【コラム】

マネーのトリビア

25 「発泡酒」「第3のビール」が「ビール」より安い理由って?

馬養雅子  [2012/07/23]

冷たいビールのおいしい季節になりました。といっても最近、家飲みするときはビールより安い発泡酒や第3のビールという人も多いのではないでしょうか。ところで、ビール、発泡酒、第3のビールって、何が違うか知っていますか? もちろん味も違いますが、大きいのは"税金"です。

麦芽比率を抑えて作ったのが"発泡酒"

飲んでいるときはあまり意識しませんが、お酒には税金がかかっています。税率は"酒税法"という法律によって、お酒の種類ごとに「1キロリットルあたりいくら」という形で細かく決められています。現在、ビールのような"発泡性酒類"の基本税率は、1キロリットル当たり22万円。ということは、1リットル当たり220円で、350cc缶1本だと77円が税金ということになります。

発泡性酒類でも、麦芽比率が50%未満だと1リットル当たり178.125円、比率が25%未満だと134.25円と、税率が下がります。そこに着目して、麦芽比率を抑えて作ったのが"発泡酒"です。350cc缶1本当たりの税金は約62円あるいは約47円なので、製造コストがビールと同程度なら、ビールより価格を安くできるわけです。

ただ、麦芽比率が下がれば当然、味もビールとは違ってきます。そこで各ビールメーカーは、麦芽に代わる副原料を探したり、新しい製造方法を開発したりして、ビールと変わらない味、あるいはビールとは別のおいしさを提供してきました。

麦芽を使わずに作ったのが"第3のビール"

酒税法の発泡性酒類のカテゴリーには、麦芽を主原料としない"その他の発泡性酒類"という区分があります。これだと、350cc当たりの税金は28円とさらに低くなります。そこで、メーカーが材料をさまざまに工夫して、麦芽を使わずに作ったのが"第3のビール"です。

(※割安な第3のビールが登場したことで発泡酒の売上げが下がり、発泡酒の製造・販売をやめるビールメーカーも出ています)。

実際には、発泡酒が最初に登場した1994年から現在まで、酒税法で定める麦芽比率の基準や税率は変更されているので、話はもう少し複雑ではあるのですが、ビール、発泡酒、第3のビールの違いは原材料の違いであり、それは税率の違いでもある、ということになるわけです。

好きなお酒をほどほどに、楽しんで飲むのが一番

ちなみに、他のお酒の税率を1リットル当たりで見てみると、日本酒(清酒)は120円、ワインは80円、焼酎(アルコール分21度未満)は200円、、ウイスキー・ブランデー(アルコール分37度未満)は370円。ただし、焼酎やウイスキー・ブランデーはアルコール度数が1度上がるごとに10円ずつ税率が上がっていきます。

ただ、これはあくまでも現在のもの。酒税法の酒類の区分や税率が今後、変更されることも考えられます。もしかすると、それによってまた別のタイプのお酒が出てくるかもしれません。

なんて、税金のことを考えて飲んだのではお酒がおいしくありませんよね。好きなお酒をほどほどに、楽しんで飲むのが一番です。

執筆者プロフィール : 馬養 雅子(まがい まさこ)

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。金融商品や資産運用などに関する記事を新聞・雑誌等に多数執筆しているほか、マネーに関する講演や個人向けコンサルティングを行っている。「図解 初めての人の株入門」(西東社)、「キチンとわかる外国為替と外貨取引」(TAC出版)など著書多数。新著『明日が心配になったら読むお金の話』(中経出版)も発売された。また、リニューアルされたホームページのURLは以下の通りとなっている。

http://www.m-magai.net/

【関連リンク】

「保険」と「共済」ってどこが違うの?

クレジットカードの「リボルビング払い」ってどういう仕組み?

「株主総会」って何をする"総会"なの? 個人株主は何ができる?

決算ニュースに出てくる、粗利益、営業利益、経常利益、最終利益、どう違う?

企業が"破たん"したら、その会社の「株」はどうなるの?

生命保険の「保険金」、どういう場合に"税金"がかかるの?

以前よく耳にした「公定歩合」、最近聞かないのはなぜ?

ニュースでよく聞く『日経平均』と『TOPIX』って何? どう違うの?

「住宅ローン」が払えなくなりそう…"夜逃げ"しなくても済む方法は?

「株主優待」を受けるには、どのような条件があるの?

破れたり汚れたりで"ダメージ"受けたお札、スムーズに交換してもらうには?

