みなさんの中にも既にNISA口座を開設し、取引している人もいることでしょう。ところでみなさん、口座開設している金融機関にマイナンバーの提出は完了していますか?

2017年9月30日までに口座開設している金融機関にマイナンバーの提出をしないと、ちょっと面倒くさいことになります。駆け込みとなりますが、心当たりのある人はすぐに対応しましょう。

2015年までにNISA口座を開設した人は要注意!

NISA口座を開設している人でもあまり意識していない人が多いのですが、NISA制度には、「勘定設定期間」といってNISAが適用できる期間を設定しており、原則、勘定設定期間ごとに口座開設が必要となっています。

現行の制度では2つの勘定設定期間が設けられていますが、1期目が2014年1月1日~2017年12月31日、2期目が2018年1月1日~2023年12月31日までとなっているので、1期目の勘定設定期間は今年末で終了です。以降もNISAの取引を継続したいのであれば、改めて口座開設が必要というわけです。

しかし、今後も引き続き同じ金融機関のNISA口座で取引したいという場合、事前にマイナンバーの提供があれば、その手続きを省略することができます。2015年までに金融機関からDMなどで案内が届いているはずですが、机の片隅で雑誌などと一緒に紛れていた、読まずに捨ててしまったなんていう人も。9月30日までに手続き完了が必要ですので、未提出の人は早急に金融機関のホームページなどで手続きを確認して対応しましょう。

2018年以降もNISAを利用するには?

ただし、2016年以降に口座開設した人は、そのときにマイナンバーを提供しているので、今回の措置の対象外です。なお、別件の手続きなどで既にマイナンバーを提供している場合も、再度提供する必要はありません。

もし9月30日までにマイナンバーの提供を完了できなかった場合は、改めて口座開設手続きが完了するまではNISA口座での買い付けはできません。マイナンバーに加え、「非課税適用確認書の交付申請書」の提出が必要となります。

金融機関変更の場合も9月30日までに手続きを完了して!

「これまでNISA口座で取引しており、今後もNISAを使いたい。ただし金融機関によって商品ラインアップや手数料などが違うので、現在の金融機関から変更したい」という人もいるでしょう。そのような場合も別途手続きが必要です。

本来、金融機関変更の手続きは、前年の10月1日から9月30日までに行う必要があります。まず2017年分の非課税枠を設定している金融機関に「非課税適用確認書の交付申請書のみなし提出不適用届出書」を提出し、2017年10月1日以後に改めて、2018年以後にNISA口座を開設したい金融機関に「非課税口座開設届出書」と「非課税適用確認書の交付申請書」の提出に加え、マイナンバーの提供をします。

金融機関変更をしたい場合

9月30日までに手続きが完了しなかった場合は、2017年分の非課税枠を設定している金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書」または「非課税口座廃止届出書」を提出し、金融機関から交付される「非課税管理勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」のいずれかを「非課税口座開設届出書」に添付して、マイナンバーと併せて2018年以後に口座開設したい金融機関に提出することになります。9月30日に間に合わないと、こちらからの送付だけでなく、金融機関から交付される書類を待つことにもなります。9月中の処理を目指しましょう。

金融機関変更をしたいが9月30日までに手続きできなかった場合

2018年といえば、NISA絡みでもうひとつニュースがあります。積立投資専用の「つみたてNISA」の創設です。若い世代の資産運用としては、現行のNISAよりも使い勝手が良いのではないかと思います。次回はつみたてNISAについて解説します。

執筆者プロフィール : 鈴木暁子

ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)。キャリアコンサルタント。FPオフィス Next Yourself代表。
「多様化するライフスタイルに応じたライフプラン・マネープランづくりが重要」という視点で、企業、自治体、大学オープンカレッジなどで年間約50回のセミナー・講演を行うほか、新聞、雑誌・WEBなどで精力的に情報発信をしている。
「お金はいい使い方をしてこそ活きる」をモットーに、これまでに数百件の家計診断のほか、 個人コンサルティングも行っている。資産運用、ライフプランニングを得意とし、特に共働き夫婦のライフプランニング、リタイアメントプランニング、高齢期のお金と住まい、相続設計に力を入れている。著書に『100歳まで安心して暮らす生活設計』(実業之日本社)。