【コラム】

音楽をはじめよう!

105 iPhone 3Gで音楽系アプリを試す(5) BeatMaker【3】

105/113

各パッドのサンプルにエフェクトをかける

intuaがリリースしている本格的なiPhone/iPod touch用音楽系アプリ「BeatMaker」。前回までは基本といえるサンプラーおよびシーケンサ機能を紹介してきたが、BeatMakerにはエフェクト機能も用意されている。この内蔵エフェクトは3種類が用意され、16個配置されるそれぞれのパッドに対してエフェクトのオン/オフを設定できるようになっている。

まずは各パッドのエフェクト設定について見ていこう。これは「PADS」のボリューム関連設定画面で設定する。この画面では各パッドの出力先をマスターアウトである「MAIN」、そしてエフェクトである「FX1」、「FX2」から選択できる。FX1およびFX2はDAWでエフェクトをセットするエフェクトスロットのようなもので、つまりBeatMakerでは同時に2種類のエフェクトを使用することが可能だ。

各パッドの信号ルーティング先は「PADS」画面で「EDIT」をタップし、スピーカーボタンをタップして開くボリューム関連画面で設定。原音をそのまま出力するときは「MAIN」を、エフェクトを使いたいときは「FX1」か「FX2」を選択する

エフェクト画面はツールバーより開く。開いてみると左右にふたつのエフェクトらしきものが並んでいることがわかるだろう。これは先ほど「PADS」のボリューム設定画面で設定した「FX1」が左側、「FX2」が右側にあたる。画面左端および右端に配置された上下ボタンをタップすると表示しているエフェクトが入れ変わり、FX1およびFX2にセットするエフェクトも変更される、という仕組みだ。

エフェクト画面は左上の「●」をタップしてツールバーの「FX」から開く

左右にふたつ並ぶエフェクト画面。左のFX1と右のFX2で違うエフェクトを使う、または同じエフェクトをセットし効果を変えて使う、といったことが可能

画面左右端に配置された上下ボタンをタップすると、FX1、FX2それぞれにセットされたエフェクトを変更できる

BeatMakerに用意される3種類のエフェクトはまずディレイとイコライザ。これはベーシックなものである。ディレイはテンポシンク機能を備え、イコライザは3バンドのグラフィックイコライザだ。そしてもうひとつはビットクラッシャー、これは歪み系のエフェクトであるエンハンサーに近い。

FX1にビットクラッシャー、FX2にイコライザをセット。エフェクトパラメータはドラッグして調整、下のBYPASSボタンが緑に点灯している場合は、信号がエフェクトをバイパスしていることを示す

これまで述べてきたようにBeatMakerのエフェクトは3種類用意されているとはいえ、それをセットするのはFX1とFX2の2系統で同時に3つ全てを利用することはできない。また各パッドのサンプルに対してかかり具合を調整するといった機能は用意されていない。その点ではシンプルな構成だが、インタフェースや操作の煩雑さを考えるとこれで十分だろう。

パソコンをサーバとして使用しキット入れ替えも

ここまでにiPhone単体で操作できるBeatMakerの機能を紹介してきたが、実はBeatMakerはパソコンと連携もできる。パソコンでオリジナルキットを作成したり、そのキットをUSBケーブルなども使わずネットワーク経由でiPhoneへダウンロードすることが可能なのだ。

このパソコンとの連携に使用するのがintuaのWebサイトで公開されている「BeatPack」というソフト。インストールして起動すると共有設定を行う「Share kits and samples」タブが選択された状態となっている。この画面ではパソコン側で公開(共有)するフォルダを指定しておき、またパソコンのIPアドレスが表示されるのでそれを確認しておく。

BeatPackはWindows版およびMac版が用意され、intua Webサイトの「Shop」から無料でダウンロードできる。現状ではまだβ版だ

「Browse」ボタンでデータの共有フォルダを指定し、またパソコンのディレクトリを確認する

そして「Create kit」タブはオリジナルキットを作成するための画面。ここでは「Drag zone」にBeatMaker同様に16個のパッドが配置され、そこにサンプルとして使いたいWAVファイルをドラッグ&ドロップし「Generate BeatMaker kit」をクリックすればキットとして作成され、パソコンのHDDに保存される。

