連載コラム『芸能界と投資と私』では、芸能活動をしながら、フィスコのリサーチレポーターとして株式やFXの現場の取材レポートも行なっている三井智映子さんが、これまでの人生を振り返りながら、どうして経済や投資に興味を持つようになったかなどについて執筆します。


学費を両親に払ってもらっていたことが引け目、退路を断つ意味でも中退決意

皆さんこんにちは。フィスコリサーチレポーターの三井智映子です。

前回苦労トークをツラツラと書いてしまいましたが、その時期に皆さんもご存知のように私は大学を中退しました。というのも、自立して自活していましたが、学費は両親に払ってもらっていたんです。それを自立と言っていいのか…ギモンですよね。

在学時は芸能活動に忙しく、合間を見て頑張って大学には通っていました。通常の授業はもちろんですが、聞きたい授業を聴きに行ったり、他学部受講もしたりと、勉強は嫌いじゃなかったです。しかし時間が自由にならなかったため、例えばテストの日でも収録が入れば休まざるを得ない状況でした。駆け出しでしたし、自分にスケジュールを合わせてもらうことも出来ませんでした。もちろんテストを受けなければ単位は取得できません。またほとんど出席できていない授業も、それを補うほど賢かったわけでもなく…そして4年を過ぎた時に単位が足りず中退を考えました。

正直、かなーーり悩みましたが、両親のおかげで通えている大学に仕事のために通えないという申し訳なさや、自立しきれていない自分に対するストレス、また芸能を頑張っていくために退路を断つという意味でも中退を決意しました。そうなんです! 皆さん、もうわかってしまったかと思いますが、実は要領の悪いところがあり、加えて身勝手で若い考え方だったなと思います。こう! と思ったら損得考えず一直線に行ってしまうところがあります。我ながら残念です。おそらくあの時にまた戻ったら同じ選択をしてしまうと思いますが、今は卒業しておけばよかったなーとちょっと思いますよ(笑)。

中退を隠してはいませんが、話す機会がなかったので、このようなコラムをもたせて頂いたので書かせて頂きました。たまに誤って「早稲田大学卒業」などと書かれると、「偽装だ!」と言われたり(だから隠していませんってばー!)することもあります。

決意とは裏腹に芸能の仕事は激減し暗黒期…裁縫仕事で生計を立てる

当時はまさかこのように大学で専攻した方向のお仕事をさせて頂くとは思っていませんでしたし、誠実に仕事を頑張ることしか今の私には出来ません。願わくば、その姿を見て頂ければな、と思います。お仕事ですので頑張って当たり前なんですけどね。

私のワガママを許してくれた両親には今も感謝の気持ちと申し訳なさがあります。やめるときに「次に勉強するときは自分のお金でする」と啖呵をきりましたので、昔の自分の尻拭いではないですけれど、ずっと勉強し続けることを自分には課したいと思っています。リサーチレポーターになってからは、まず日々の業務で必要な知識を得るところから始まり、経済学も少しずつですが学び直しております。卒業しなかった分、経済関連の資格も取りたいと思っています。ただ不器用な自分ですぐ視野が狭くなってしまうので、お仕事を全力で、そして資格も着実に少しずつ頑張りたいと思います!

そんなこんなで中退してしまった私ですが、決意とは裏腹に芸能のお仕事は激減。暗黒期でした…。合間にやっていた裁縫仕事で生計を立てていました。なぜ裁縫かというと、得意だったことやお仕事があったことのほかに、時間が自由になるということが一番の魅力でした。芸能のオーディションって、いきなり明日などと言われるので、融通のきく仕事しかできなかったんです。

裁縫仕事は歩合でしたが、時間が自由になる分、時給は驚くほど安かったです。サークルでも縫って、バイトでも縫って…徹夜も普通にしていました。三日徹夜すると本当に太陽が黄色く見えるんですよね。不健康な生活。そして所帯染みてオーディションに受かりにくくなるという負のスパイラル。著者の『最強アナリスト軍団に学ぶ ゼロからはじめる株式投資』でも触れましたが、この頃にお米も買えなくて、うどんやすいとんを作って空腹を満たしていました。手打ちうどん作れても、ねぇ。当時の自分に「頑張るベクトルが違うだろ!」と全力でツッコミたいです。

弱り目にたたり目でストーカーに3度も遭い、その度に引っ越し

弱り目にたたり目でストーカーに3度も遭い、その度に引っ越しでなけなしの貯金が底をつき、貯金残高がゼロになったり、ガスが止まったこともあります。恐怖はマックス、貯金はミニマム。この時に、生まれてから電気代やらガス代とかを気にせずに生きてこられたことを父に感謝しました。まぁ、ただでも起きないのが私なので、度重なる引越しで、引越しのコツを学びましたよ。引越し代は基本値切れます。私的にはポイントは3つ。

  1. 引越しシーズンじゃない夏頃を狙う

  2. 勉強してくれたらすぐ決めますと言う

  3. 値段はふっかけてみる

(1)は、ワンルームの場合は1月末頃から就職や進学などで需要が増すので、供給サイドが強くなって値引きされにくいです。5月頃から年内までに探したいところ。1LDKなど広めの場合は結婚シーズンの6月くらいまで需要があったりするので、夏から年内までくらいが良いと思います。需給バランスですね。

(2)は、不動産仲介業者さんの労力を少なくするため。頑張ってくれる確率が上がります。また、交渉学でいうと立場固定戦略です。「この条件なら決めます」っていって譲らないと意外と要求が通ったりします。むしろお金がなかったので「これしか出せません(まぢ)」で初期費用を10万円以上引いてもらったこともあります。礼金と家賃数千円、ここは負けてもらえる可能性高いです。

(3)はこれも交渉学であとから知ったのですが、最初に提示した金額から折り合うまでの金額にゆとりがあると交渉しやすかったりします。良かったらお引越しの際に試してみてください。

執筆者プロフィール : フィスコ リサーチレポーター 三井 智映子

共立女子中学校・高校を経て、早稲田大学政治経済学部へ。2001年から芸能活動を開始し、現在テレビ、CM、舞台などに出演。また、いち消費者とアナリストの中間的な存在であるフィスコのリサーチレポーターとしても、株式やFXの現場を取材レポートしています。