男性アイドルグループでロックバンドのTOKIOが意外にもネットで特に男性から人気になっていることに気がついたのは、今年になってからだった。

TOKIOはなぜネットの民から愛されるのか?

インターネット上のランキングなどでも嵐やSMAPのメンバーに並び、リーダーの城島茂の人気が高い。その後、ネット情報を調べてみると、TOKIOに関しては、他のユニットとは異なり女性ファンから以上に、男性ファンから好意的なコメントが目立つ。

特に日本テレビの「ザ! 鉄腕! DASH!!」内における、無人島をサバイバルする企画などに共感を寄せる男性が多い。

ネット上でTOKIOを称賛する男性ファンらの言葉を一言で表現すると「ジャニーズっぽくない」に行き着く。確かに、若い女性に人気の他のユニットと比べると、他に男性アイドルになど全く興味のない、60歳を過ぎた私の母でさえ、メンバー全員の名前を言える。この庶民感が老若男女にウケているのだろう。

男は基本的には「イケメン」はキライである。それは「自分よりもイケメン」だからキライなのではない。「女性がイケメン好き」だから、男性は「イケメン」がキライなのだと思う。

「何だよイケメンだからっていい気になりやがって」とは、あまりにベタなセリフで、誰も口にはしないと思うが、心の中には少なからず、こうした思いは潜在的にある。

「気取らない」「汗や泥にまみれたイメージ」「男らしい必死さ」

そして、テレビ番組がヒットする際の「鉄則」でもある、「一度は自分がやってみたいが決してできないこと」を自分の代わりにやってみせてくれる。かつて同局の「電波少年」で「ヒッチハイクの旅」の企画が大ヒットしたのと、根元は似ている。「自分ができないこと」に挑戦する姿に、男の子(男性)は少なからず憧れを抱く。

TOKIOは今年がデビュー20年。「アイドル」と呼ぶには、少し年齢も高くなってきたが、今年はロックバンドとしてのサマーソニックなどの夏フェス出演や、リーダーの城島が24時間テレビのチャリティーランナーを務めることも発表された。

「キャリア」を磨いていく上で、欠かせないもの

これまで「キャリア」に関するコラムを何本か書いてきたが、最も大切なことを書くのを忘れていた。「キャリア」を磨いていく上で、欠かせないのは男女に限らず「同性からの支持」である。言い換えれば、「女性から人気があっても、男性から評判の悪い男性」や逆に、「男性からの評価が高くとも、女性からの評価が低い女性」などは、一度、冷静に自らの日常の同性に対する接し方を考えなおしてみると良いと思う。

かれこれデビュー20年になるTOKIOが、いまでもネットを中心にクチコミの中心であり続ける理由は「同性からの支持」そして、「老若男女」への圧倒的な知名度である。

※写真は本文とは関係ありません


<著者プロフィール>
片岡英彦
1970年9月6日 東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。企業のマーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。