【コラム】

音楽をはじめよう!

20 耳コピに強い味方が登場!? - バンドプロデューサーを試す(2)

    大坪知樹  [2006/11/15]

    CDなどで曲を聞き、コードを拾う「耳コピ」。正確に耳コピを行うにはかなりの慣れが必要だが、なんと販売されている普通のCDからコードを検出できるソフト「バンドプロデューサー」が登場した。今回は実際にCDからコードが検出できるか、手順を追って試してみよう。

    初めてでもコード検出は簡単にできる

    「バンドプロデューサー」を起動すると、「簡単メニュー」という目的別のランチャが表示される。DAW的な外観を備えるこのソフトだが、この簡単メニューを見る限りはまったくの初心者であっても使えそうな印象だ。

    簡単メニューの中には「音楽CDやWAVEなどのオーディオファイルからコードを検出します」というボタンが用意されているので、まずはそれをクリックしよう。次に「コード検出メニュー」が表示される。パソコンのCD/DVDドライブにコードを検出したい曲が含まれているCDをセットし、「音楽CDからコード検出します」ボタンをクリックすると「音楽CDからのリッピング」ダイアログが表示される。

    コード解析はトラックをクリックして選択し「リッピング」ボタンでいったんWAVファイルとしてハードディスク上に保存してから行う、「演奏」ボタンで試聴することも可能だ

    前回も軽く触れたが、基本的には一度CDからリッピングし、WAVファイルとしてパソコンのハードディスク上に保存、そのWAVファイルからコード解析という手順になっている。なお、ここでは複数の曲をまとめてリッピングすることは出来ないので、まとめてコード検出を行いたい場合は他のリッピングツールなどを使って、あらかじめWAVファイルを準備しておいたほうが便利だろう。

    リッピングしたWAVファイル全体が波形表示されるので、コード検出する範囲をマウスドラッグで選択。曲全体はもちろんだが、試聴しながら一部のフレーズを選んでコード検出することもできる

    リッピングが完了すると、曲全体が波形表示される。コード検出を行いたい範囲を指定し、拍子を選択すると、次はテンポの入力だ。これはコード検出におけるほとんど唯一の操作だが、再生されるWAVファイルに合わせ、拍の頭でスペースキーを押すだけと簡単。

    曲を再生しながら拍の頭に合わせてスペースキーをタッピングし、テンポを検出する。テンポが確定すれば、自動的にコード検出処理が行われる

    オリジナルのWAVファイル、そして検出されたコードがMIDIとして貼り付けられる。同時に再生し、正しく検出されているかどうか確認したり、間違って検出されたコードは手動で訂正したりすることも可能だ

    テンポが確定されればコード検出が開始される。処理そのものにそれほど時間は掛からず、5分程度の曲で30秒前後といったところだ。「コード検出結果」ウィンドウが表示されたら再生してみよう、検出されたコードはMIDIとして貼り付けられ、内蔵ソフトシンセによって演奏される。

    得手・不得手はあるが、コード検出の精度もなかなか

    検出されたコード進行は「コード検出結果」ウィンドウの「完了」ボタンをクリックすることで、バンドプロデューサーのメインウィンドウ的な「トラックウィンドウ」のコードトラックに貼り付けられる。また「リードシート」という機能もあり、これはコード進行のみを手書き風で表示できるもの。印刷することも可能なので、友人に渡すときなど便利に使えそうだ。

    トラックウィンドウの一番上にはコードトラックが表示され、検出されたコード進行が貼り付けられている。またリズムトラックにはそれらしい伴奏がMIDIデータとして再現される

    コード進行は手書き風のリードシートとして表示したり、印刷したりすることが可能だ

    面白いのは、トラックウィンドウにはコード進行が貼り付けられるではなく、ベースやドラムといった伴奏が「リズムトラック」にMIDIデータとして反映されること。このリズムトラックはもちろん内蔵ソフトシンセで演奏することが出来るが、再生してみると、元のCDとは違うものの、それらしい演奏が再現されている。バンドプロデューサーで伴奏を再生し、それに合わせてギターの練習をする、またリズムパターンが多く用意されているので、伴奏のアレンジにチャレンジする、といったことも可能だ。

    リズムトラックに読み込まれた演奏は、豊富に用意されたリズムパターンを使ってアレンジすることも可能

    さて、肝心のコード検出の精度だが、これはやはりコード検出を行う曲によって変わってくる。たとえばギターストロークが入っているような、いかにもコードをかき鳴らしているというタイプの曲は得意で、かなりうまくコードを検出できた。その意味では、ギタープレイヤーにはなかなか有効だろう。

    また読ませる曲に細かい制限があるわけではないのもポイント。たとえばボーカル入りはNGなどといった制限があっては手持ちのCDからではほとんどコード検出が行えないといったことにもなりかねないだろうが、実際にはボーカル入りだからといって目に見えておかしな結果になるということはなかった。もちろん一部におかしな検出結果が出るということもないわけではないが、手動で修正することも出来るし、まったくゼロの状態から耳コピすることに比べれば、CDをどんどん読ませてコード検出できるのは確かに便利だ。

    逆に苦手なのは、試した中ではドラムやベースを中心とした打ち込み系、つまりダンスミュージック系だ。打ち込みで曲を作っているDTMユーザーにはちょっと残念なところである。

    このように、実際に使えるコード検出機能を備えたバンドプロデューサー。河合楽器のWebページでは体験版も公開されており、15日間の無料試用が出来る。興味を持った方は、実際に手持ちのCDからコード検出してみてはいかがだろうか?

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