ブートキャンプのボリュームも、データを消さずにリサイズ可能
【2008年12月号掲載】



スペック

[発売元] ネットジャパン [価格] パッケージ版:9,450円、ダウンロード版:5,670円 [OS] Mac OS X 10.3.7以上 [メモリ] 512MB以上 [備考] 450MHz以上のPowerPCもしくはインテルプロセッサ搭載のMac。ハードウェアRAID対応(ソフトウェアRAIDには非対応) [掲載号] 「Mac Fan」2008年12月号

OVERVIEW

ハードディスクなどを複数の領域に分割し、あたかも別のボリュームのように扱える「パーティション」。本製品は、このパーティションの設定に特化したユーティリティソフトだ。

パーティションの新規作成やサイズ変更は、OS標準搭載の「ディスクユーティリティ」でもできるが、その場合は初期化が必要となり、データのバックアップ/復元やOSの再インストールなど、手間がかかる。しかし、本製品を使用すると、データを保持したままリサイズや新規作成を行える。

今回のバージョンでは、Leopardに対応。また、FATやNTFS形式でフォーマットされたブートキャンプのボリュームもリサイズできる。併せて、ハードディスクやリムーバブルメディアをFATまたはNTFS形式で直接フォーマットすることも可能になった。

FOCUS ON

ユーザインターフェイスはグラフィカルでスッキリとまとまっており、わかりやすい。パーティションは色分けされ、円の外周に表示される帯でパーティション内の実際のデータ容量や空き容量を示してくれるため、状態を直感的に把握することが可能だ。パーティションのサイズ変更はドラッグで行うが、この操作も簡単でわかりやすい。

(1) ドラッグ操作で簡単にサイズを指定
まずは縮小したいパーティションを選択し、円周に表示される帯の端をドラッグ。変化する容量を確認しながらサイズを指定すると、未使用領域が増える。なお、内蔵ボリュームの変更をしたいときは製品CDから起動する

(2) 実行するまでリサイズは適用されない
次に、拡大したいパーティションを選択し、同様にドラッグ操作で拡大する。ツールバーの[実行]ボタンをクリックして適用するまでは、何度でも試行錯誤できる

(3) 操作の前に警告がないかチェック
何らかの問題があると、メインウインドウ下に[警告]の文字が表示される。クリックして内容を確認しよう。警告の文字が小さくて目立たないので、見落とさないよう注意したい

また、本製品には「iDefrag Lite 3(アイデフラグ・ライト3)」というツールも付属する。このソフトは「iDefrag」の簡易版で、空き領域の断片化を解消することができるソフトだ。空き領域が断片化していると、パーティションの作成やサイズ調整がうまくできないことがあるので、このツールの実行は必須といえる。ただし、FATとNTFSのボリュームをデフラグできないのは少々残念なところ。いったんウィンドウズを起動し、ウィンドウズ側のツールでデフラグする必要があるのだ。

(4) デフラグでデータを整理整頓
移動する領域にデータがあるとトラブルの元になる。デフラグでパーティションの前方にデータを集めておこう。付属の「iDefrag Lite 3」で実行可能だ。ただし、FAT、NTFSに未対応なのが残念

なお、中のデータを消去せずにパーティションを変更するという特性上、ある程度の処理時間が必要になる。今回、MacBook Pro(Core 2 Duo 2.6GHz)でLeopardとブートキャンプ用に2分割した200GBの内蔵ハードディスクをリサイズしてみたところ、作業に要した時間は約22分。デフラグ作業も含めても、約1時間の作業時間で完了した。200GBというボリュームの大きさを考えると、思ったより早く済んだという印象だ。

(5) ブートCD/DVDの作成も可能
Mac OSのインストールDVDからシステムを読み込んで、起動可能なCD/DVDを作成するソフト「Coriolis CDMaker」も付属する

AFTER REVIEW

パーティションを変更する機会はそう頻繁にあるものではないが、必要なときにあれば重宝するのは間違いない。本バージョンではブートキャンプボリュームのサイズ変更もできるので、必要とする場面は増えるだろう。わざわざOSや各種アプリケーションを再インストール、アップデートする手間と時間を削減できるなら、十分価格に見合った価値があると思う。処理速度も満足のいくものだ。