【コラム】

サラリーマンが知っておきたいマネーテクニック

62 年末調整の季節が到来! - サラリーマンもたまには「税金」のことを考えよう

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連載コラム『サラリーマンが知っておきたいマネーテクニック』では、会社員が身につけておきたいマネーに関する知識やスキル・テクニック・ノウハウを、ファイナンシャルプランナーの中村宏氏が、独断も交えながらお伝えします。


サラリーマンの方が自分の給与明細を見ると、毎月の給与から所得税・住民税が差し引かれているのがわかります。このうち、住民税は前年の1月から12月までの所得に基づいて計算された税額を12分割して6月から翌年5月までの給与から差し引く仕組みになっています。一方、所得税は1月から12月までの所得にかかる税金を、その年に支払うことになっています。

1年間の所得額は12月末にならないとわからないはずなのに、年の初めの1月給与から毎月所得税が源泉徴収されているのはなぜでしょうか。

1年分の税金を計算し直して過不足なく納税する仕組みが「年末調整」

毎月給与から徴収されている所得税額は、仮で計算された概算の金額なのです。もし毎月徴収せずに、所得が確定する年末にまとめて納税するルールにすると、多額で払えない人が出てこないとも限りません。そのため、給与や賞与の支給時に仮に計算した概算額をあらかじめ差し引いておき、その年の給与総額が確定する年末近くになって確定した納税額をちゃんと計算し直して、事前に源泉徴収した額との差額を追加徴収したり還付したりするのです。会社とサラリーマンが行うこの一連の手続きを「年末調整」と言います。

本来「納税」は個人に課せられた義務。個人が自ら「確定申告」をして納税をするのが本来の姿です。しかし、徴税漏れを防ぐためや事務作業を円滑にするために、サラリーマンの納税は、個人に代わって会社が行うことになっています。

しかし、年収2,000万円超の方や、会社の給与以外に一定以上の所得がある方、複数の会社から給与を得ている方などは、自分で確定申告(翌年の2月中旬から3月中旬)をして最終的な調整をしなければなりません。

年末調整で税金の負担を軽減する「所得控除」を確定!

11月から12月になると会社から「扶養控除等申告書」と「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」の2種類の年末調整書類が配布されます。 この申告書に記入して提出することによって、個人的な事情に配慮して税負担を軽減する「所得控除」の一部を確定させます。

所得税や住民税は所得の額によって決まりますが、例えば、同じ所得の人でも複数子供がいて老親も養っている人と、独身の一人暮らしの人とでは、家計の状況がかなり異なります。

このような個人的な事情に配慮して税金を軽減する仕組みが「所得控除」です。 わかりやすいように簡単な数式等で示すと以下のようになります。

■所得控除の仕組み 例:所得額100万円、税率10%の場合
控除前の税金……100万円×10%=10万円

例:所得額100万円、税率10%の場合で所得控除額が30万円の場合
税金は所得額100万円-所得控除額30万円×10%となるので、
控除後の税金……70万円×10%=7万円

所得控除によって、税額は10万円-7万円=3万円軽減されます。
###年末調整に対応した所得控除は? 「所得控除」は全部で14種類ありますが、そのすべてを年末調整で申告する訳ではありません。 会社から配布される「扶養控除等申告書」と「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」をつぶさにみると、下記表中の「年末調整対応」の欄が「○」と記載されている所得控除が細かい文字で記載されているはずです。

所得控除の種類と控除額

所得控除の額は、家族の人数や年齢、収入(所得)、同居・別居の別、1年間に支払った保険料の額や医療費の額、社会的弱者かどうか、などによって異なっています。 税制はこのように、私たち個人や世帯の事情や状況に配慮した仕組みになっています。ちなみに近年話題になっているのは、専業主婦の働き方に大きな影響を及ぼすと言われる「配偶者控除」です。 「年末調整」をきっかけに、暮らしや働き方に大きな影響を与える税金のことを少し考えてみてはいかがでしょうか。

