの業務連絡の多くはSNS上のメッセンジャーかSkypeで完結させる。

東京と地方の他、海外にも協力スタッフがいてくれるので心強い。手書きで資料の下絵(イメージ図)を書き、スマホで撮影し、夜の10時頃までにデータをアップすると、ヨーロッパ在住の方がさっそく作業を初めてくれる。良く朝5時か6時には完成している。朝の雑用の時間にに確認できる。

時間の使い方は人それぞれだ。あまり常識や一般論にとらわれず、自分なりの「法則」を見つけると、思いの他スムーズに日常業務を行うことができる。何より、本当に大切な「考える」ことに時間を多く使うことができるようになる。


<著者プロフィール>
片岡英彦
1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサー等を経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。企業のマーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2015年4月より東北芸術工科大学にて教鞭をとる。