ついにレクサス LFAがベールを脱いだ。概要はすでに既報のため、東京モーターショーでの生の映像とLFAのシートに座ったインプレッションをお伝えする。

千葉市・幕張メッセで開催されている、第41回東京モーターショー・プレスデー初日の注目はFLA。トヨタは事前にレクサスの2シータースポーツを発表することを各マスコミに案内していたが、そのことを事前に報じることに厳しいエンバーゴをかけていた。プレスデー前日の20日、トヨタは新聞に1面広告を出しレクサスの新たなスポーツカーを東京モーターショーで発表することを正式に発表した。LFAの誕生である。

動画

プレスブリーフィングが行われたレクサスの会場は大混雑で、場所取りにマスコミ関係者が必死になるような状態。ある出版社によると場所取りのために十数人を、ショーの開場と同時に送り込んだという。それほどプレスが重視しているクルマの発表だということなのだ。プレスブリーフィングはトヨタブランドとレクサスブランド共同で行われ、まずトヨタブランドからブリーフィングが始まり、レクサスブランドの発表に移った。レクサスの会場には円筒形のカーテンがライトアップされていて、その中にレクサスLFAが置かれていた。

まるでF1のエンジン音のような派手なV10サウンドが会場に響き渡った。その美しく官能的なエキゾーストノートに聞き惚れているとカーテンが落ち、真っ白なLFAが姿を見せた。あまりに多くのカメラのフラッシュで純白のボディに目がくらみそうになりながらLFAを見ると、豊田章男社長がクルマの中から姿を見せた。LF-Aと呼ばれていた開発段階からレーングカーを走らせ、開発にも関係していた豊田章男社長にとって、市販プロトのLFA発表は感慨深いものだったに違いない。

スペックなどは既報にゆずり、ここでは新たにわかった情報をお伝えする。最高速度325km/hだが国内仕様は例のとおり180km/hでスピードリミッターが作動する。だが日産GT-RのようにGPSによってサーキットであるか一般道であるかを判断してリミッターを解除できるようにするはずだ。すでにGT-Rはこの手法で型式認可が取れているので、LFAも状況が許せば560馬力を路面に叩きつけられる。販売台数は全世界でたった限定500台とアナウンスされているから、日本国内向け台数は当然これより台数が少ない。なんと165台という少なさなのだ。超レアな国産車ということになるわけだ。国内でのメーカー希望小売価格は3750万円程度としているが、購入希望者が殺到することは目に見えている。申し込み多数の場合はレクサス販売店で購入者を決定するとしているが、どのようにして決定するのかはまだ不明。フェラーリなどのプレミアムスポーツブランドが限定車を販売する時には、それまでの購入履歴などを重視して決定されるから、レクサスもLSやIS Fのユーザーが優先されるのかもしれない。購入希望受付は2009年10月21日から開始され、購入者決定時期は2010年春ごろだ。

仮に運よく、購入希望者リストに名前を載せられても、すぐにLFAが手元に届くわけではない。なんと車両の生産順を抽選で決めるというのだ。生産期間は2010年12月~2012年12月までの2年間。せっかく購入希望者リストに名前を載せることができても抽選で生産順がビリになってしまえば、実車を手にできるのは2013年ということになるかもしれない。また、2012年年初からスペシャルモデルの生産を開始し、新色を設定した仕様、サーキット走行仕様も販売するというから、生産順が遅くなれば特別仕様車に変更することができるかもしれない。夢は膨らむが、まずは購入資金3750万円以上を用意しなければ…。

会場でLFAのシートに座ってみた。低いシートに体を沈めると、スーパースポーツらしいポジションであることが確かめられた。視線は低く、当然ながらノーズ先端は見えない。バケットタイプのシートは意外に大きく、ボクの体型ではサイドサポートがもう少し欲しい感じだ。たぶん大柄な外国人でも狭くないように配慮したためだろう。意外だったのは後方視界がまるでミッドシップのようなことだ。トランスアクスルのFRレイアウトのため、ここまでリヤが高くなるのは疑問。2シーターの後ろには狭いがラゲッジルームも用意されているのに、やけにリヤまわりが高い。この部分についての説明を聞くとバッテリーなどが収まっているためだという。LFAはハイブリッドではないから通常のバッテリーだろうが、それにして大きく高い。それに高い位置に重いバッテリーを搭載するというのはスポーツカーとしても疑問。説明によると前後の重量バランスを48対52とリヤ重量を重くする(トラクション性能を稼ぐ)ためバッテリーをリヤアクスル上に置いたのだという。もしかすると将来F1の回生モーターアシストであるKERS(カーズ)のような、ハイブリッドシステムに発展させる予定があるからかもしれない。すでに数種のバリエーションを用意することがアナウンスされているので、ここにリチウムイオンバッテリーを積んだLFA KERS仕様が姿を見せる可能性があるかもしれない。

