連載コラム『サラリーマンが知っておきたいマネーテクニック』では、会社員が身につけておきたいマネーに関する知識やスキル・テクニック・ノウハウを、ファイナンシャルプランナーの中村宏氏が、独断も交えながらお伝えします。


生命保険や医療保険に入っている人の多くは、保険料を「月払い」で支払っています。給与口座から自動的に引き落とされるようにしている方が多いのではないでしょうか。

この支払方法を「年払い」に変更するだけで、1年間に支払うの保険料の総額を数%削減することができます。ほんのちょっとした手続きをするだけで、ほとんど苦労することなく節約ができるのですから、しない手はありません。

保険料の3つの支払方法と保険料比較

生命保険や医療保険の保険料の支払方法には、毎月払う「月払い」と、半年ごとに6カ月分を払う「半年払い」、1年分をまとめて払う「年払い」の3種類があります。

ある保険会社の医療保険を例にとって、払い方の違いによって1年間に払う保険料がいくら異なるか比べてみましょう。

見積条件

  • 性別:男性

  • 年齢:30歳

  • 保険種類:定期保険

  • 保険金額:4,000万円

  • 保険期間:60歳まで

このように、保険料をまとめ払いすることで、負担を少なくすることができます。

支払方法の変更手続きは、保険会社から書類を取り寄せて必要事項を記入し返送するだけ。少しでも家計の負担を減らしたい人は、ぜひ行ってほしいですね。

なお、削減できる割合や金額は、保険会社によっても商品によっても異なりますので、事前にコールセンターなどに電話をして確認をしたほうがよいでしょう。

注意すべき点があるとすれば、「月払い」を「年払い」に変更した場合、それまでは銀行口座から毎月差し引かれていた保険料が、年1回一括して差し引かれるようになるため、口座の残高管理をちゃんとしておく必要があります。

「前納」をすればもっと安くなる!

支払方法を「年払い」に変えたあとに「前納」をすると、もっと保険料を少なくすることができます。

「前納」とは、数年分の保険料をまとめて支払う方法。

手元にまとまったお金ができたら、3年分でも5年分でも、場合によっては残りの保険期間分すべてを一括して支払うこともできます。

「前納」をしたらいくら削減できるかは、コールセンターなどに確認する必要がありますが、支払方法の変更と同様、預金金利よりもずっと高い比率で支出を減らすことができるので、ゆとりのお金ができた場合などには、実践してみてはいかがでしょう。

なお、「前納」しても、毎年年末調整のときに「生命保険料控除」を受けることができます。また、保険を中途解約した場合には、未経過保険料は戻ってきますので、損することはありません。

(※画像は本文とは関係ありません)

執筆者プロフィール : 中村宏(なかむら ひろし)

ファイナンシャルプランナー(CPF認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。(株)ベネッセコーポレーションを経て、2003年にFPとして独立し、FPオフィス ワーク・ワークスを設立。「お客様の『お金の心配』を自信と希望にかえる!」をモットーに、顧客の立場に立った個人相談やコンサルティングを多数行っているほか、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿などで生活のお金に関する情報や知識、ノウハウを発信。新著:『老後に破産する人、しない人』(KADOKAWA中経出版)

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