4種のソフトがバンドルされるAUDIO KONTROL 1、今回はその中から3つを取り上げて紹介する。ギタープレイヤー、そしてパソコンでの音楽制作には非常に魅力的なソフトたちだ。

伝説のサウンドを再現できるGUITER COMBO

AUDIO KONTROL 1の前面に用意されたライン2入力端子はスイッチにより通常のライン入力、そしてHi-Z対応入力としても使えるため、ギターやベースを直接接続することが可能だ。つまりAUDIO KONTROL 1にパワードスピーカーでも接続しておけばギターアンプにもなるのだが、ギタープレイヤーにとっては非常に面白いソフトがバンドルされている。

それがギターアンプ・シミュレータであるGUITER COMBOだ。これはAC Box Combo、Plexi Combo、Twang Comboという3種類のコンボが用意されており、それぞれが伝統的なギターアンプ、およびエフェクトを再現している。AC Box Comboはブリティッシュ・ポップで革命を起こしたサウンドを模範としており、トレモロやトレブル・ブースター、リバーブを搭載。Plexi Comboは60年代後半から70年代前半の真空管アンプサウンドを再現、Twang Boxは12インチスピーカーとコンデンサーマイクを装備して切れのよい澄んだブルースサウンドを再現している。1本のギターでも、多彩なサウンドを楽しめるのだ。

ブリティッシュ・ポップ・サウンドに革命を起こしたサウンドを再現しているAC Box Comb、トレモロ、トレブルブースター、スプリングリバーブをエフェクトとして搭載している

暖かさと激しさ、荒々しさに特徴のある60~70年代の真空管アンプを再現したPlexi Combo、ファズ、ディストーション、リバーブ機能を備えたディレイユニットを搭載、スピーカー部分ではプリセットを読み込むことができる

切れがよく澄んだブルースサウンドを再現するTwang Combo、オーバードライブユニットやコーラス、ビブラート、スプリングリバーブといったアナログエフェクトを内蔵している

それぞれのコンボには30種類前後のプリセットが用意されており、まずはプリセットを切り替えながらギターを弾くだけでも、さまざまな音が生み出される。もちろんそれぞれのコンボに搭載されているエフェクトのパラメータを操作して、音を作りこむことも可能だ。

ギターを弾きながらマウスを操作してエフェクトパラメータを動かすとなるとちょっとやりづらいところだが、そこでAUDIO KONTROL 1のノブとボタンが活きてくる。AUDIO KONTROL 1には3種のコンボ向けのプリセットがいくつか用意されており、すぐに切り替えることができる。

AUDIO KONTROL 1のノブやボタンでなにをコントロールするかはこのソフトで設定、GUITER COMBOの各コンボ向けに数種のプリセットが用意されており、すぐに切り替えてコントロールすることが可能だ

たとえばAC Box Comboのエフェクト向けプリセットを読み込めば、左ボタン+ノブでトレモロのレート、中ボタン+ノブでスプリングリバーブの効かせ具合、そして右ボタン+ノブでリバーブタイムがワンタッチでコントロールできるのだ。リアルタイムでパフォーマンスが楽しめるのは、プレイヤーにとって使い勝手のよさを感じるところだろう。

高品位サンプラー、そしてそれを活用するDAWソフトも

KEYBOARD COLLECTIONはソフトウェアサンプラーだ。Native Instrumentsではさまざまなサンプラーをリリースしているが、その中からいくつかのサウンドが選ばれている。2種ずつの音色を収録したアコースティックピアノとエレクトリックピアノ、オルガンを中心として、8種の鍵盤楽器のサンプルファイルはかなりのボリュームだ。

ピアノやオルガンなど8種の鍵盤楽器の高品位なサウンドを楽しめるサンプラー、KEYBOARD COLLECTION

もちろんただ単に演奏するだけではなく、リバーブやコーラス、ディレイといったエフェクトを内蔵。アルペジエータとハーモナイザー機能、キーレンジで複数のサンプルを分割する、レイヤーするといった機能も用意されており、かなり強力なサンプラーである。

KEYBOARD COLLECTIONはパソコンにMIDIキーボードを接続すれば多彩な鍵盤楽器を演奏でき、またGUITER COMBOはギターを接続してさまざまなギターアンプのサウンドを楽しめるが、それだけではない。KEYBOARD COLLECTION、GUITER COMBOの両方とも、スタンドアロンで起動するだけではなく、DAWソフトで活用されるVSTiやDXiといったプラグイン形式にも対応しており、各種DAWソフトにKEYBOARD COLLECTIONはソフトシンセとして、GUITER COMBOはエフェクトとして読み込むことが可能だ。既にDAWソフトを使って音楽制作をしている人には、かなり強力なソフトが手に入ることになる。

またAUDIO KONTROL 1はWindows版のみとなるが、DAWソフトの定番のひとつ、SteinbergのCubase LEが付属する。製品版として販売されているCubase4やCubase Studio4に比べると同時に使用できるソフトシンセやエフェクト数が限られるものの、VSTi対応のためKEYBOARD COLLECTIONやGUITER COMBOをこのCubase LEに読み込んで使うことも可能だ。DAWソフトなのでもちろんオーディオレコーディングやMIDIシーケンス機能を備え、またこのCubaseLE自体にもソフトシンセやエフェクトが付属しているため、初めてDTMに手を出す人にとっては、AUDIO KONTROL 1を買うだけでかなりの環境が揃ってしまうのだ。

WindowsユーザーならDAWソフトのCubase LEもバンドルされる。GUITER COMBOやKEYBOARD COLLECTIONを読み込んで使ったり、またCubase LE付属のソフトシンセやエフェクトを活用して強力な音楽制作環境が揃ってしまう

次回は残る1つのバンドルソフト、そちらについてチェックしてみることにしよう