もう1つトピック。レクサスLFAを見るためにモーターショー会場に行く人は、ぜひヤマハのブースに立ち寄ってほしい。ヤマハはバイクメーカーで、会場にもバイクがメインに置かれているが、その奥に進むとレクサスLF-Aのレーシングカーとレース用V10エンジンがディスプレイされている。それを見るのも楽しいが、そのさらに奥に本家レクサスブースでも体験できないLFAが隠されている。それはLFAのコックピットで聞こえるエンジン音で、壁に付けたスピーカーから流しているのだ。壁に掲げられたLFAのエンジンの写真が目印。まるで自分が運転してサーキットを走っているような、迫力あるV10サウンドを開場で堪能できる。このサウンド体験は、ヤマハのメイン会場でビデオが流されているときには中断されるのでご注意を。LFAをしゃぶりつくしたい人は、さらにアイシンのブースに行くことをお勧めする。ここにはLFAの優れた前後重量配分を可能にした、トランクアクスルそのものが展示されている。

レクサスのブースは、LFAのワールドプレミアのため超満員状態だった

豊田章男社長はドライバーズシートから姿を見せ、車両説明を行った

リヤまわりを見るとミッドシップのように見えるが、トランスアクスルのFR

こうしたリヤのインテークはリヤラジエターなどを冷やすためだ。ドアノブがないことに注目。どうすればドアが開くのかは後半の写真で

レッドとブラックのカラーが美しい。もちろんパドルシフト

高級そうなレッドカーペットの奥には、フロアから伸びるレーシングライクなペダルをレイアウト。もちろん2ペダルだ

ライトスイッチの下に見えるRの文字が書かれたスイッチがリバーススイッチ。後退時にはこのRボタンを押す

トラクションコントロールのカットスイッチが独立して付いている。これを押せばどこでもドリフトできる!?

上段のオートはミッションをATのように自動シフト。その下はマニュアルモードでその下が変速タイミングをスポーティにするスポーツ。その下にはノーマルモードやウエットモードも設定。初採用の3モードVDIMと協調制御。IS Fにはウエットモードは存在しない

ステアリングもグリップ部以外はカーボン製。エンジンスタートボタンはステアリングの右側に付く。F1を意識したデザインだ

センターコンソールは結構幅が広く、パッセンジャーとは離れている。手前はトヨタが最近市販車に展開しているマウスタイプの操作ノブ

リアルカーボンをインテリアデザインに取り込んでいる

レクサスらしくセキュリティ装置も搭載している

空力とデザインのためサイドのドアグリップはなく、このように上にドアオープナーが付く

このドアのくぼみはリヤダクトに空気を流すためのものだ

ルーフももちろんカーボンだ

シートはタッチのいい本革バケットタイプ。サイドサポートは意外にルーズ

シートの後ろにはこのように小さなラゲッジスペースがあるだけ。このクルマでゴルフに行ったり、長期の旅行に行くのはムリ。スーパースポーツにそんなことを望んではいけない

エンジンはもちろんドライサンプ式でフロントミッドに搭載。低重心とマスの集中化が狙いだ

美しいインテリアに仕上がっている。ゴテゴテしたメーターやスイッチはなくシンプル。最先端のスーパースポーツだが、なぜかイグニッションキーが付いている

セミアリニンの本革シートの調整はここで行う。シートヒーター付き。アルカンターラシートはオプション設定

フロントブレーキは対向6ポットアルミキャリパー。なんとカーボンセラミックディスクを組み合わせている。サプライヤーはトヨタグループのアドヴィックス

ドアミラーもリヤインテークに空気を流すために特殊な形状をしている

フロアはフラットだが、中央を通る2本のエキゾーストは高熱を冷却するため穴が開けられている

ヤマハブースで聞くことができる、LFAコックピット内でのエキゾーストノート

これがLFAのトランスアクスル。アイシンのブースで見ることができる

LFAに乗る筆者