前回はビジネスでの丁寧な話し方についてご説明致しました。今回は電話対応についてお話ししたいと思います。

近年、スマートフォンの普及で固定電話を使う機会が減りました。またSNSの発達で通話以外のコミュニケーションの取り方も多様化し、若い方たちの中でビジネス電話への苦手意識が広まっているそうです。

エステティックTBCではサロンの予約やお客様の様々なご相談をお受けする為、電話での対応はしっかりと研修で教えています。電話だと表情が見えない為、声だけのコミュニケーションとなります。自分の声だけのおもてなしでいかに相手に満足してもらえるか、方法を探っていきましょう。

マナー初級編最後の今回は電話対応に役立つ言い回しと、電話だからこその注意点をお教えします。

電話を受ける時は会社の代表 - 声のトーンに気を付けて

はじめは誰でも緊張するものですが、焦らず落ち着いて電話に出ましょう。1本1本の電話を「自分が会社の代表である」という自覚を持って対応することが大切です。ベルが鳴ったら相手を待たせないようなるべく早く取るのが基本です。

「お電話ありがとうございます。〇〇でございます」など会社で決められた挨拶をしっかりしましょう。はっきりゆっくり、これは電話でなくても話す時の基本ですが、もごもごしていると相手は聞き取りにくく感じてしまいます。はきはきと話し、さらに明るい印象を与えたい方は普段より少し高い声で話してみましょう。電話中は必ずメモを取り、相手の会社名や名前、要件や連絡先など後で分かるようにしておきましょう。

また、誰かにつなぐ場合の保留中でも相手を待たせすぎるのは良くありません。「もう少々お待ちくださいませ」など相手を気遣った言葉をかけるか、あまりお待たせしてしまうようであれば「こちらから折り返しお電話致します」と言って一度電話を切りましょう。

間違いやすい言葉は回避、繰り返して確認を

例えば、7(シチ)と発音すると1(イチ)と聞こえてしまう場合があります。間違えを避けるためにも7(ナナ)と発音して確認するなど気を付けましょう。同じように4日(ヨッカ)と8日(ヨウカ)も間違いやすいので8日(ハチニチ)と言ってしまっても良いでしょう。また、時間の確認の際も12時制を使うか24時制なのか、個人や会社によって違うと思います。時間の間違えはアポイントや予約の間違いに直接関係してしまいますので、注意して確認しましょう。12時制の場合はAMやPMを頭に付ける、24時制の場合は17時(ジュウナナジ)など表現を工夫しながら繰り返すことが重要です。

電話は声だけのやり取りですから相手の声が聞き取りづらい場合もあることでしょう。確認の為に聞き返すことは、いけないことではありません。自分が把握できていない時は曖昧にせず「会社名をもう一度教えて頂いてもよろしいでしょうか」「少々お電話が遠いようで、申し訳ございませんが……」など丁寧な言い方で聞き返し明確にしておきましょう。相手の電話番号などは必ず声に出して復唱し、後になって電話を折り返す時に番号が分かるようにしておくと良いでしょう。

間違い電話でも親切に対応しましょう。会社名を名乗った場合、雑な対応では会社全体の印象が悪くなってしまいます。番号違いの場合は他部署や他店舗にかけてきた場合もありますので最後まで話を聞きしかるべき対処をしましょう。

電話をかける場合は

電話をかける場合にはまず相手の忙しそうな時間は避けましょう。時間の指定がない限り早朝や深夜にかけるのは失礼にあたります。やむをえずかける場合は「夜分遅くに失礼致します」などクッション言葉(連載第2回目参照)を利用するなどより丁寧な言葉遣いを心がけましょう。

最後まで気を抜かずに

電話の最後に気を付けたいのは切り方です。受話器を乱暴に戻すような切り方だと相手の耳に大きな音が響いてしまい不快な思いをさせてしまいます。電話を切る場合には相手が切ってから自分も切るようにすると丁寧です。もしこちらから切る場合には一度手で切ってから受話器を置くようにしましょう。

電話対応の仕方はいかがでしたでしょうか。電話対応がしっかりできていると相手に好印象を与え会社や自分の信頼度も上がります。会社の電話が鳴ったら積極的に出て気持ちを込めて対応し、かける時は自信を持って話をしましょう。

初級編の全5回のマナーをご参考にされて皆様がよりよい社会人生活を送られることを願っております。

執筆者プロフィール:名越 華子(なごや はなこ)


大学卒業後、TBCグループ株式会社入社。入社2年目より秘書として勤務。日々の秘書業務を活かし敬語やマナー等本の監修や講演をし、若手の育成などにも力を注ぐ。

その後マーケティングPR戦略部広報室に所属。TBCが掲げるTotal Beauty Communicationsの略であるTBCの窓口として美容や健康の情報を発信。秘書検定1級、青汁マイスターの資格を持つ。

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