特に企業の業務用アプリケーションを開発する場面で、避けて通ることができないのがデータベース、とりわけRDBMSの利用だ。そしてマイクロソフトのRDBMS製品・Microsoft SQL Serverも、さまざまな現場で広く活用されている。当然、そのSQL Serverを初めとするデータベース製品は、開発者と関わってくる場面が多くなる。

そこで今回は、データベースアクセスを必要とするアプリケーション開発を支援する、データアクセスデベロッパーセンターを紹介しよう。

データアクセスデベロッパーセンター
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/data

ステップ・バイ・ステップ方式のデザインにリニューアル

データアクセスデベロッパーセンターそのものは以前から存在するが、ここも例の「ステップ・バイ・ステップ方式」になった。すでに過去の本連載でも言及しているように、この「ステップ・バイ・ステップ方式」には、初心者から上級者まで、さまざまなスキルを持つ開発者が、自分のレベルにあった情報を見つけやすくなる利点がある。

「ステップ・バイ・ステップ方式」にリニューアルした、データアクセスデベロッパーセンター

特に、データベースアクセスを必要とするアプリケーションを初めと開発するのであれば、まずはデータベースアクセスの概要について知る必要があるだろう。一般に、RDBMSの種類がいろいろあることから、データベースアクセスを行う際には特定のRDBMSに特化した方法を用いるのではなく、RDBMSの種類に関係なく同じ要領でアクセスできるようにしている場合が多い。

マイクロソフト製品だけとっても、そのために複数のテクノロジーが存在するため、どのテクノロジーを選択するかという話も関わってくる。だから、概要を把握した上で使用するテクノロジーを選択して、サンプルを見ながら実際にコードを書いて動かしてみる、という流れになりそうだ。当然ながら、その過程でリファレンス的な情報も必要になる。

データベースアクセス 概要
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/data/aa937721#overview

データベースアクセス 解説付きサンプル
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/data/aa937721#sample

データベースアクセス リファレンス
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/data/aa937721#reference

個人的なことを書くと、WebサーバやOffice製品からADO(Advanced Data Object)を使ってAccessデータベースにアクセスするプログラムぐらいなら書いたことがある。しかし、これはCOM(Component Object Model)時代の話で、.NET環境が主流になった現在であればADO.NET、WebアプリケーションであればWCF(従来のADO.NET Data Services)を利用することになるだろう。

もちろん、これらのテクノロジーに関する技術情報などはMSDNオンラインで公開されている。特に需要が多そうな技術資料やバーチャルラボであれば、「ADO.NET関連リソース」にアクセスすればよい。アクセスすると、いきなり「SQL Server 自習書シリーズ - 開発編」なんていうのが現れてビックリするが、画面を下の方にスクロールしていくと、「ADO.NET関連記事」や「アプリケーション開発の基礎」といったカテゴリーの記事に対するリンク集も用意されている。

ADO.NET関連リソース
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/data/dd365364

ADO.NET Entity Framework
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/data/aa937723

WCF Data Servicesの場合、以下のWebページにアクセスして下の方に画面をスクロールしていくと、さまざまなリンクをカテゴライズした形でまとめてある。テクノロジーの概要説明・サンプルコード・利用シナリオなどの情報が揃っている。

WCF Data Services
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/data/bb931106

また、「注目のテクノロジー」として挙げられているのがMicrosoft統合言語クエリ、すなわちLINQだ。これは、RDBMSだけでなく.NETオブジェクトやXMLといった各種のデータに対して共通のクエリと結果を使用することで、効率的なアプリケーション開発を可能にするテクノロジーだと説明されている。

LINQ
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/data/cc299380

データアクセス関連のダウンロードには何がある?

データアクセスデベロッパーセンターに限ったことではないが、ソフトウェアのダウンロードは重要な柱といえる。特にデータベースアクセスの場合、アクセスする相手となるデータベースが稼働していないことには、ソフトウェアの開発もままならない。AccessデータベースぐらいならMicrosoft Officeがあれば開発・テスト用に用意することはたやすいが、SQL Serverとなると話が違う。

そこで「データアクセス ダウンロード」にアクセスしてみよう。

データアクセス ダウンロード
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/data/aa937695.aspx

データベースアクセスに関連するダウンロードのいろいろ

ここでは「SQL Server」「ADO.NET」「MDAC」といった具合にカテゴライズして、ダウンロード可能なソフトウェアに関する情報をまとめている。各種ソフトウェアを対象とする最新版の更新プログラムを入手できるのはいうに及ばずだが、それだけでなく、「関連リソース」以下にある「MSDNダウンロードセンター」から入手できる「Microsoft Web Platform Installer 2.0」に注目したい。

これがあれば、IIS(Internet Information Service)、SQL Server Express、.NET Framework、Visual Web Developerといった、Webアプリケーションの開発に必要な各種コンポーネントのダウンロード・インストール・最新版への更新を容易に行えるようになる。

また、特にデータベースアクセスという点にフォーカスするならば、無償公開されているSQL Server Expressは要チェックだ。これについては次回に改めて取り上げることにしよう。