各パッドにサンプルとして使いたいWAVファイルをドラッグ&ドロップして登録し「Generate BeatMaker kit」でオリジナルキットとして作成する

HOME画面で「intua」左隣のボタンをタップしてサーバ設定画面を開き「ADD SERVER」ボタンからBeatPackをインストールしたパソコンのIPアドレスを登録する

次はBeatMaker側の設定だ。まずはHOME画面でBeatPackをインストールしたパソコンをサーバとして登録する。これで基本設定は完了。後は「DOWNLOAD」をタップするとiPhoneからパソコンの共有フォルダにアクセスでき、パソコンで作成したオリジナルキットがダウンロードできる。また逆にiPhoneで作ったキットをパソコンにアップロードする、といったことも可能だ。なお注意点としてはパソコンでBeatPackを起動しておくことでサーバとして動作し、BeatMakerからのアクセスが可能となるということだ。そのためiPhoneからパソコンにアクセスしたい場合は必ずパソコン側でBeatPackを起動しておく必要がある。

サーバのURLをタップして選択しておき「DOWNLOAD」をタップするとパソコンにアクセスできる

階層をたどってiPhoneにダウンロードしたいキットを選択し「DOWNLOAD」をタップすればキットをダウンロードできる

iPhone側で制作したキットをパソコンの共有フォルダにアップロードする、といったことも可能

BeatPackはまだβ版のためか、今回試したところWindows XP SP3ではエラーが出て起動できなかったが、同じハードウェア構成でWindows Vista SP1で試したところ特に問題なく動作した。このソフトを使えばBeatMakerは多彩なサンプルを自由に読み込め、可能性はさらに広がるだろう。

