連載コラム『サラリーマンが知っておきたいマネーテクニック』では、会社員が身につけておきたいマネーに関する知識やスキル・テクニック・ノウハウを、ファイナンシャルプランナーの中村宏氏が、独断も交えながらお伝えします。


カーシェアリングの利用者が4年で30倍に増えている

近年、カーシェアリングの存在感が急速に高まっています。

「交通エコロジー・モビリティ財団」の調査によると、カーシェアリングの2010年の車両台数は1,265台、会員数は15,894人でしたが、2014年は車両台数が約10倍の12,373台、会員数は約30倍の465,280人と大幅に増えています。カーステーションの数は全国で7,600ヶ所に及び、地方都市にも広がっています。

都会では、駅やバス停が歩いてもそう遠くないところにあり、電車やバスが頻繁に行き来しているので、仕事や暮らしに毎日クルマを使う必要はありません。一方マイカーを持つと、駐車場代や自動車税、車検代、任意保険料、ガソリン代など、バカにならない維持費や管理費がかかります。コストの安い軽自動車を買ったとしても、車体価格を含めると、1年あたりのコストは最低数十万円かかるのではないでしょうか。

自分のマイカーの利用頻度やコストによっては、近くにカーステーションがあれば、思い切ってマイカーを手放してカーシェアリングの利用に切り替えてもいいかもしれません。 家計を変革する有力な方法のひとつは、「今持っているものを手放す」ことです。

カーシェアリングは10分~15分単位で使うことができる

現在、カーシェアリングの大手は、「タイムズカープラス」、「オリックスカーシェアリング」、「カレコ・カーシェアリングクラブ」の3社。サービスの内容は各社で少しずつ違いますが、「タイムズカープラス」のサービスの内容を見てみましょう。

個人で使う場合、月額基本料を払うほかは、使っただけの料金を支払えばすみます。

10分から15分単位で使うことができるため、買い物や通院、送り迎えなど、日常生活の中のちょっとしたことに使うことができます。また、まとまった時間で使う場合にはパック利用料金が設定されています。

24時間365日いつでも利用でき、保険料も料金に含まれています。自分のクルマではないので自動車税などの税金や車検も不要です。

利用方法は、あらかじめスマートフォンやパソコンで予約。会員カードをクルマにかざしてドアを解錠。利用したあとは出発したステーションに戻して会員カードで施錠。料金はクレジットカードで払います。

長時間のレジャーにはレンタカーのほうが割安

日々の暮らしの中で短時間クルマを活用する場合、カーシェアリングは手軽でコストも安く使い勝手がよいのですが、長時間使ったり宿泊を伴う場合などは、一般的にレンタカーのほうが割安になります。

たとえば、ニッポンレンタカーの標準タイプの車種のクルマを借りる場合、24時間までが7,560円、以後1日ごとに6,480円などのサービスがあり、これだとカーシェアリングよりも安くなります。

車種やシーズン、コース、予約方法によっても異なりますが、6時間を超えて使うような場合は、カーシェアリングとレンタカーの料金を比較して決めるのがよいでしょう。

(※車の画像は本文とは関係ありません)

執筆者プロフィール : 中村宏(なかむら ひろし)

ファイナンシャルプランナー(CPF認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。(株)ベネッセコーポレーションを経て、2003年にFPとして独立し、FPオフィス ワーク・ワークスを設立。「お客様の『お金の心配』を自信と希望にかえる!」をモットーに、顧客の立場に立った個人相談やコンサルティングを多数行っているほか、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿などで生活のお金に関する情報や知識、ノウハウを発信。新著:『老後に破産する人、しない人』(KADOKAWA中経出版)

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