【コラム】

サラリーマンが知っておきたいマネーテクニック

53 おすすめ投資信託は「ノーロード」&「インデックス型」&「バランス型」(1)

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連載コラム『サラリーマンが知っておきたいマネーテクニック』では、会社員が身につけておきたいマネーに関する知識やスキル・テクニック・ノウハウを、ファイナンシャルプランナーの中村宏氏が、独断も交えながらお伝えします。


投資をするなら「投資信託」を活用しよう!

2月から「マイナス金利」がスタートし、元々、日本銀行の金融緩和政策下で低かった預金金利が、更に一段と下がっています。

現在、大手銀行の普通預金金利は0.001%。100万円預けて1年間に受け取れる利息はたったの10円です。なお、このなけなしの利息からもしっかり約20%の所得税・住民税が差し引かれるため、実際の手取りは8円にしかなりません。銀行のATMの時間外手数料が108円とすれば、1回使っただけで約14年分の利息が一瞬にして消し飛んでしまうのですから、私たち生活者は、くれぐれも用心しなければなりません。

こんな経済環境の中で少しでもお金を増やそうと、こわごわ「投資」に踏み出そうと考える方々もいらっしゃるでしょう。

投資をスタートするのであれば、購入する金融商品としては「投資信託」を活用するのがよいでしょう。よく「投資信託は初心者向け」などと言われますが、それは投資信託の仕組みが簡単だからではありません。どちらかというと仕組みは株式などよりも難しいくらいです。また、ファンドマネージャーという運用のプロに任せることができるので儲かりやすいということでもありません。

主な理由は以下の通りです。

「投資信託が初心者向け」と言われる理由
1. 銀行や証券会社で取り扱っているので身近な金融機関で購入することができる。
2. 少額(500円、1,000円、10,000円など)の投資資金から始めることができる。
3. 複数の株や債券に銘柄分散されているので、1社の株式に投資をする場合などよりもリスクが低い傾向がある。
4. FX(外国為替証拠金取引)や「金」、「不動産」などへの投資では使えない税制優遇制度のNISA(少額投資非課税制度)を活用できる。

つまり、比較的簡単に購入できて優遇制度も使えるからなのです。

ただ、日本で販売されている公募投資信託の本数は2016年2月末時点で実に5,929本(一般社団法人 投資信託協会)もあります。こんなにたくさんある理由は、多くの運用会社が似たようなものを次から次へと作っているから。そのおかげで、私たち一般投資家にとって、投資信託はとても選びにくくなっています。

コストが安い「ノーロード」&「インデックス型」を選ぶ!

投資信託を選ぶときの第一のモノサシは、コストの安さです。 投資信託にはコストがかかります。コストの種類は主に3種類。

投資信託のコスト

3種類のコストの中で重視したいのが、「購入時手数料」と「信託報酬」です。 「購入時手数料」は、金融機関が顧客に販売するときのコンサルティング料のような意味合いだとされていますが、コンサルティングを受けたら儲かるというわけでもありません。購入時手数料の水準は、投資信託や金融機関によっても異なりますが、銀行員や証券会社の社員が対面で応対してくれるような金融機関で販売されるものは2%~3%(税別)が多いようです。3%の場合を例にとると、投資信託を買おうと顧客が資金100万円を払うと、先に購入時手数料として3万円が差し引かれ、残りの97万円で投資信託が買われることになります。運用の最初からマイナス3%スタートになってしまうのです。

最近はネット証券を中心に「ノーロード」と言われる購入時手数料0円の投資信託を販売する金融機関も出てきています。他の金融機関もインターネット限定で取り扱いをするところが増えてきました。私たちは、できればノーロードの投資信託を選ぶようにしたいものです。

「信託報酬」の水準は、購入時手数料以上に投資の成果に影響を与えます。そのため、「購入時手数料が高くて信託報酬が安いもの」か「購入時手数料が安くて信託報酬が高いもの」のどちらを選ぶかと問われたら、「購入時手数料が高くて信託報酬が安いもの」を選びたいですね。

信託報酬は、その投資信託を保有している間ずっとかかります。投資信託ごとに、保有額に対して年率0.2%台~2.0%程度が差し引かれます。運用成果が良くても悪くても差し引かれます。

