ASUSTeK「P5E3 Deluxe」

3本のPCI Express x16スロット、DDR3メモリ、1600MHz FSBに対応した最新のハイエンドマザーP5E3 Deluxe

主な仕様
メーカー ASUSTeK
製品名 P5E3 Deluxe
フォームファクタ ATX
対応ソケット LGA775
対応CPU Core 2 Extreme QX/X、Core 2 Quad/Duo、Pentium Extreme Edition、Pentium D/4
対応FSB 1600/1333/1066/800/533MHz
チップセット Intel X38+ICH9R
対応メモリ PC3-10700/8500/6400×4(最大8GB:オーバークロックでのPC3-14400/12800にも対応)
拡張スロット PCI Express x16×3(黒のPCIe x16スロットの帯域はx4またはx1、CrossFire対応)、PCI Express x1×2、PCI×2
ストレージ SATA×8(チップセット×6・JMicron JMB363×2)、PATA×1(JMicron JMB363)
RAID機能 チップセットSATA(RAID 0/1/0+1/5)、JMicron JMB363 SATA(RAID 0/1/JBOD)
ネットワーク 1000Mbps×1(Marvell 88E8056)、1000Mbps×1(Realtek RTL8110SC)
オーディオ 8ch HDオーディオ(Analog Devices AD1988B)
インタフェース USB2.0×12、IEEE1394a×2(LSI L-FW3227)

ASUSTeKのIntel X38 Expressチップセット搭載ATXマザーボード「P5E3 Deluxe」は、同社のIntel X38ボードラインアップのなかでのハイエンドモデル。DDR3メモリの採用や3本のPCI Express x16スロットなどを搭載するとともに、大型ヒートシンクやオーバークロック機能、さらに新規の同社独自機能などが満載だ。

バックパネルにはキーボード用のPS/2が。そのほかeSATAやGbE、IEEE1394a、6ポートのUSB2.0、デジタル/アナログのオーディオ端子が並ぶ

バックパネルのバネのような部分を無くした「Q-Shield」が便利

チップセットおよび電源回路の冷却には、同社歴代最大クラスのヒートパイプクーラーを用いている。ノースブリッジ部のヒートシンクサイズが大型化したほか、CPU周りをぐるりとヒートパイプが取り囲む構造で、CPU周りの4辺それぞれにヒートシンクを用いている。クーラーを外しチップを見てみると、Intel X38はヒートスプレッダを備えていることがわかる。なお、X38チップセットのサポートFSBは1333MHzまでとされるが、P5E3 Deluxeでは独自に1600MHzまでのサポートをうたっている。

Intel X38のノースブリッジチップ。ヒートスプレッダが付けられ、サイズも他のチップセットと比較して大きめ(※試作ボードのため製品版とは異なる場合もあるので注意)

サウスブリッジはICH9R

PCI Express x16スロットは計3本。帯域は青色の2本がフルレーンで、黒色の1本がx4またはx1レーンとなる。3本のPCI Express x16スロットは、間に1本の他の拡張スロットを挟む形でレイアウト。PCI Express x16スロットのほかにはPCI・PCI Express x1スロットがそれぞれ2本ずつ搭載されている。いちばん上のPCI Express x1スロットと、その直下のPCIスロットは、一般的な2スロット幅のグラフィックスカードを装着しても利用できる配置だ。

青い2本のPCI Express x16スロットが、PCI Express 2.0に対応したx16レーンスロット

新機能のEnergy Processing Unit(EPU)は電力管理機能。同社第3世代の8フェーズ電源回路は最大効率が95%に向上しているとされる。しかし8フェーズ電源はCPUが高負荷の際に安定をもたらすが、低負荷時には効率が悪いとされる。そこで、EPUが使用するフェーズ数を管理。オーバークロック時を含むCPU高負荷時には8フェーズすべてを、電力セーブ時には半分の4フェーズに、使用するフェーズ数を切り替えるという。このEPUを利用するためにAI Gearもバージョン3に進化している。また、コンデンサ自体も105度の環境で約5000時間耐えられるという長寿命なFujitsu REシリーズを採用している。

さらに進化した8フェーズ電源回路に、EPUと呼ばれる電力管理機能がセーブからマックスまで使用フェーズ数を管理する

オンボード機能を見ると、プラス2ポートのeSATAおよび1チャンネルのPATA機能にJMicron JMB363チップを使用。ネットワークでは、ギガビットイーサネット(GbE)機能に1つがMarvell 88E8056、もう1つがRealtek RTL8110SCチップ。そのほかIEEE1394aはLSIのL-FW3227、8ch HDオーディオ機能はADIのAD1988Bチップを搭載する。

6ポートのSATAのうち2つがマザーボードと垂直、4つが水平に接続する

2系統のSATA、1チャンネルのPATAをサポートするJMicron JMB363チップ

GbEチップは、1系統がMarvell 88E8056

もう1系統のGbEチップはRealtek RTL8110SC

8ch HDオーディオ機能はAnalog Devices AD1988B

IEEE1394aチップはLSI L-FW3227

2本目のPCI Express x16スロットと直下のPCIスロットの間には「Express Gate」と記されたUSB用のヘッダピンが用意されている。Express GateはLinux OSを搭載したフラッシュメモリで、先のヘッダピンに挿すことでHDD内のOSとは別に電源オンから約5秒でLinuxを起動させることができる。機能的にはWebブラウザやSkypeなどが利用できるほか、アップデートで機能が拡張される予定もあるとのこと。

Express Gateと書かれたヘッダピンには専用のフラッシュメモリを挿すことで高速起動のLinux OSを起動させることが可能になる

P35で飽き足らないハイエンドユーザーに

DDR3メモリの採用や、3本のPCI Express x16スロットなど、Intel P35を搭載したハイエンドモデルP5K3 Deluxeと比較しても、PCI Express x16スロット本数やx16フルレーンの本数、PCI Express 2.0への対応といったチップセットレベルの上位性と、FSB1600MHzへの独自対応や、EPU、Express Gate、より大型化したヒートシンクといった独自の機能で差別化が図られている。また、オーバークロッカー向けに、BIOSからコア電圧設定を0.02V刻みで変更できる「Precision Tweaker 2」機能を装備している。ハイエンドユーザー・オーバークロッカーはこうした独自機能をチェックしてみてほしい。