「キャリア」と聞くと、正社員としてバリバリ働いて得た経験だけがキャリアだと思いがちですが、これは必ずしも正しい考え方だとは思いません。

現在の自分自身を作り上げているありとらゆる要素が「キャリア」です。何かと「画一的」になりがちな現代社会において他の人と差別化を図り「異彩」を放っていくためにも、柔軟で多角的、そして俯瞰的な視野で自らのキャリアを棚卸しすることが重要です。

「売れるキャリア」を作るためには、こうした視野の形成大切です。「キャリア=職務経歴書に書くこと」といった、固定観念に踊らされ過ぎないマインドを持つように心掛けましょう。

「マンションの管理組合」も立派なキャリアです

さて、キャリアを考える時には、自分が実際に経験してきた様々な活動を棚卸ししてみる事が重要です。

中には「私は何のキャリアもありませんので」などという人もいるかもしれません。しかし、自らのキャリア形成を考える上では、そのような考え方は良くありません。

「キャリアがありません」と一言で片付けてしまうのではなく、「この経験は実は自分のキャリア形成に大きな影響を与えている(きた)のではないか?」と貪欲に頭を働かせて、自ら考えてみる姿勢こそが重要です。

「自宅マンションの管理組合の理事長をやっていた(やらされていた)」

「サークルのリーダーをやっていた」

「趣味のバンドの結成時からずっとリーダーをやっていた」

こうした要素は全て立派なキャリアです。

それらの「キャリア」は、自分のマネジメント力を育成する為の立派な経験値として形状具体的にどのように役に立ったのか?むしろ、これらの経験から学んだ要素は何かと、深く深く考察してみるようにしましょう。

「そんなものをキャリアとして考えたらバカにされるよ」と考えていては元も子もありません。

あらゆる経験から「キャリア要素」を抜き出すことで、自分のキャリアに対する意識、意欲が自然と高まっていきます。他人とは一線を画し、単なる人材から人財へと成長できる要素が整ってきます。

多角的な視野、俯瞰的な視野というものも徐々に形成されるようになりますので、ぜひとも上記のような視点を身につけるようにして頂ければと思います。

常に「キャリア」を意識するということ

恐らく、このような視点を身に付けられれば、キャリアに対する考え方がガラッと変わってくることかと思います。

このような視点を「キャリア視点」と呼びます。このキャリア視点を身につけることで、自分自身の現在の考察力が非常に高くなります。将来的に企業等で管理層とそうでない層に分けられる時に、企業の上層部は考察力、問題発見能力、問題分析力、問題解決力等を重視して判断します。

「キャリア視点」を身に付けておくことで、これらの能力も自然と身につくようになります。将来を考えた時にも非常に有効です。


<著者プロフィール>
片岡英彦
1970年9月6日 東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。企業のマーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。