本連載では日本語版のMSDNオンラインを主として取り上げており、リンク先が英語で表記されている時は、その旨を示したうえで紹介している。ただし現実問題としては、英語版にしか存在しないコンテンツ、英語版のほうが(微妙な差のことが多いが)リリースが早いコンテンツもあるので、今回は英語版MSDNオンライン(MSDN Onlineと言うべきか)を取り上げる。

MSDNワールドワイド

「msdn.microsoft.com」というホスト名を持つWebサーバの下、言語によってその後のURLを使い分けるのがMSDNオンラインのお約束。だから、米国本社の英語版であれば、日本語版で「ja-jp」となっている部分が「en-us」に置き換わる。

MSDN ? Explore Desktop, Web, Cloud, and Phone Software Development
http://msdn.microsoft.com/en-us

トップページの基本的なデザインは日本語版と似ているが、「Platforms」「Tasks」「News」の3枚タブ構成になっているところが違う。「Platforms」と「News」は見ればわかるという類のものだが、「Tasks」とは何だろうか? 「create code」「testing」「understand code」の3本立てである。つまり、開発者、あるいは開発に携わる関係者に関わる3大業務、すなわちコーディング・テスト・コードの理解というわけである。

英語版MSDNオンラインのトップページ(2011年7月現在)

ちなみに、MSDNオンラインは日本語版と英語版しか存在しないわけではない。実はそれ以外にもビックリするぐらい多種多様な言語で提供されている。それらのリンクは以下のところにまとめられているので、米国以外の国と関わりがある開発者でも大船に乗った気でいて大丈夫だ(なんのこっちゃ)。

MSDN Worldwide Sites
http://msdn.microsoft.com/en-us/ms376821

MSDNオンラインに限らず、マイクロソフトのWebサイト、それ以外でもグローバルで事業を展開している企業のWebサイトは、コンテンツの体裁や構成を統一したうえでコンテンツの翻訳を行い、各国語版を提供していることが多い。そして、日本語版は関係者の努力のおかげで、充実したコンテンツを揃えているし、日本独自のコンテンツもいろいろある。

では、わざわざ英語版を利用するメリットとは何だろうか。それは、まだ日本語版にはないコンテンツがあるという点に尽きるだろう。昔みたいに長く待たされるわけではないにしても、英語版が先に出るケースが発生してしまうのは致し方ない部分がある。また、英語版にしかないテクノロジーもあるので、それは当然ながら英語版のコンテンツに頼らざるを得ない。

英語版で見つけた興味深そうなコンテンツいろいろ

ブラウザの言語設定か何かを見ているのか、英語版MSDN Onlineのコンテンツでリンクをクリックすると、日本語版コンテンツに飛ばされることがある。親切といえば親切だが、わざわざ英語版を見たい時はちょっと不便だと感じるかもしれない。かといって、言語設定を英語版に変えれば日本語版のコンテンツを見る時に不自由する。

しかし、これは一手間かければ解決できる。以前に書いたかもしれないが、URL中の「ja-jp」を「en-us」に書き換えて[Enter]キーを押せば、対応する英語版コンテンツに遷移できるからだ。ということは、英語版MSDNオンラインでリンクをクリックしても日本語版に飛ばされないコンテンツは、英語版にしかないということでもある。

といったところで、英語版MSDNオンラインを探検して見つけた、面白そうなコンテンツをいくつか紹介しよう。面白いのは、URLが「~/ja-jp/~」となっていてもコンテンツは英語版というケースがあること。いずれ日本語化するための布石だとありがたいのだが。

Microsoft Sync Framework Developer Center
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/sync/

デバイス相互間のデータ同期に関するフレームワークと、そのための開発者向け情報を提供している。スマートフォンとPCを併用するユーザーが増えてくると、この種のテクノロジーの重要性が増してくるように思える。Syncテクノロジーの概要は、以下のところで紹介している。

Introduction to Microsoft Sync Framework
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/sync/bb821992

Beginner Developer Learning Center
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/beginner/default(en-us).aspx

これは「日本語版も欲しい!」と思った。名前でおわかりの通り、ソフトウェア開発の初心者に向けたコンテンツである。もっとも、日本人の初心者がアクセスすると、ソフトウェア開発以前に、英語版コンテンツのビギナーになってしまいそうではある。

コンテンツは「Web Development」「Windows Development」「Aspiring Professional」「Kid's Corner」「Resources」で構成しているが、「Kid's Corner」があるのには感心した。

なんと「Kid's Corner」まで用意しているのが、初心者向けコンテンツの「Beginner Developer Learning Center」

MSDN Training and Certification Resources
http://msdn.microsoft.com/en-us/bb188199

トレーニングや認定制度に関する情報。海外の開発者と仕事をする場面で、日本と比べて何が違うのかを把握しておくと役に立つことがあるかも?

Microsoft Tester Center
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/testing/

テスト担当者向けの情報をまとめたコンテンツだ。それと関連して、Windowsシステムのパフォーマンス分析に関する情報提供を行っているコンテンツもある。

テスト担当者向けの情報も、抜かりなく「Microsoft Tester Center」に用意されている

Windows Performance Analysis Developer Center
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/performance/

Microsoft Speech Technologies Developer Center
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/speech/

Microsoft Speech Technologies関連の情報をまとめたコンテンツ。このテクノロジーを日本語版にしようとすると、当然ながら日本語をしゃべらなければならないので、他のテクノロジーをローカライズするのと比べると、ハードルが高そうだ。

Visual Studio LightSwitch Developer Center
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/lightswitch/

ビジネス向けアプリケーションの開発を容易にするツール、との触れ込みで、デスクトップ環境とクラウド環境の両方に対応している。

Parallel Computing
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/concurrency/

並列コンピューティング関連の情報がまとめられている。

patterns & practices: Developer Center Home
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/practices/

さまざまなガイダンスをダウンロード可能な形で提供して、ソフトウェア開発に付随するリスクを低減するお手伝いをします、というコンテンツ。

Script Junkie {}
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/scriptjunkie/

HTML5・CSS・スクリプトといったWebコンテンツ関連の情報がまとめられている。ちょうどHTML5の注目度が高まっている昨今、何か役に立つことがあるかもしれない。以前にも紹介したことがあったかな?