連載コラム『サラリーマンが知っておきたいマネーテクニック』では、会社員が身につけておきたいマネーに関する知識やスキル・テクニック・ノウハウを、ファイナンシャルプランナーの中村宏氏が、独断も交えながらお伝えします。


マイナス金利で預金金利が軒並み低下

2016年2月16日から日本銀行の金融政策「マイナス金利」がスタートしました。銀行の預金金利も軒並み低下しています。三井住友銀行は普通預金金利を0.001%(2月17日時点)に決めました。この水準は、100万円を預金すると1年後に利息を10円得られるというもの。なお、利息には約20%の税金がかかるため、手取りは8円になります。みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行の普通預金金利は0.02%(2月15日現在)としています。

3メガバンクの定期預金金利(スーパー定期300万円未満)は、いずれも以下の通りとなっています(三井住友銀行は2月17日現在、みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行は2月15日現在)。

3メガバンクの定期預金金利(スーパー定期300万円未満/三井住友銀行は2月17日現在、みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行は2月15日現在)

ふつう定期預金は、満期が長いほど高い金利が設定されるものですが、現在は満期にかかわらず一律0.025%です。長く預けて資金を固定するメリットはまったくなくなっています。

将来、景気や物価が上向いて金融緩和が縮小され、預金金利が上がる可能性があることを思うと、満期の短いものにしたほうが自由度が高く有利に立ち回ることができそうです。

「個人向け国債」の金利が魅力的に見えてきた!

預金金利が低下するなか、「個人向け国債」の金利が相対的に上昇して魅力を高めています。

金融機関の窓口で個人が買える「新窓販国債」は、利回りの低下にともなって募集停止になっていますが、「個人向け国債」は、金利の下限0.05%が保証されており、3月15日発行分(2月29日までが募集期間)の「固定3年」(固定金利で満期が3年)、「固定5年」、「変動10年」は、3種類とも、最低金利0.05%で募集されています。

財務省によれば「基準金利が低くなると、適用利率がゼロパーセントやマイナスになるなど、著しく低くなるケースが出てくるため、個人の方に安心して購入していただくために、最低でも0.05%(年率)の金利は保証することにしています」としています。

満期が10年までの国債の利回りがマイナスになるなか、個人向け国債は金利が最低保証されているため、最低金利の0.05%ですら高く見えてしまうのです。

※写真と本文は関係ありません

執筆者プロフィール : 中村宏(なかむら ひろし)

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。(株)ベネッセコーポレーションを経て、2003年にFPとして独立し、FPオフィス ワーク・ワークスを設立。「お客様の『お金の心配』を自信と希望にかえる!」をモットーに、顧客の立場に立った個人相談やコンサルティングを多数行っているほか、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿などで生活のお金に関する情報や知識、ノウハウを発信。新著:『老後に破産する人、しない人』(KADOKAWA中経出版)

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