執筆者プロフィール : 中村宏(なかむら ひろし)

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。ベネッセコーポレーションを経て、2003年にFPとして独立し、FPオフィス ワーク・ワークスを設立。

「お客様の『お金の心配』を自信と希望にかえる!」をモットーに、顧客の立場に立った個人相談やコンサルティングを多数行っているほか、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿などで生活のお金に関する情報や知識、ノウハウを発信。新著:『老後に破産する人、しない人』(KADOKAWA中経出版)

メルマガ「生活マネー ミニ講座」(平日・毎日配信)
HP「FPオフィス ワーク・ワークス」

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インデックス

連載目次
第83回 疾病特約や介護特約が付いても保険料が無料になる団信生命保険がある!
第82回 銀行のカードローンに注意!
第81回 統計データを見て、平均と自分をくらべてみる!
第80回 サラリーマンが加入している「厚生年金」の機能は老後の年金だけじゃない!!
第79回 9月までに「マイナンバー」を提示しないとNISA口座が使えなくなる!?
第78回 超低コスト投資信託のススメ
第77回 「ふるさと納税」の返礼品競争が抑制される!!
第76回 クレジットカードの使い方の基本
第75回 エンゲル係数を計算してみよう!
第74回 後悔しないマイホーム予算の立て方(2)
第73回 後悔しないマイホーム予算の立て方(1)
第72回 サラリーマンもiDeCo(イデコ)に加入することができる?
第71回 2017年4月からも、学資保険や個人年金保険で資金準備をする?
第70回 「結婚にかかるお金」を参考に貯蓄目標額を設定する!
第69回 「セルフメディケーション税制」を使って税金を節約しよう!
第68回 20代~30代は、2018年からスタートする「積立型NISA」を活用しよう!
第67回 年末年始は少し時間をかけて、家計や資産を点検して来年の目標を作る!
第66回 贈与を受けると贈与税がかかる!?
第65回 年末調整の情報を活用し、「ふるさと納税」ができる金額を年内に確認しよう
第64回 住宅ローンの借り換えは、金利だけでなくコストにも注意!
第63回 中途退職時に受け取る退職金、使いすぎに注意!
第62回 年末調整の季節が到来! - サラリーマンもたまには「税金」のことを考えよう
第61回 コンビニATM、時間外でも手数料無料の金融機関は?
第60回 利回り8.3%の「百貨店友の会」、預貯金金利が低い今こそおすすめ
第59回 確定拠出年金で老後資金準備! 2017年からは専業主婦や公務員も対象に
第58回 中古住宅を購入してリフォームなら【フラット35】リノベがおすすめ
第57回 厚生年金、国民年金にはしっかり加入する!
第56回 20代・30代サラリーマンのお小遣い事情
第55回 実際の年齢ではなく「健康年齢」で保険料が決まる保険が登場!
第54回 おすすめ投資信託は「ノーロード」&「インデックス型」&「バランス型」(2)
第53回 おすすめ投資信託は「ノーロード」&「インデックス型」&「バランス型」(1)
第52回 子供のできたときに入る生命保険は「収入保障保険」
第51回 新入社員は必読! 給与明細を徹底解剖
第50回 子供の教育費の目安とは? 高校までは毎年の収入の範囲でカバーする!
第49回 正社員なら30歳までに200~300万円貯めよう!
第48回 2016年3月の住宅ローン金利が史上最低を更新!?
第47回 マイナス金利で「個人向け国債」が高利回り商品に!?
第46回 マイナス金利、住宅ローンは「固定金利」への切り替えの絶好機!?
第45回 通勤手当の非課税限度額が月15万円に引き上げられる!?
第44回 1月から医療費の領収書はちゃんと保管! 確定申告をして節税をしよう!
