【コラム】

音楽をはじめよう!

15 多彩なシンセやエフェクト - オリジナルシステムを楽しめるReason(3)

    大坪知樹  [2006/10/11]

    シンセサイザやエフェクトなど数多くのデバイスを自由に組み合わせ、オリジナルシステムを実現できるReason。今回は、バーチャルなラックにどのようにデバイスを組み込むのか、そしてReasonの特徴でもあるケーブルのパッチングなどについて紹介しよう。

    右クリックでどんどんデバイスを組み込む

    Reasonを起動すると、ラックにあらかじめいくつのかのデバイスが組み込まれ、そしてSequencerにMIDIデータが読み込まれた、いわゆるデモソング的なものが開く。この状態でPlayボタンをクリックすればデモソングを聴くこともできるが、今回は新しいラックにデバイスを組み込むことから始めよう。

    Ctrl+Nキーでも新しいラックを開くことができる、Mixerは複数の音源やエフェクトをまとめるために、どんな曲を作るにしても必須となるはずだ

    「File」メニューの「New」を選択すると、新しいウィンドウでラックが開く。初期状態ではMixerと、完成した曲を最終的にマスタリングするために使用するMClass Mastering Suiteというデバイスが組み込まれたラックが開くが、これは設定によって完全に空のラックを開いたり、また自分で作成したテンプレート的なラックを開くよう変更することもできる。

    空のラック部分で右クリックすると、デバイス名がポップアップメニューで表示されるので、選択することでラックに組み込まれる

    では、どのようにラックにデバイスを組み込むのか。これは非常に簡単で、空のラック部分で右クリックし、ポップアップメニューから組み込みたいデバイスを選択すればよい。

    次にReasonの特徴であるケーブルの接続だが、これもよくできており、基本的には右クリックしてデバイスを組み込むと、最適と思われるルーティングが自動的に行われるようになっている。試しに、何か適当な音源デバイスをラックに組み込んでからキーボードのTabキーを押してみよう。

    Tabキーでラックを裏返すことができる。いくつかのケーブルが既に接続された状態になっているが、よく見てみると音源のオーディオアウトプットからMixerのオーディオインプットへと、実際の機材と同様のルーティングが行われている

    ラックが裏返って背面が表示されるが、組み込んだ音源のオーディオアウトプットから、Mixerのオーディオインプットへとケーブルが接続されていることがわかるだろう。またデバイスの背面ではどのデバイスをどのようにルーティングしているかがわかりにくいが、よく見てみると各デバイスの左側にドラフティングテープが貼られていることがわかる。これも実際のスタジオでよく見られる光景、ドラフティングテープをクリックしてやると名称を変更することもできるので、例えば「Guitar」「Bass」といった具合に音色を入力しておけばわかりやすい。このあたりの細かいこだわりも、Reasonの遊び心溢れる部分だ。ルーティングに関しては、後でもう少し詳しく触れることにしよう。

    Sequencerには組み込んだデバイスごとにトラックが作成される、Inカラムをクリックして選択したトラックの音源は、MIDIキーボードを弾くことで演奏される

    ラックに組み込んだ音源デバイスは、Sequencerの各トラックにMIDIデータを打ち込むことで、演奏することができる。MIDIキーボードが手元にあるならば、もちろんそれで鳴らすこともできるので、鍵盤を弾きながら音源デバイスのパラメータをいじってやると、その出音にしばらくは楽しめるはずだ。

    いろいろなルーティングを試すことで独自のシステムを作り上げる

    では、ルーティングについてもう少し詳しく見ていこう。基本的には新しいデバイスを組み込むだけで自動的にルーティングされるのだが、もちろん自分で好きなように繋ぎなおすこともできる。その方法は非常に簡単で、ラックのコネクタ部分をクリックして、繋ぎ直したい端子までドラッグしてやり、マウスボタンを離すだけだ。また多くのデバイスを組み込んでルーティングが複雑になっている場合は、コネクタを右クリックしてやればポップアップメニューから繋ぎ直すこともできる。実際の機材では、間違ったルーティングをしてしまうと当然うまく動かないのだが、Reasonでは信号の流れとして正しくないルーティングはできないようになっているので、思う存分にいろいろなルーティングを試すことができるだろう。

    コネクタ部分をクリックしてドラッグすると繋ぎ変えることができる、このとき繋ごうとしている端子が赤く表示される場合は接続可能な端子で、逆に色が変わらない端子は接続できない端子となっており、一目瞭然だ

    いろいろなデバイス、特にパターンシーケンサであるMatrixを組み込んでみるとわかるが、Reasonでは何色かのケーブルが用意されている。これには意味があり、赤はオーディオ信号、緑はエフェクトを経由するオーディオ信号、黄緑はCV/Gate信号のケーブルと、色によって区別がしやすいように工夫されているのだ。

    音源と、パターンシーケンサであるMatrixは黄緑のケーブルでルーティング。画像はMatrixのCV/Gate信号で音源を鳴らすようにルーティングしているが、右側のModulation InputやGate InputにMatrixのCV/Gate信号をルーティングしてやると、音源のパラメータを動かしてサウンドを変化させることができる

    Matrixでは8 × 4 = 32パターンのCV/Gate信号をメモリに記録することができる。ディスプレイ上をクリックしてパターンを作れるが、右クリックして「Randomize Pattern」を選択すると自動的にパターンが作成されるので、MIDIキーボードが手元にないならばMatrixを使って音源を演奏するのが手軽だ。作成したパターンはディスプレイ左側の「Run」ボタンをクリックすることでルーティングしたデバイスに送出される

    CVとは電圧の違いでさまざまなパラメータをコントロールするための信号で、GateもCVの一種である。そもそもはアナログシンセサイザで用いられていた方式で、現在ではほとんど目にしないものなのだが、Reasonではこの概念を受け継いでいる。MatrixはCV/Gate信号を送出するパターンシーケンサであり、音源デバイスのSequencer Control端子にこのCV/Gate信号をルーティングしてやれば音源の演奏を、そしてModulation Input端子にルーティングしてやれば、音源のオシレータやフィルタといったパラメータを動かし、サウンドを変える、といった高度な使い方も可能となる。アナログシンセサイザに馴染みがないとちょっと言葉ではわかりにくいかもしれないが、機器を壊す心配もなくいろいろなルーティングを試せるのがソフトウェアであるReasonの強みのひとつ、ぜひともルーティングを変えて、その効果を体験してみて欲しいところだ。

    もちろんReasonは他にもいろいろと面白い機能があるのだが、そのすべてを紹介することはとてもできない。PropellerheadのWebサイトには、Reasonのデモ版が用意されている。起動時間が限られるなど多少の制限はあるが、Reasonに興味を持ったならば一度試してみることをお勧めしよう。

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