これまで、本連載ではさまざまな分野のデベロッパーセンターを中心に取り上げてきた。Windowsがパーソナルコンピュータだけのものだった時代と違い、現代ではさまざまなところで使われており、ソフトウェアの幅も広がってきている。それだけ、必要とされる情報提供の幅も広がっているわけだ。

したがって、デベロッパーセンターからリンクされている技術情報はMSDNオンライン、あるいはその他のマイクロソフトのWebサイトに散在している各種情報に個別リンクを張る形となっている。しかしそれとは別の切り口として、MSDNオンラインの中のMSDNライブラリには、テクニカルドキュメントという分類がある。今回は、これについて見てみよう。

テクニカルドキュメントの所在と概要

テクニカルドキュメントはMSDNライブラリの一部なので、まずはMSDNライブラリにアクセスする必要がある。

MSDNライブラリ
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/ms123401.aspx

すると、左側のコンテンツ一覧に「テクニカルドキュメント」があるので、それをクリックすることでテクニカルドキュメントのトップページに移動する。

テクニカルドキュメント
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/bb905071.aspx

MSDNライブラリの「テクニカルドキュメント」トップ画面。分野別の見出しが並んでおり、ものによってはさらに枝分かれしている

テクニカルドキュメントの対象は、開発ツール、開発対象となる各種アプリケーションソフトだけでなく、XMLに代表されるような特定のテクノロジー、さらに開発者向けコラムなど、さまざまだ。

また、Internet Explorer、Windows、Officeのようにバージョンがいろいろあるものは、バージョンごとにコンテンツが枝分かれしているほか、バージョンに関係なく必要とされる共通情報をまとめたものもある。

全体像を把握しやすくなると思うので、テクニカルドキュメントの対象になっている分野について、以下に箇条書きの形でまとめてみた。

開発ツール Visual Studio 2003/2005/2008、Visual Studio .NET、Visual Studio 6.0
アプリケーション SQL Server 2008、Internet Explorer (全般、6~9)
プラットフォーム モバイルおよびEmbedded、.NET、Office(全般、2000/XP/2003/2007)、Web、Windows(2000/XP/Vista/7)、Windowsサーバ(2003)、Windows Media
テクノロジー Direct X、XML、MSMQ(Microsoft Message Queuing)
その他 アーキテクチャ、セキュリティ、Coding4fun、コラム、その他のドキュメント

過去からずっと蓄積されてきたドキュメントの集合体だけに、含まれているドキュメントの中にはずいぶんと日付が古いもの、すでにメインストリームから外れているかもしれないテクノロジーに関するものも含まれている。

しかし、過去に作成したシステムのメンテナンスや移行といった場面で、古いテクニカルドキュメントが必要になる可能性も考えられるから、必ずしも最新のドキュメントだけ置いておけばよいというものでもない。Windows、OfficeもInternet Explorerのようにインストールベースが多い製品では、往々にして古いバージョンの製品が使われ続けていることがある。

それに、「温故知新」なんていう言葉もある。マイクロソフト製品では、過去の製品との互換性・相互運用性を維持しながら段階的にテクノロジーの模様替えを図ってきているケースが見受けられるので、過去のテクノロジーを知ることが現代のテクノロジーに関する理解を深めることにつながる(かもしれない)。

テクニカルドキュメントをいくつか紹介

一般的には、本連載の第30回で取り上げたように、特定のキーワードでコンテンツを検索していたらテクニカルドキュメントが引っかかってきたのでアクセスしてみるという形が多いと思われる。

しかしもちろん、テクニカルドキュメントを上の方から順番に掘り下げていき、興味がありそうな情報、自分が必要としている情報を探してアクセスする形もあるだろう。特定のテーマについて集中的に情報を探す場面では、そういう形になる可能性がある。

特にセキュリティのような普遍的なテーマ、Internet ExplorerやOfficeのように複数のバージョンにまたがる横断的な情報を必要とする場面が多そうな製品がこのケースに該当しそうだ。

そんなテクニカルドキュメントを目次から順に掘り下げてみて、個人的に興味深いと思ったものをいくつかリストアップしてみよう。

公開プロトコルと無償ライセンス
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/ms818754.aspx

Windowsが実装しているさまざまなプロトコルについて、相互運用性実現のために情報公開や無償ライセンスを実現している件についての情報。

高DPIアプリケーションの記述方法
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/ms969894.aspx

いささか古い記事だが、ディスプレイの大画面化・高解像度化が進んでいる昨今、改めて読み直してみるのも良いかも知れない。

セキュリティテスト用SSLサーバーの構築
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/dd350131.aspx

Webサーバにおける通信の保護に欠かせないSSLだが、実際に導入するにはテスト環境が必要になる。そのテスト環境構築についてのドキュメント。

Webアプリケーション セキュリティの強化
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/dd370658.aspx

アプリケーションのWeb化が進んでいる昨今、念のために目を通しておくと役立つことがあるかもしれない。

これは公開プロトコルと無償ライセンスに関するテクニカルドキュメント。対象となるプロトコルが多いだけに、かなりボリュームがある