【コラム】

音楽をはじめよう!

7 ループシーケンス機能でオリジナル曲を作ってみよう(1)

    大坪知樹  [2006/08/09]

    音楽が好きな人なら、一度はオリジナル曲を作ってみたいと考えたことがあるだろう。最近はPCのソフトを使うことで、誰でも簡単にオリジナル曲が作れてしまう。どんなソフトで、どうやればできるのか、紹介していこう。

    ループシーケンス機能ってなに?

    PCで音楽制作を行うことをDTM(Desk Top Music)という、この言葉自体は聞いたことある人も多いだろう。現在ではDTMという言葉が指す範囲はかなり広く、例えばPCにギターやマイクを繋いで楽器の演奏音を直接録音する、またMIDI音源をPCで鳴らす、そしてそのようにして作った各パートを組み合わせてひとつの曲として完成させるといった一連の流れをすべてPCだけで行うことができる。

    ただし実際には、完全にゼロの状態からオリジナル曲を作る、ということはなかなか難しく、挑戦して挫折した苦い経験を持つ人もいるだろう。「ギターは自分で弾けても、ドラムとピアノがダメ」「気の利いたフレーズが思い浮かばない」「作曲の基礎知識がわからない」などといったことから、かなり敷居が高く感じるものだ。

    ところが最近のDTMの世界では、ドラッグ&ドロップやコピー&ペーストといった簡単な操作で、さまざまな楽器パートを作り込み、ひとつの曲として完成させることも可能である。これをループシーケンス機能という。

    ループシーケンス機能とは、簡単にいえば素材として用意されているオーディオファイルを、複数貼り付けてひとつの曲を作ることができる機能だ。そしてその素材は1小節や1フレーズといった短いものなのだが、ドラッグ&ドロップして長さを変えると、簡単に繰り返し(ループ)再生することができる。

    最大の特徴は、曲のテンポを変えても問題なく再生できてしまうことだ。ちょっと例が古いが、カセットテープを普通に再生したときと、早送りしながら再生したときを考えてほしい。早送り=テンポが速くなると、音のピッチが変わってしまう。しかしループシーケンス機能を実現しているソフトならば、たくさんの素材を貼り付け、テンポを変えても音的にはまったく問題なく、再生できるのだ。つまりこれは、それぞれの素材のテンポがバラバラで作成されていても、問題ないということである。

    多くの素材を活用してオリジナル曲が作れる!

    ループシーケンス機能を初めて実現したソフトが、SONY MEDIA SOFTWAREのACIDシリーズである。ループシーケンス機能の素材となるオーディオファイルはエクスプローラなどから見ると通常のWAVファイルなのだが、実際にはループしたりテンポを変えたりしてもそれに追従できるよう特殊な処理が施されており、一般的にはACIDファイルやループファイルなどと呼ばれている。

    ループシーケンス機能の源流であるACIDシリーズ、ACID Music Studioは低価格ながらも豊富な素材集も付属し、すぐに曲作りを楽しめる

    そしてこのACIDファイルは、非常にたくさんの種類が世界中で用意されている。たとえばロックやヒップホップなどジャンル別、ドラムやギターといった楽器別に、素材集という形でいろいろなフレーズが収められて販売されているのだ。また著作権フリーで使用できるACIDファイルが公開されているWebもある。

    ACIDをリリースしているSONY Media SoftwareはACIDループの素材集も多くリリース、代理店であるフックアップのWebページではサンプルをダウンロードすることもできる

    つまり、ループシーケンス機能を持つソフトは、素材集に収められたさまざまな楽器やフレーズのACIDファイルを複数貼り付け、またそれぞれのACIDファイルのテンポを気にする必要もない。そう、そこには音楽的な知識や、作曲力は必要ないのだ。聞いて気に入ったフレーズや楽器音をペタペタと貼り付けていくだけで、オリジナル曲ができてしまう。厳密な意味での作曲とはちょっと違うが、手軽にオリジナリティ溢れる曲を作り出せる、これはなかなか面白い。

    このループシーケンス機能は今ではACIDシリーズに限らずさまざまなソフトが備えている。最近ユーザーが増えているのが、EDIROLのオーディオインタフェースやMIDIキーボードの一部製品に無料でバンドルされている、CakewalkのSONAR LEというソフトで、これもループシーケンス機能を搭載、ACIDループを読み込むことができる。

    EDIROLの一部製品に無料で付属するソフトながらも、ループシーケンス機能を始めとして強力機能を備えた音楽制作ソフト、SONAR LE

    では次回はSONAR LEを使い、実際にループシーケンス機能を試してみることにしよう。

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