Socket AM2+に対応したAMDのグラフィックス統合チップセットAMD 780G。GIGABYTE「GA-MA78GM-S2H」はこれを搭載したマイクロATXマザーボードだ。AMD 780Gの特徴は、高性能な統合グラフィック機能と、H.264にも対応したビデオデコード機能だ。そういった特徴から、バックパネルのディスプレイ出力に何を装備しているのかも注目ポイントだが、今回紹介するGA-MA78GM-S2Hでは、HDMI、DVI-D、そしてアナログRGBと、3つのディスプレイ出力を搭載している。

GIGABYTE「GA-MA78GM-S2H」

AMD 780G+SB700チップセットを搭載したGIGABYTE GA-MA78GM-S2H

主な仕様
メーカー GIGABYTE
製品名 GA-MA78GM-S2H
フォームファクタ マイクロATX
対応ソケット Socket AM2+
対応CPU Phenom X4/X3、Athlon 64 FX-6x、Athlon 64 X2、Athlon 64、Sempron
対応FSB 1066/800/667MHz
チップセット AMD 780G+SB700
対応メモリ PC2-8500/6400/5300×4スロット(最大16GB)
ディスプレイ出力 HDMI、DVI-D、D-Sub15ピン
拡張スロット PCI Express 2.0 x16×1、PCI Express x1×1、PCI×2(Hybrid CrossFireX対応)
ストレージ SATA×6(チップセット×6)、PATA×1
RAID機能 チップセットSATA(RAID 0/1/0+1)
ネットワーク 1000Mbps×1(Realtek RTL8111C)
オーディオ 8ch HDオーディオ(Realtek ALC889A)
インタフェース USB2.0×12、IEEE1394a×1(TI TSB43AB23)

HDMI、DVI-D、D-Sub15ピンの3つのディスプレイ出力を搭載。eSATAも備えている

ノースブリッジチップはAMD 780G

サウスブリッジチップはSB700

AMD 780Gチップセット搭載のマザーボードでは、しばしばTDP125W版Phenomへの対応可否が問題となっている。製品によっては、最上位のPhenom X4 9850をサポートしていないことが多く、公式サポートページによればGA-MA78GM-S2Hもその例外ではない。しかし、サポート外の動作なので自己責任にはなるのだが、筆者はベンチマークにおいて何度かこの製品をテストしており、そのなかでPhenom X4 9850の動作を確認している。GA-MA78GM-S2HでPhenom X4 9850が動作したその理由は、高効率のフェライトコアの採用や、4フェーズの電源回路にあると思われる。

CPU電源回路は4フェーズ。周囲のコンデンサも固体タイプを採用している

ストレージは、SB700が持つ6ポートのSATAのうち、1ポートをeSATAとして利用するレイアウトだ。そのため、内部SATAポートとしては5ポートとなる。PATAは1系統で、これもチップセットの機能。AMD 780G世代からはマイクロATXマザーボードでもSATAポート数をチップセットのサポート数の最大まで搭載する例が増えてきている。そうしたなか、全てを内部ポートとせず、マイクロATXケースの実状に即した5ポートSATA+eSATAとしたことは製品選びのポイントとなるだろう。

チップセットがサポートする6ポートのSATAのうち、内部には5ポートが搭載されている。残る1ポートはバックパネルにeSATAとして装備する

拡張スロットのレイアウトは、上からPCI Express(以下PCIe) x1、PCIe x16、そして2本のPCIスロット。例え2スロット厚のグラフィックスカードを挿したとしても、PCIe x1とPCIそれぞれ1本ずつ搭載できるレイアウトだ。1番上のPCIe x1スロットの直後がAMD 780Gのヒートシンク。チップセットと比べ比較的大型なヒートシンクを備えている。また、拡張カードに合わせた低背のタイプである。

拡張スロットレイアウトは、上からPCIe x1、PCIe x16(2.0対応)、PCI×2

そのほかオンボード機能としては、ギガビットイーサネット(以下GbE)、7.1ch HDオーディオ機能、IEEE1394aを備える。GbEチップはRealtek RTL8111C。HDオーディオチップはRealtek ALC889A。IEEE1394aチップはTI TSB43AB23を搭載している。

GbEチップは「Realtek RTL8111C」

7.1ch HDオーディオチップは「Realtek ALC889A」

IEEE1394チップはTI TSB43AB23

高信頼なAMD 780Gマザーボード

GA-MA78GM-S2Hは、オンボード機能やレイアウトで見ればオーソドックスなAMD 780Gマザーボードである。ただし、単にオーソドックスかというとそうでもない。ボードを見ていて気付くのはメジャーメーカーらしいしっかりとした回路設計。低コスト向けのAMD 780Gマザーボードと比べグレードが一段違うと見ることができる。少しでもアップグレードに向けての余裕を持たせようとするならば、できるだけ信頼できる設計のものが良いのでは、というのが筆者の考えだ。

また、低消費電力の方向では、Phenom X4 9100eも販売を開始しており、こちらと組み合わせて楽しむのも良いだろう。AMD 780Gは著作権保護機能も備えるため、GA-MA78GM-S2Hを軸として、Blu-rayディスクドライブと組み合わせたり、あるいは地上デジタルチューナーカードと組み合わせたりと、手軽にHD視聴環境を構築することも可能だ。