例えば、信託報酬が1.5%の投資信託を10年間保有し、その間の保有額がずっと100万円だったとすると、10年間で1.5%×10年=15%、つまりざっくり100万円×15%=15万円を金融機関にコストとして支払うことになるのです。購入時に一瞬差し引かれる購入時手数料とくらべると信託報酬の方が大きな金額になります。

信託報酬が安い投資信託は、インデックス型(パッシブ運用)の投資信託です。 インデックス型(パッシブ運用)とは、市場平均に連動する運用成果を目指す運用のこと。つまり「平均並み」の運用を目指すことです。

例えば、日本株の投資信託を例にとると、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)に値動きを連動させるものです。

日本株以外でも、日本債券、外国株式(先進国、新興国)、外国債券(先進国、新興国)など、市場ごとに平均を示す指数があります。その指数に運用成果を連動させることを目標にした投資信託は、いずれもインデックス型(パッシブ運用)です。

(次回に続く)

執筆者プロフィール : 中村宏(なかむら ひろし)

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。ベネッセコーポレーションを経て、2003年にFPとして独立し、FPオフィス ワーク・ワークスを設立。

「お客様の『お金の心配』を自信と希望にかえる!」をモットーに、顧客の立場に立った個人相談やコンサルティングを多数行っているほか、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿などで生活のお金に関する情報や知識、ノウハウを発信。新著:『老後に破産する人、しない人』(KADOKAWA中経出版)