第43回 『ジュニアNISA』がはじまる前に「贈与税」の仕組みを理解しておこう!
第42回 子供や孫ができたら「ジュニアNISA」口座を開設して教育資金の準備をする!?
第41回 新しい年を前に! 一生涯の収支計画を作ってみよう!!
第40回 年末調整の「生命保険料控除」で得する方法
第39回 女性専用の医療保険…普通の医療保険とどこが違う?
第38回 「老後破産」に陥らない!!--20代・30代からのライフプランの考え方(3)
第37回 「老後破産」に陥らない!!--20代・30代からのライフプランの考え方(2)
第36回 「老後破産」に陥らない!!--20代・30代からのライフプランの考え方(1)
第35回 中古住宅を個人から買うときは、「消費税」がかからない!!
第34回 旅に出るときは、スマホで旅行保険に加入して万が一の事態に備える!
第33回 子供の教育費はこうして準備する! (3)
第32回 子供の教育費はこうして準備する! (2)
第31回 子供の教育費はこうして準備する! (1)
第30回 財形貯蓄をしている子育て世帯に朗報! 「財形住宅融資」が金利を▲0.2%優遇
第29回 「結婚・子育て資金」を"非課税"でもらえる制度ができた!
第28回 物価上昇時におススメ! "超短期"の「定期預金」で安全確実にしっかり貯める!
第27回 クレジットカードより家計管理が断然便利!? デビットカードを使いこなす!
第26回 賃金が上昇したら、アップ分を元手に投資で増やす!…「積立投資信託」
第25回 住宅エコポイント制度が2年半ぶりに復活! 最大45万円分のポイントがもらえる!
第24回 がん保険に別途入る必要はない!? - 医療保険の入り方(2)
第23回 病気やけがで入院・手術になったらどうする!? - 医療保険の入り方(1)
第22回 【フラット35】Sが拡充!? 長期固定金利が当初5年、10年が変動金利並みに!
第21回 「ふるさと納税」が拡充! 寄附の上限額が2倍になる!?
第20回 「仕事」だけでなく、「家計」でも"1年の目標"を立てよう!
第19回 "超低金利時代"の住宅ローン、「変動金利」と「固定金利」のどちらを選ぶ?
第18回 「晩婚夫婦」の家計が、"より慎重で計画的"な運営を求められるワケ
第17回 日本銀行の追加の「超金融緩和政策」に、サラリーマンはどう対処する?
第16回 「財形貯蓄」はサラリーマンの貯蓄の"王道" - どんなメリットがある!?
第15回 20代・30代のフルタイム共働きサラリーマンの家計管理術(2)
第14回 20代・30代のフルタイム共働きサラリーマンの家計管理術(1)
第13回 入院・手術するなら年内・年明けどっちが得? 高額療養費制度が2015年に変わる!
第12回 保障を残しつつ、今後の保険料の支払いをストップできる『払済保険』って何?
第11回 近くにカーステーションがあれば、クルマを持たず「カーシェアリング」を使う!
第10回 帰省先でも役立つ! 人のクルマを借りるときは「超短期自動車保険」に入る!
第9回 金利だけくらべてはダメ! 住宅ローンはコストも含めて比較する!!(2)
第8回 金利だけくらべてはダメ! 住宅ローンはコストも含めて比較する!!(1)
第7回 生命保険の保険料、「年払い」にするだけで節約できるって知ってた?
第6回 ボーナスの時期こそ! 「住宅ローン」の"繰上返済"は、早ければ早いほど効果大!!
第5回 『ふるさと納税』で地域貢献&美味しい特産品をお得にゲット!
第4回 「インフレ時代」の貯蓄術--少しでも"金利"の高いものを選ぼう!
第3回 おじいちゃん、おばあちゃんから子どもの教育費をもらって家計にゆとりを!
第2回 カードで買い物はいいが、「リボルビング払い」はもったいない。
第1回 確定拠出年金の「マッチング拠出」は、"節税"の観点から積極的にやる!

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