【コラム】

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21 DTMの基礎知識 - 波形編集ソフトとは(1)

    大坪知樹  [2006/11/22]

    パソコンで音楽を製作することを一般にDTM(Desk Top Music)と呼ぶが、DTMソフトと呼ばれるものにはさまざまな種類がある。今回はその中のひとつであり、また基本ともいえる波形編集ソフトについてどんな機能があるのか、どんなソフトがあるのか、紹介してみよう。

    波形編集ソフトではなにができる?

    当たり前の話だが、音楽はそれぞれの「音」で構成されている。そして、我々が普段「音」と呼んでいるものは空気の振動であり、圧力の変化が耳に伝わることで「音」「音楽」として認識される。この「音」は横軸に時間変化、縦軸に圧力(音圧)変化を取ることで、目に見える形で表すことができる。これが一般的に波形(音波)と呼ばれるもので、物理の授業で習った記憶がある人もいるだろう。

    音を目に見える形にするとこのような波形となる

    波形編集ソフトとはこの音を読み込み、その名の通りに編集するソフトだ。Windowsパソコンでは音声ファイルはWAVファイルが一般的だが、これを読み込めば波形として表示することができる。そして任意の場所で分割したり、ボリュームを変化させるフェード処理を行ったり、不要な部分を削除するといった編集ができる。もちろん波形の拡大・縮小表示ができるため、細かい編集作業が行いやすくなっている。

    他にもエフェクト機能が搭載されており、ファイルに含まれる各種のノイズを低減させる、録音レベルが小さくて音圧が足りない場合はノーマライズ処理を行い音圧を上げる、といったことも可能だ。

    編集した波形はWAVファイルとして保存することはもちろんだが、各種エンコーダーと連携してMP3ファイルなど圧縮ファイルとして出力できるものも多い。他にもさまざまな形式の音声ファイルに対応しているため、編集と同時に変換ツールとして使うこともできる。そもそもWAVファイルもさまざまなサンプリングレートおよびサンプリングビット数で作成することができるが、これを変換することも可能だ。例えば最近は24bit/96kHzや24bit/192kHzといった高サンプリングレートで録音できる機材およびソフトが多いが、最終的に音楽CDを作成する場合は、音楽CDのフォーマットにあわせて16bit/44.1kHzにする必要がある。波形編集ソフトではこういったサンプリングレートおよびサンプリングビット数の変換も可能だ。

    つまり、波形編集ソフトとは音楽を製作する上で必要とする機能が一通り揃ったソフトだ。もちろん録音機能も備えているので、MDやカセットデッキといった外部機器をパソコンに接続してハードディスクに録音し、編集作業を行って音楽CD化用のWAVファイルを作るといったこともできる。

    レベルの高い作品として音楽CDを完成させるには

    波形編集ソフトの具体的な活用例をひとつ挙げてみよう。例えば以前に取り上げた、EDIROLのR-09のようなリニアPCMレコーダでバンド活動をWAVファイルとして録音し、音楽CDを作る場合だ。録音したWAVファイルをパソコンに取り込めば、ライティングソフトなどでそのまま音楽CDにすることはできる。ただし、そのままでは作品としてはクオリティがイマイチという場合がほとんどだ。

    まずはファイルの頭と終わりの部分、つまり録音の開始および終了時だ。ここは必ず「ブツッ」というノイズが入っている。またそもそも曲の開始以前にはいわゆる準備カウントが入っていたり、ファイルの終わりには曲が終了してから録音を停止するまで間が開いていたりするだろう。クリッピングを恐れ、録音レベルの設定が低すぎた、ということもありがちだ。

    このような時、まずは波形編集ソフトでファイルの頭と終わりの不要な部分で分割する、つまり曲部分のみを切り出すわけだ。次に、曲の頭と終わりの部分でフェードカーブをかける。曲の頭はフェードインで音量を徐々に上げれば「ブツッ」といったノイズを消すことができる。そして録音レベルが低すぎた場合は、ノーマライズをかけて音圧を上げる。このようにして編集し、WAVファイルとして保存すれば、よりクオリティの高い音楽CDができるのだ。逆にいえば、ある程度作品としてきちんとしたクオリティを確立したいならば、波形編集ソフトによる編集作業は必須といえるだろう。

    波形編集ソフトにはさまざまなものがある。製品として販売されているものにはSONY MEDIA SOFTWAREの「SoundForge」、Steinbergの「WaveLab」、フリーソフトとしては「SoundEngineFree」「Audacity」といったところがメジャーである。もちろん高価な製品版ソフトにはいろいろとメリットもあるのだが、最近はフリーソフトでもかなり強力な編集機能を備えている。次回は「Audacity」を例に取り上げ、チェックしてみよう。

    SONY MEDIA SOFTWAREの高機能な波形編集ソフト「SoundForge8.0」

    Steingergの高機能な波形編集ソフト「WaveLab6」

    国産のフリー波形編集ソフトとして定評がある「SoundEngineFree」

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