ASUSTeK「M3A32-MVP Deluxe/WiFi-AP」

4本のPCIe x16スロット、メモリまで一体化したヒートシンクがド派手な「M3A32-MVP Deluxe/WiFi-AP」

主な仕様
メーカー ASUSTeK
製品名 M3A32-MVP Deluxe/WiFi-AP
フォームファクタ ATX
対応ソケット Socket AM2+
対応CPU Phenom FX/X4/X2、Athlon 64 FX/X2、Athlon X2/64、Sempron
対応FSB 1066/800/533MHz
チップセット AMD 790FX+ ATI SB600
対応メモリ PC2-8500/6400/5300/4200×4スロット(最大8GB)
拡張スロット PCI Express x16×4、PCI×2(PCIe x16スロットのモードは「x16/x0/x16/x0」「x16/x8/x8/x0」「x8/x8/x8/x8」のいずれかを選択可。CrossFireX対応)
ストレージ SATA×7(チップセット×4・Marvell 88SE6121×2・Marvell 88SE6111×1)、PATA×1
RAID機能 チップセットSATA(RAID 0/1/0+1)、Marvell 88SE6121 SATA(RAID 0/1/0+1)
ネットワーク 1000Mbps×1(Marvell 88E8056)
ワイヤレスLAN 802.11b/g無線LAN
オーディオ 8ch HDオーディオ(ADI AD1988)
インタフェース USB2.0×10、IEEE1394a×2(LSI FW322)
付属品 無線LAN

ASUSTeKの「M3A32-MVP Deluxe/WiFi-AP」は、同社のAMD CPU向けフラッグシップと呼べる製品。AMD 790FXチップセットを採用しSocket AM2+、最新のPhenomシリーズから従来のAthlon 64 X2やSempronシリーズにも対応している。4本のPCI Express(以下PCIe) x16スロットを搭載しているほか、Wi-Fi無線LANを装備。これらに加え、新たな冷却機構として「Cool Mempipe」を備えていることが大きな特徴となっている。

一番上は無線LAN、以下PS/2(キーボード)、S/P DIF×2、eSATA、IEEE1394a、LAN、オーディオ入出力、そしてUSB2.0は6ポート

チップセットはAMD 790FXにATI SB600サウスブリッジを組み合わせている。SB600は前世代のAMDチップセットから引き続く製品であり、目新しさは無いが比較的枯れてきた安心感がある。またノースブリッジのAMD 790FXは、PCI Express 2.0にも対応しており、最新のGPUを組み合わせて使用することも可能だ。搭載するPCIe x16スロットは計4本。全てがx16レーンというわけではないが、合計32レーンの帯域を持ち、GPU×2枚ならばx16×2(この場合残り2本は使用不可)、3枚ならばx16×1にx8×2、4枚ならばx8×4、という自由度の高いコンフィグレーションを持ち、CrossFireXの利用が可能だ。

ノースブリッジにはAMD 790FXを搭載

サウスブリッジはAMD SB600を搭載

拡張スロットは、4本のPCIe x16と2本のPCIというシンプルな構成。PCIe x16スロットは青と黒に色分けされている

ASUSTeKがM3A32-MVP Deluxe/WiFi-AP用として新規に搭載したCool Mempipe。これを利用する場合、無しの状態と比較してメモリ周辺部を10度ほど冷却する効果があるとされる。製品では通常のヒートシンクの上にネジ4箇所で合体させる形式をとっている。一体化させると、メモリの熱はヒートパイプを通じ、チップセットクーラー側に熱輸送される。メモリの固定には上下2か所をネジで止める方式を採用。まずメモリを装着したうえでCool Mempipeをチップセットクーラーに合体、メモリ固定用ネジを回して完成となる。なお、Cool Mempipeが利用できるメモリスロットは1番と3番という2スロットとなるほか、使用するメモリモジュールもチップむき出しのものよりは厚みのあるヒートシンク付製品のほうが良いようだ。

Cool Mempipe無しでも利用できる(こちらがデフォルト)

上のスロットにはヒートシンク付モジュール、下のスロットにはチップむき出しモジュールを挿してみた。厚みのあるモジュールの方が密着度が良い

M3A32-MVP Deluxe/WiFi-APの製品名のとおり、IEEE802.11b/g無線LAN機能も搭載されている。無線LAN用のドーターカードはマザーボード上部に装着済み。アンテナ端子は先のバックパネルの写真どおり、キーボード用PS/2端子の上に位置する。

Wi-Fiカードには、台湾AzureWaveのロゴと製品型番AW-GA821のプリント

Wi-Fi用のアンテナも付属

最近ではマザーボード上のSATAポート数もハイエンドでは6ポートが多い。M3A32-MVP Deluxe/WiFi-APも内部SATAは6ポート。ただしSB600は4ポートまでしか搭載しておらず、2ポートはMarvell 88SE6121で追加している。また、これに加えてeSATA用としてMarvell 88SE6111も搭載しており、トータル7デバイスまで利用できる。なお、88SE6111はPATA機能も持つが、本製品では利用していない様子。

1つ目のSATAチップはMarvell 88SE6121。2ポートの増設で、内部はチップセットのSATAと合わせて6ポート

2つ目のSATAチップはMarvell 88SE6111。同製品ではSATA機能はeSATAとして活用

黒の4ポートがチップセットのSATA、赤い2ポートがMarvell 88SE6121のSATA。全て横向きのポートであり、ロングサイズのハイエンドグラフィックスカードを搭載してもケーブルが干渉しない設計

ギガビットイーサネットチップはMarvell 88E8056を搭載

8chオーディオ機能はADI AD1988チップを搭載

IEEE1394チップはLSI FW322を搭載

OCメモリを使うなら「Cool Mempipe」によるメモリ電源回路の冷却に注目

M3A32-MVP Deluxe/WiFi-APにはAMD 790FXが搭載され、Socket AM2+ CPU「Phenom」に完全対応している。Socket AM2+ならばSocket AM2とも互換性を持ち、CrossFireXのみを先取りするような目的でも利用できるだろう。現在のPhenomはまだ2.3GHz。さらに高クロックなPhenomを待つという手もありだ。また、最近のマザーメーカーは、新チップの登場とともに冷却機構を進化させてきている。そんな中でもメモリ(周辺)の温度を下げるというCool Mempipeの試みは斬新だ。Phenomをオーバークロックする際にはメモリのクロックも引き上げることになる。メモリ用の電源回路を冷却するこの機能はオーバークロックメモリの安定動作にも貢献するだろう。