105/113

インデックス

連載目次
第113回 Cakewalkブランドで登場したローランドのUSBオーディオインタフェース「UA-1G」
第112回 本格的なマイクを搭載したiPod用レコーダ、Alesis ProTrack(2)
第111回 本格的なマイクを搭載したiPod用レコーダ「ProTrack」(1)
第110回 超コンパクトなUSB-MIDIコントローラ、コルグnanoシリーズ(2)
第109回 超コンパクトなUSB-MIDIコントローラ、コルグnanoシリーズ(1)
第108回 iPhone 3Gで音楽系アプリを試す(8)PaklSound1
第107回 iPhone 3Gで音楽系アプリを試す(7)iDrum Club Edition【2】
第106回 iPhone 3Gで音楽系アプリを試す(6)iDrum Club Edition【1】
第105回 iPhone 3Gで音楽系アプリを試す(5) BeatMaker【3】
第104回 iPhone 3Gで音楽系アプリを試す(4) BeatMaker【2】
第103回 iPhone 3Gで音楽系アプリを試す(3) BeatMaker【1】
第102回 iPhone 3Gで音楽系アプリを試す(2) ドラムマシンIR-909
第101回 iPhone 3Gで音楽系アプリを試す(1)
第100回 ニンテンドーDSでアナログシンセ!? 「KORG DS-10」を触る(3)
第99回 ニンテンドーDSでアナログシンセ!? 「KORG DS-10」を触る(2)
第98回 ニンテンドーDSでアナログシンセ!? 「KORG DS-10」を触る(1)
第97回 誰でもリミックスや曲の共有ができるサービス「Music Mashroom」を試す(2)
第96回 誰でもリミックスや曲の共有ができるサービス「Music Mashroom」を試す(1)
第95回 楽譜スキャンソフト「Smart Score X Pro」でバンドスコアをMIDI化してみる
第94回 MAGIXのエントリーユーザー向けDAW「Music Maker Producer Edition」(2)
第93回 MAGIXのエントリーユーザー向けDAW「Music Maker Producer Edition」(1)
第92回 ヴィンテージシンセをモジュール単位で組むハードウェアシンセ「Origin」
第91回 ZOOMのギタリスト向けオールインワン・アンプシミュレータ、ZFX PLUG-IN(2)
第90回 ZOOMのギタリスト向けオールインワン・アンプシミュレータ、ZFX PLUG-IN(1)
第89回 音と光で曲を作り出すヤマハの新世代電子楽器「TENORI-ON」レビュー(2)
第88回 音と光で曲を作り出すヤマハの新世代電子楽器「TENORI-ON」レビュー(1)
第87回 ボーズのミュージシャン向けサウンドシステムL1 model I systemとは(2)
第86回 ボーズのミュージシャン向けサウンドシステムL1 model I Systemとは(1)
第85回 パイオニアのスクラッチ対応DJ用CDプレイヤー「CDJ-400」(3)
第84回 パイオニアの低価格スクラッチ対応DJ用CDプレイヤー「CDJ-400」(2)
第83回 パイオニアのスクラッチ対応DJ用CDプレイヤー「CDJ-400」(1)
第82回 リニアPCMレコーダの新製品群をチェックする(6)EDIROL R-09HR(後編)
第81回 リニアPCMレコーダの新製品群をチェックする(5) EDIROL R-09HR 前編
第80回 リニアPCMレコーダの新製品群をチェックする(4)TASCAM DR-1
第79回 リニアPCMレコーダの新製品群をチェックする(3) ZOOM H2
第78回 オリンパス初のリニアPCMレコーダ「LS-10」を試す
第77回 リニアPCMレコーダの新製品群をチェックする(1)
第76回 iPod内の曲をソースに使えるDJコンソール「iDJ2」を試す(3)
第75回 iPod内の曲をソースに使えるDJコンソール「iDJ2」を試す(2)
第74回 iPod内の曲をソースに使えるDJコンソール「iDJ2」を試す(1)
第73回 初音ミクに続くバーチャルシンガー「鏡音リン・レン」(3)
第72回 初音ミクに続くバーチャルシンガー「鏡音リン・レン」(2)
第71回 初音ミクに続くバーチャルシンガー「鏡音リン・レン」(1)
第70回 ソニーの新リニアPCMレコーダ、PCM-D50をチェック(3)
第69回 ソニーの新リニアPCMレコーダ、PCM-D50をチェック(2)
第68回 ソニーの新リニアPCMレコーダ「PCM-D50」をチェック(1)
第67回 ペダルを踏んでギターサウンドをコントロールできるGuiter Rig 3(2)
第66回 ペダルを踏んでギターサウンドをコントロールできるGuiter Rig 3(1)
第65回 初心者でも使える音楽制作ソフト「Mixture」の無償版が登場!
第64回 手のひらサイズの小型シンセ「KAOSSILATOR」登場(2)
第63回 手のひらサイズの小型シンセ「KAOSSILATOR」登場(1)
第62回 強力に進化した波形編集ソフト「Sound Forge Audio Studio」を試す(2)