最近よく見かける「保険ショップ」、利用する際のコツは

"ペーパーレス化"された上場企業の「株券」、どうやって管理されてるの?

日本の"平均貯蓄額"が「1000万円以上」って、ホントにそんなにあるの

親に万一のことがあったら、「相続税」ってどのくらい払えばいいの?

    関連記事

    【コラム】マネーのトリビア 第24回 「保険」と「共済」ってどこが違うの?
    [2012/7/9]
    【コラム】マネーのトリビア 第23回 クレジットカードの「リボルビング払い」ってどういう仕組み?
    [2012/6/25]
    【コラム】マネーのトリビア 第22回 「株主総会」って何をする"総会"なの? 個人株主は何ができる?
    [2012/6/11]
    【コラム】マネーのトリビア 第21回 決算ニュースに出てくる、粗利益、営業利益、経常利益、最終利益、どう違う?
    [2012/5/28]
    【コラム】マネーのトリビア 第20回 企業が"破たん"したら、その会社の「株」はどうなるの?
    [2012/5/14]
    【コラム】マネーのトリビア 第19回 生命保険の「保険金」、どういう場合に"税金"がかかるの?
    [2012/5/1]
    【コラム】マネーのトリビア 第18回 以前よく耳にした「公定歩合」、最近聞かないのはなぜ?
    [2012/4/16]
    【コラム】マネーのトリビア 第17回 ニュースでよく聞く『日経平均』と『TOPIX』って何? どう違うの?
    [2012/4/2]
    【コラム】マネーのトリビア 第16回 「住宅ローン」が払えなくなりそう…"夜逃げ"しなくても済む方法は?
    [2012/3/19]
    【コラム】マネーのトリビア 第15回 「株主優待」を受けるには、どのような条件があるの?
    [2012/3/6]
    【コラム】マネーのトリビア 第14回 破れたり汚れたりで"ダメージ"受けたお札、スムーズに交換してもらうには?
    [2012/2/27]
    【コラム】マネーのトリビア 第13回 最近よく見かける「保険ショップ」、利用する際のコツは?
    [2012/2/20]
    【コラム】マネーのトリビア 第12回 "ペーパーレス化"された上場企業の「株券」、どうやって管理されてるの?
    [2012/2/13]
    【コラム】マネーのトリビア 第11回 日本の"平均貯蓄額"が「1000万円以上」って、ホントにそんなにあるの?
    [2012/2/6]
    【コラム】マネーのトリビア 第10回 親に万一のことがあったら、「相続税」ってどのくらい払えばいいの?
    [2012/1/30]
    【レポート】今注目を集める「地震保険」、"意外に知らない"仕組みと補償の内容とは?
    [2011/8/17]
    【レポート】都道府県によっても異なる保険料…どんな人が「地震保険」に入るべき?
    [2011/8/23]
    【レポート】年金受給開始が68歳に!? "収入空白時期"をどう生き抜く!?
    [2011/11/30]
    【レビュー】資産運用の基本をWebで学ぶ「お金のトリセツ」
    [2011/11/29]
    【レポート】場合によれば数千万円の賠償も - 自転車事故、どんな保険なら補償される?
    [2011/10/14]
    【レポート】地震への備えは「地震保険」だけじゃない! "共済"や"地震補償保険"も選択肢
    [2011/9/27]
    【レポート】オリックス生命、楽天…新規参入相次ぐ「ネット生保」各社の特徴と利点は?
    [2011/11/8]
    【レポート】医療保険などで気になる「先進医療特約」、どの程度必要なの?
    [2011/10/31]
    【レポート】自宅への「太陽光発電」導入、金銭的なメリットと"注意すべき"ポイントは?
    [2011/10/21]
    【レポート】ネットバンキングの不正利用から預金を守るには? - セキュリティの基本点
    [2011/9/14]
    【レポート】 「金」に投資するならどんな商品がオススメ? - 第2回「ETF・投資信託」編
    [2011/9/13]
    【レポート】 「金」に投資するならどんな商品が"オススメ"? - 第1回「現物投資」編
    [2011/9/5]
    【レポート】変動型では低金利競争も - 住宅ローン「金利タイプ」の"賢い"選び方とは?
    [2011/8/30]
    【レポート】変動型では低金利競争も - 住宅ローン「金利タイプ」の"賢い"選び方とは?
    [2011/8/30]
    関連したタグ

    新着記事

    特設サイトの情報

    人気記事

    一覧

    2013年5月22日の運勢

    イチオシ記事

    新着記事

    特別企画

    一覧