メルマガ「生活マネー ミニ講座」(平日・毎日配信)
HP「FPオフィス ワーク・ワークス」

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インデックス

連載目次
第76回 クレジットカードの使い方の基本
第75回 エンゲル係数を計算してみよう!
第74回 後悔しないマイホーム予算の立て方(2)
第73回 後悔しないマイホーム予算の立て方(1)
第72回 サラリーマンもiDeCo(イデコ)に加入することができる?
第71回 2017年4月からも、学資保険や個人年金保険で資金準備をする?
第70回 「結婚にかかるお金」を参考に貯蓄目標額を設定する!
第69回 「セルフメディケーション税制」を使って税金を節約しよう!
第68回 20代~30代は、2018年からスタートする「積立型NISA」を活用しよう!
第67回 年末年始は少し時間をかけて、家計や資産を点検して来年の目標を作る!
第66回 贈与を受けると贈与税がかかる!?
第65回 年末調整の情報を活用し、「ふるさと納税」ができる金額を年内に確認しよう
第64回 住宅ローンの借り換えは、金利だけでなくコストにも注意!
第63回 中途退職時に受け取る退職金、使いすぎに注意!
第62回 年末調整の季節が到来! - サラリーマンもたまには「税金」のことを考えよう
第61回 コンビニATM、時間外でも手数料無料の金融機関は?
第60回 利回り8.3%の「百貨店友の会」、預貯金金利が低い今こそおすすめ
第59回 確定拠出年金で老後資金準備! 2017年からは専業主婦や公務員も対象に
第58回 中古住宅を購入してリフォームなら【フラット35】リノベがおすすめ
第57回 厚生年金、国民年金にはしっかり加入する!
第56回 20代・30代サラリーマンのお小遣い事情
第55回 実際の年齢ではなく「健康年齢」で保険料が決まる保険が登場!
第54回 おすすめ投資信託は「ノーロード」&「インデックス型」&「バランス型」(2)
第53回 おすすめ投資信託は「ノーロード」&「インデックス型」&「バランス型」(1)
第52回 子供のできたときに入る生命保険は「収入保障保険」
第51回 新入社員は必読! 給与明細を徹底解剖
第50回 子供の教育費の目安とは? 高校までは毎年の収入の範囲でカバーする!
第49回 正社員なら30歳までに200~300万円貯めよう!
第48回 2016年3月の住宅ローン金利が史上最低を更新!?
第47回 マイナス金利で「個人向け国債」が高利回り商品に!?
第46回 マイナス金利、住宅ローンは「固定金利」への切り替えの絶好機!?
第45回 通勤手当の非課税限度額が月15万円に引き上げられる!?
第44回 1月から医療費の領収書はちゃんと保管! 確定申告をして節税をしよう!
第43回 『ジュニアNISA』がはじまる前に「贈与税」の仕組みを理解しておこう!
第42回 子供や孫ができたら「ジュニアNISA」口座を開設して教育資金の準備をする!?
第41回 新しい年を前に! 一生涯の収支計画を作ってみよう!!
第40回 年末調整の「生命保険料控除」で得する方法
第39回 女性専用の医療保険…普通の医療保険とどこが違う?
第38回 「老後破産」に陥らない!!--20代・30代からのライフプランの考え方(3)
第37回 「老後破産」に陥らない!!--20代・30代からのライフプランの考え方(2)
第36回 「老後破産」に陥らない!!--20代・30代からのライフプランの考え方(1)
第35回 中古住宅を個人から買うときは、「消費税」がかからない!!
第34回 旅に出るときは、スマホで旅行保険に加入して万が一の事態に備える!
第33回 子供の教育費はこうして準備する! (3)
第32回 子供の教育費はこうして準備する! (2)
第31回 子供の教育費はこうして準備する! (1)
第30回 財形貯蓄をしている子育て世帯に朗報! 「財形住宅融資」が金利を▲0.2%優遇
第29回 「結婚・子育て資金」を"非課税"でもらえる制度ができた!
第28回 物価上昇時におススメ! "超短期"の「定期預金」で安全確実にしっかり貯める!
第27回 クレジットカードより家計管理が断然便利!? デビットカードを使いこなす!
第26回 賃金が上昇したら、アップ分を元手に投資で増やす!…「積立投資信託」
第25回 住宅エコポイント制度が2年半ぶりに復活! 最大45万円分のポイントがもらえる!
第24回 がん保険に別途入る必要はない!? - 医療保険の入り方(2)
第23回 病気やけがで入院・手術になったらどうする!? - 医療保険の入り方(1)
第22回 【フラット35】Sが拡充!? 長期固定金利が当初5年、10年が変動金利並みに!
第21回 「ふるさと納税」が拡充! 寄附の上限額が2倍になる!?
第20回 「仕事」だけでなく、「家計」でも"1年の目標"を立てよう!
第19回 "超低金利時代"の住宅ローン、「変動金利」と「固定金利」のどちらを選ぶ?
第18回 「晩婚夫婦」の家計が、"より慎重で計画的"な運営を求められるワケ
第17回 日本銀行の追加の「超金融緩和政策」に、サラリーマンはどう対処する?
第16回 「財形貯蓄」はサラリーマンの貯蓄の"王道" - どんなメリットがある!?
第15回 20代・30代のフルタイム共働きサラリーマンの家計管理術(2)
第14回 20代・30代のフルタイム共働きサラリーマンの家計管理術(1)
第13回 入院・手術するなら年内・年明けどっちが得? 高額療養費制度が2015年に変わる!
第12回 保障を残しつつ、今後の保険料の支払いをストップできる『払済保険』って何?
第11回 近くにカーステーションがあれば、クルマを持たず「カーシェアリング」を使う!
第10回 帰省先でも役立つ! 人のクルマを借りるときは「超短期自動車保険」に入る!
第9回 金利だけくらべてはダメ! 住宅ローンはコストも含めて比較する!!(2)
第8回 金利だけくらべてはダメ! 住宅ローンはコストも含めて比較する!!(1)
第7回 生命保険の保険料、「年払い」にするだけで節約できるって知ってた?
第6回 ボーナスの時期こそ! 「住宅ローン」の"繰上返済"は、早ければ早いほど効果大!!
第5回 『ふるさと納税』で地域貢献&美味しい特産品をお得にゲット!
第4回 「インフレ時代」の貯蓄術--少しでも"金利"の高いものを選ぼう!
第3回 おじいちゃん、おばあちゃんから子どもの教育費をもらって家計にゆとりを!
第2回 カードで買い物はいいが、「リボルビング払い」はもったいない。
第1回 確定拠出年金の「マッチング拠出」は、"節税"の観点から積極的にやる!

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