第61回 強力に進化した波形編集ソフト「Sound Forge Audio Studio」を試す
第60回 DTMの基礎知識 - エフェクトとは(4)
第59回 DTMの基礎知識 - エフェクトとは(3)
第58回 DTMの基礎知識 - エフェクトとは(2)
第57回 DTMの基礎知識 - エフェクトとは(1)
第56回 DJだけじゃもったいない!?多機能コンソール"KORG ZERO8"を早速チェック(4)
第55回 DJだけじゃもったいない!?多機能コンソール"KORG ZERO8"を早速チェック(3)
第54回 DJだけじゃもったいない!?多機能コンソール"KORG ZERO8"を早速チェック(2)
第53回 DJだけじゃもったいない!?多機能コンソール"KORG ZERO8"を早速チェック(1)
第52回 DTMの基礎知識 - ソフトシンセとは(3)
第51回 DTMの基礎知識 - ソフトシンセとは(2)
第50回 DTMの基礎知識 - ソフトシンセとは(1)
第49回 ダンス系に強い音楽制作ソフト!? - FL STUDIO 7を試す(4)
第48回 ダンス系に強い音楽制作ソフト!? - FL STUDIO 7を試す(3)
第47回 ダンス系に強い音楽制作ソフト!? - FL STUDIO 7を試す(2)
第46回 ダンス系に強い音楽制作ソフト!? - FL STUDIO 7を試す(1)
第45回 DTMの基礎知識 - オーディオインタフェース(4)
第44回 DTMの基礎知識 - オーディオインタフェース(3)
第43回 DTMの基礎知識 - オーディオインタフェース(2)
第42回 DTMの基礎知識 - オーディオインタフェース(1)
第41回 個性的なオーディオインタフェース&バンドルソフト「AUDIO KONTROL1」(3)
第40回 個性的なオーディオインタフェース&バンドルソフト「AUDIO KONTROL1」(2)
第39回 個性的なオーディオインタフェイス&バンドルソフト「AUDIO KONTROL1」
第38回 DTMの基礎知識 - MIDIとは(3)
第37回 DTMの基礎知識 - MIDIとは(2)
第36回 DTMの基礎知識 - MIDIとは(1)
第35回 強力なバンドルソフト登場 - Cakewalk Production Plus Packをチェック(3)
第34回 強力なバンドルソフト登場 - Cakewalk Production Plus Packをチェック(2)
第33回 強力なバンドルソフト登場 - Cakewalk Production Plus Packをチェック(1)
第32回 MIDIキーボードを使って快適にMIDIレコーディング(3)
第31回 MIDIキーボードを使って快適にMIDIレコーディング(2)
第30回 MIDIキーボードを使って快適にMIDIレコーディング(1)
第29回 DTMの基礎知識 - DAWソフトとは(4)
第28回 DTMの基礎知識 - DAWソフトとは(3)
第27回 DTMの基礎知識 - DAWソフトとは(2)
第26回 DTMの基礎知識 - DAWソフトとは(1)
第25回 音楽制作に必須のモニターヘッドフォン(2)
第24回 音楽制作に必須のモニターヘッドフォン(1)
第23回 DTMの基礎知識 - 波形編集ソフトとは(3)
第22回 DTMの基礎知識 - 波形編集ソフトとは(2)
第21回 DTMの基礎知識 - 波形編集ソフトとは(1)
第20回 耳コピに強い味方が登場!? - バンドプロデューサーを試す(2)
第19回 耳コピに強い味方が登場!? - バンドプロデューサーを試す(1)
第18回 デジタルMTRで気軽に宅録生活(3)
第17回 デジタルMTRで気軽に宅録生活(2)
第16回 デジタルMTRで気軽に宅録生活(1)
第15回 多彩なシンセやエフェクト - オリジナルシステムを楽しめるReason(3)
第14回 多彩なシンセやエフェクト - オリジナルシステムを楽しめるReason(2)
第13回 多彩なシンセやエフェクト - オリジナルシステムを楽しめるReason(1)
第12回 バンド活動にリニアPCMレコーダを活用してみよう(3)
第11回 バンド活動にリニアPCMレコーダを活用してみよう(2)
第10回 バンド活動にリニアPCMレコーダを活用してみよう(1)
第9回 ループシーケンス機能でオリジナル曲を作ってみよう(3)
第8回 ループシーケンス機能でオリジナル曲を作ってみよう(2)
第7回 ループシーケンス機能でオリジナル曲を作ってみよう(1)
第6回 インターネットで音楽レッスン、ヤマハミュージックレッスンオンライン(2)
第5回 インターネットで音楽レッスン、ヤマハミュージックレッスンオンライン(1)
第4回 EDIROLのUSBオーディオインタフェースとPCでエレキギターを楽しむ(2)
第3回 EDIROLのUSBオーディオインタフェースとPCでエレキギターを楽しむ(1)
第2回 ヤマハのフォークギタータイプのサイレントギター、SLG100Sにチャレンジ(2)
第1回 ヤマハのフォークギタータイプのサイレントギター、SLG100Sにチャレンジ(1)

もっと見る

関連キーワード

人気記事

一覧

イチオシ記事

新着記事