前回、リニューアルして新デザインになったMSDNオンラインのトップページなどについて取り上げた。新デザインでは「クライアント」「Web」「クラウド」「モバイル」の4分野がフィーチャーされているが、それ以外の開発がなくなったわけではない。当然ながら、この4分野以外に関する情報提供も続いている。

主要4分野以外は画面下方に集約

MSDNオンラインの新しいトップページでは、「クライアント」「Web」「クラウド」「モバイル」の4分野を大きく取り上げている。それ以外のものを含む、すべての開発分野については、画面下方にスクロールしていくと「製品・テクノロジで探す」というタイトルの下でまとめてある。

こちらは大別すると以下のような分類になり、当該分野のデベロッパーセンターや、その他の関連記事に対するリンクをまとめてある。

  • .NET Framework
  • ツールと言語
  • Web開発
  • クライアント開発
  • クラウド開発
  • モバイル開発
  • データベース開発
  • Office開発
  • エンタープライズ開発
  • ゲーム開発

さらに、「コンテンツ利用ガイド」というものも用意してある。「情報別」「開発ステップ別」「サービス一覧」と切り口を三種類用意してあり、それぞれ「どういった種類の情報か」「開発作業のうち、どの段階に関わる情報か」「MSDNオンラインが提供しているうち、どのコンテンツか」といった観点から探していけるようになっている。特に出番が多そうなのが、前二者ということになるだろうか。

コンテンツ利用ガイド
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/ee383694.aspx

MSDNオンラインの「コンテンツ利用ガイド」。これは「情報別」

MSDNオンラインの「コンテンツ利用ガイド」。これは「開発ステップ別」

上記のリンク集とともに、この「コンテンツ利用ガイド」を併用して適宜、使い分けることで、目指す内容のコンテンツに早くたどり着けるだろう。

RSSフィードの「まとめページ」がある

また、最新情報を見逃さないようにする上で有用なRSSフィードについても、個別のコンテンツごとにRSSフィードのアイコンを設置するだけでなく、一種の「RSSフィードまとめページ」のようなものを用意している。

MSDNオンラインRSS配信一覧
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/aa973533.aspx

ここでは、RSSフィードを配信している個別のコンテンツごとに、RSSフィードそのものへのリンクと当該コンテンツへのリンクを並べて、記事の参照やフィードの取得設定を効率よく行えるようにしている。これも、情報を分かりやすい形で提供するための工夫といえる。

MSDNオンラインが提供するさまざまなコンテンツのRSSフィードについてまとめた、一覧ページを用意してある。

筆者は以前、とあるアメリカ政府機関のWebサイトで同様に、記事のカテゴリーごとにRSSフィードのリンクをまとめたページを用意しているのを見て、感心したことがある。すべての記事をひとまとめにしてフィードを配信するのではなく、カテゴリーごとに個別配信することで、自分が読みたい分野の記事に絞り込んで更新情報を取得できる。

実は、それと同じようなことをMSDNオンラインでも行っているというわけだ。MSDNオンラインに収録されているコンテンツの分野や分量は膨大だから、それを全部ひとまとめにしてRSSフィードを配信したら、それを受信する方は大変なことになってしまう。コンテンツごとに分けて配信するだけでなく、その全体像を把握できるようにする工夫を併せて行っているのは有り難い。

ちゃんと人力で翻訳してます

といったところで、ちょっと脱線した話題をひとつ。

MSDNマガジンやMSDNライブラリなど、英語版のコンテンツを日本語訳して提供しているものについて、「機械翻訳を行っているのではないか」という都市伝説が流布されているらしい。これはおそらく、サポート技術情報(KB : Knowledge Base)で機械翻訳版が当初に登場したときの印象が強烈すぎたのと、日本語版の訳文が「固い」印象があることが影響しているのではないかと思われる。

しかし、現時点で機械翻訳を使用しているのは、原則としてサポート技術情報だけだ。その他のコンテンツについては、機械翻訳を使用したものが限定的に存在するものの、ほとんどは手作業で翻訳を行っている。それに、サポート技術情報を御覧いただくと分かるが、機械翻訳を使用しているものについてはちゃんと、その旨を表示している。

機械翻訳であれ人力翻訳であれ、訳文の内容を見て「いまひとつピンとこないなあ」という場合には、英語の原文を並べて、両方を行ったり来たりしてみるのがお薦めだ。日本語の文章で用いている表現、あるいは訳語の選び方によって、分かりにくい内容になっている場合が少なくないからだ。

また、日本語訳と原文を並べてみることで、「こういう内容の記事は、英語だとこんな風に書いているのか」ということが分かり、結果として英語版の記事に対する抵抗感を抑える効果も期待できる。関係者は、日本語版もできるだけ早く提供するように努力しているが、どうしても英語の情報の方が先に出てくる傾向は残る。それであれば、「英語だから」と食わず嫌いしないで「とりあえず、英語でもいいから見てみよう」と思えるようになれば、それも自分にとってのプラスになるだろう。

MSDNオンライン、あるいはMSDNライブラリの場合、サポート技術情報と同じ手を使える場合がある。つまり、URL中の「ja-jp」を「en-us」に書き換えることで、対応する英語版コンテンツにアクセスする方法だ。ただし、この方法が通用するコンテンツとしないコンテンツがあるので、Webブラウザでタブをひとつ追加して、そちらで英語版MSDNオンラインのトップページからたどっていく方が早道かも知れない。