MSDNライブラリがリニューアル

昔はMSDNライブラリというと、CD-ROMやDVD-ROMで配布していたものだが、今はWeb上でも同じものが提供されている。年に4回しか更新がかからないCD-ROM/DVD-ROMと比べると、常に最新の情報にアクセスできるうえにインストールの手間もかからないWeb版のほうが、なにかと便利ではある。

しかし、インターネットに接続できないと利用できないのは致し方ないにしても、使用しているクライアントPCの性能やWebブラウザなどが原因で、動作が重く感じられる場面があるかもしれない。また、最近ではPC用のWebブラウザではなくスマートフォンでアクセスすることもありそうだ。

こうした事情を反映したのかどうか、MSDNライブラリがリニューアルした。コンテンツのリニューアルは始終行われているが、今回は「見せ方」のリニューアルである。何がどう変わったかというと、表示形式が「クラシック」「ライトウェイト」「ScriptFree」の三本立てになったのだ。

まずは基本の「クラシック」から見ていただこう。

MSDNライブラリ(クラシック)
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/default(classic).aspx

「クラシック」といっても、Windowsのユーザーインタフェースにおける「クラシック」とは意味が違い、最もリッチな表示型式である。十分に馬力があるPCとWebブラウザを使用しているなら、これが最も使いやすいだろう。

MSDNライブラリ(クラシック)の画面例

そこで画面右上隅の「ライトウェイト」をクリックすると、「ライトウェイト」に切り替わる。こちらは、リニューアル以前の表示型式と同じではないかと思われる。

MSDNライブラリ(クラシック)
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/default(classic).aspx

MSDNライブラリ(ライトウェイト)
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/ms123401(d=lightweight).aspx

「クラシック」と比べたときの大きな違いは、左側のツリー画面にある。「クラシック」ではツリーが動的に展開/縮小するが、「ライトウェイト」ではリンク集とでもいうべき体裁をとっており、リンクをたどるとその時点で初めて、階層表示が深くなったり浅くなったりする。単にデザインがシンプルというだけの違いではない。

MSDNライブラリ(ライトウェイト)の画面例

上の状態で、左側の項目一覧から「開発ツールと言語ドキュメント」をクリックすると、こうなる。「クラシック」のように動的にツリーを展開/縮小する形ではない

そして、画面右上隅の「ScriptFree」をクリックすると、もっともシンプルな表示形式になる。ScriptFreeは「スクリプトを使用していない」という意味になるから、セキュリティ上の理由でスクリプトを無効化しているとか、Webブラウザの負荷を軽減したいとかいう場面で役立ちそうだ。

また、画面の表示内容そのものもシンプルになっているので、データ量は減るだろうし、スマートフォンのような狭い画面でも、いくらか見やすくなるのではないだろうか。

MSDNライブラリ(ScriptFree)の画面例

ただしどういうわけか、本稿執筆の時点では、「ライトウェイト」表示にした状態では画面右上隅に「クラシック」と「ScriptFree」のリンクが現れない。そのため、「ScriptFree」表示を利用するには「クラシック」画面からたどらなければならないのが、少し不便だ。直リンクで飛べるようにしてもらえると嬉しいのだが。

逆に、「ScriptFree」の画面から「クラシック」や「ライトウェイト」に遷移することはできる。

MSDNライブラリのタグ機能を活用する

前述の「クラシック」表示にしたときには、画面の右側に「タグ一覧」が現れる。blogなどでもおなじみの機能で、コンテンツごとに内容を示す「タグ」を付けておくことで、タグ一覧から関連コンテンツの一覧をパッと引き出せるようになっている。

本稿執筆の時点では、まだタグの数は多くないようだが、これから順次、増えていくことになるのではないかと予想される。

一覧の中から任意のタグをクリックすると…

そのタグを付けたコンテンツの一覧が現れる

タグ一覧で「すべてを表示」した結果。これが本稿執筆時点で存在するタグのすべてだが、将来はもっと増えるのではないだろうか

もちろん、キーワードを指定して検索する方法も利用できる。しかし、キーワードによっては、自分が所望しているのとは異なるコンテンツが大量に検索結果に含まれてしまい、結果的にノイズ(失礼)を増やすことになる場合がある。その点、人為的に設定するタグの方が確実性が高い。

その代わり、タグが付かないと取りこぼしが発生することになるので、まずタグを当たってみて、「希望するキーワードに対応するタグがない」あるいは「タグによる検索で何も出てこない」場合にキーワード検索を試すというアプローチが効率的ではないかと思う。

ちなみにこのタグ機能、キーワードだけでなく「投稿者」という単位もあるので、「誰それが投稿したコンテンツを探す」という使い方もできそうだ。そういう場面がどれだけあるか、ちょっと確信が持てないのだが。

なお、表示形式を「ライトウェイト」あるいは「ScriptFree」にした場合は、タグ一覧は画面に現れないので注意したい。