【コラム】
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前回までに、「会議体設計のコツ」「会議運営のコツ」「会議の役割」「会議での意思決定のコツ」について紹介をしてきた。最終回の今回は、「会議とキャリアの関係」について話していこうと思う。
ドリームジャンボ宝くじの買い方として、「連番」で10枚買う場合と、「バラ」で10枚買う場合とがある。2等以下は、「連番」で買おうが、「バラ」で買おうが確率は全く変わらないのだが、1等(2億円)は前後賞(5,000万円×2)があるためちょっと複雑になる。「バラ」で買うと、前後賞あわせた3億円は「絶対に」当たらないように「バラけて」いるのである。
連番とバラはどっちが得なのだろうか? あなたは、連番とバラどっちを買うだろうか?
気になって期待値を計算してみたことがある。実は期待値は同じなのだ。
しかし、そこで、「な~んだ同じか」と思考を止めないでほしい。
連番とバラでは、こんな違いがある。
バラで買うと、1等が当たっても2億円しかもらえないものの、前後賞だけの5千万円が当たる確率が高いのである。
この違いから言えるのは、
というような考えを持っている人は連番を買うべきなのである。
一方で、
という考えのカッコいい"サラリーマン"はバラを買うべきなのである。
さて、あなたは、どちら派だろうか?
そんなバラ派のあなたは、次章へと読み進めてほしい。
会社人生の中では多くの選択、すなわち「決めること」が必要となる。一人ですべて決められるならいいのだが、サラリーマンは社内・社外含めて複数の人で仕事をすることが多いため、思うようにいかないことが、たびたび起こる。
思うようにいかない時、その理由が納得いくものならいいのだが、
このような場合は、「妥協」「諦め」という言葉が湧き上がってくる。
すなわち、会社人生で「妥協」「諦め」を減らすには、複数の人で決める場が上手く回っていることが必要となる。複数の人で決めるための技術をみんなが持っているといいのだ。そして、複数の人で決めるための技術とは、会議技術のことだといっても過言ではない。そう、会議技術は会社生活を楽しくするのにとても大切なものなのだ。これまでの5回の連載の中でお伝えしてきた内容を思い出してほしい。
「議題に関することなら、なんでもしゃべっていい」ということはしない。会議の「ゴール」を明確にし、みんなで共有してから会議を行う。その会議が「決める」ためのものか、単なる「共有」のためのものか、自由に意見を「発散」させるためのものなのかをハッキリさせておくのだ。
また、そのゴールを明確にすることで、「呼ぶ人を減らせないのか」「時間を短くできないのか」「メールで十分ではないか」「1対1のほうが適しているのではないか」ということも考えて、無駄な会議を減らしていく。こういった習慣により、複数で物事を決めるOSが出来上がるのだ。
会議での発言の際に、「自分はこうしたい」というだけでなく、「なぜそう思うか」という判断軸を明らかにする。この習慣により、決定が「誰が言ったか」ということだけに依存しなくなり、納得性・精度の高い意思決定となるのだ。
参加者一人ひとりの様子を観察して対応する、場の空気を良くするなどの「オモテナシの心」を用いた会議運営を心がける。この習慣により、無駄な火種を残したり、不愉快な人間関係が出来上がったりすることを減らしていくのだ。
こういったことを地道に習慣化することで、妥協や諦めが少しずつ減っていく。もちろん妥協や諦めを無くすには、もっといろいろな要素が絡み合っている。しかし、みんなが会議技術を身に付けているということは、とても大事で、かつ他の要素に比べ、案外簡単に出来ることだと思う。
会議を変えて、会社を楽しく!
サラリーマン人生、悪くないと思っている人は、この「会議を変える」ということを、ぜひやってみていただきたい。
「組織長が率先してやってくれないと……」そういう想いがある人もいるかもしれない。もちろん、組織長が率先するのが好ましい。しかし、組織の二番手、三番手、はたまたもっと若手が率先するのもありだと筆者は考えている。組織全体を引っ張るとまでは言わずとも、会議体を設計する、会議のアジェンダを決める、会議を仕切るというのは必ずしも組織長の仕事ではない。むしろ、会議運営を行うということは、組織長以外の人たちにとっての組織長への登竜門になるのだ。
ぜひ皆さんも、紹介してきた会議スキルを実践していってほしい。そして、ぜひ周りの人にも広げていってほしい。少しでも広がって、会社がもっともっと楽しくなっていけば、幸いである。
執筆者紹介
斉藤岳 SAITO Gaku
アビームコンサルティング プリンシパル。東京大学大学院農学生命科学研究科修了。コンサルティングファーム勤務を経て2001年にアビーム入社。新規事業立上げ、事業再編、経営管理、業務改革等のコンサルティング経験多数。また、「会議で結論を出す技術」「インタビュースキル」「ソリューション営業スキル」等の研修を行っている。主な著書に1回の会議・打ち合わせで必ず結論を出す技術
など。
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