【コラム】

Mac Fan ソフトウェアレビュー

48 年賀状作成ソフト「宛名職人 Ver.15」

松山茂
 

48/70

Macユーザにとってより使いやすいツールへ、
インターフェイスの大革新を達成【2008年12月号掲載】


毎年、バージョンアップを続けていた老舗年賀状作成ソフトの「宛名職人」だが、2007年はユニバーサルバイナリ化のプログラム設計に苦戦。年賀状作成ソフトの旬ともいえる年内の提供に間に合わず、発売延期となった。あれから約1年を経て、バージョン15がやっとユーザの元に届く。本シリーズは、今ではこのジャンルでMac唯一の市販ソフトとなり、それ故にユーザの期待も大きいが、果たして完成度はどこまで到達できたのだろうか。


スペック

[発売元] アジェンダ [価格] パッケージ版:8,400円、アップグレード版:5,250円、ダウンロード版:オープンプライス(メーカーオンラインストア価格:3,990円) [OS] Mac OS X 10.4以上(10.4.4以上を推奨)、Mac OS X 10.5.1以上(10.5.4以上を推奨) [HD] 標準インストール時:約1200MB以上 [備考] PowerPC G3/G4/G5、またはインテルCPU搭載のMac(インテルMacを推奨) ※初期のPowerBook G3、および、プロセッサアップグレードカードには非対応。1670万色以上、1024×768ピクセル以上のモニタ。インターネット接続環境およびSafari 2.0以上が必要 [掲載号] 「Mac Fan」2008年12月号

OVERVIEW

今回のバージョンアップでは、インテルMacユーザが待ち望んでいたユニバーサルバイナリ化を果たすと同時に、ユーザインターフェイスを全面的に変更するなど、これまでにない規模の改良が施されている。バージョンアップというよりまったく新しいアプリケーションに生まれ変わったと考えたほうがよいだろう。

しかし、バージョンが新しくなっても、基本的な考え方に大きな変更はない。独自の住所録に宛名情報を入力した後、宛名面と裏面をデザインして印刷するという流れも同じだ。住所や氏名、誕生日などの個人情報に加え、6年分の年賀状や暑中見舞いの履歴などを記録する住所録も、基本的な項目は同様で、旧バージョンのデータを直接使用することもできる(バージョン10以上)。Mac OS Xの「アドレスブック」のデータを読み込ませるのも簡単だ。

一方で、Mac OS Xのユーザにとって馴染みのあるユーザインターフェイスを取り入れたことにより、住所録一覧がiTunes風になり、アドレスブックに近い感覚でカード表示が利用できるようになった。宛名面と裏面で異なっていた編集画面のインターフェイスも共通化し、印刷設定も標準のプリントダイアログに集約するなど、使い勝手を向上させるための仕様変更が各所に盛り込まれている。

(1) 使い慣れたユーザインターフェイスになった住所録
サイドバーにあるグループリストは、宛先別や印刷済みの住所録を自動的に分類してくれるもの。Mac OS Xのアドレスブックと同様の操作感で自分でグループを作成して仕分けすることもできる。

もちろん、来年の干支を使った年賀状デザイン、1万2,000点以上のイラストや題字といった素材、日本語や人名外字、欧文を含む68書体のフォントなど、豊富な付属コンテンツも健在だ。

FOCUS ON

起動してまず気づくのが、シンプルになったトップメニューだ。前バージョンと比べ項目が少なくなっている。作業開始時に選ぶ項目としては、これくらいスッキリしていたほうがわかりやすい。

トップメニューにあるアイコンをクリックすると操作ガイドが表示されるので、あとはそれに従って作業を進めていけばいい。本バージョンでは、操作ガイドの横にドロワーが備わり、そこに詳細な作業手順が表示されるようになった。わざわざヘルプを開かずに手順や注意点などを参照できるのは、初めて使うユーザにとってありがたい仕様変更だ。

(2) スッキリとまとめられたトップメニュー
ソフトを起動すると最初に表示されるトップメニュー。前バージョンよりも項目数が少なくなりスッキリした

(3) 操作ガイドに加わったドロワーによる説明
ヘルプウインドウを開かなくても操作ガイドのドロワーを引き出せば、該当する作業の手順を詳しく説明してくれる。わざわざヘルプ画面を参照する必要もない

(4) 豊富な項目を用意した住所録カード
住所録カードに盛り込める内容はアドレスブックよりも豊富。自宅や会社などの住所や履歴などの項目が並び、スクロールしなくてもツールバー上のアイコンをクリックすれば、その部分にジャンプしてくれる

住所録の一覧に目を移すと、ツールバーやアクションメニュー、検索ボックスなど、Mac OS Xでお馴染みのパーツが並ぶ。これまでは、一覧表示ウインドウから新しいカードを追加できないなど使い勝手の悪い部分があったが、本バージョンではアドレスブックと同様の操作で住所録の追加や修正が行えるようになり、たしかに使いやすくなった。

宛名面や裏面を作成するデザイン編集でも、文字ツールで入力した文字の書体変更がOS標準のフォントパネルで行えるし、画像や差出人などの各項目も、アップル純正ソフトで見慣れたインスペクタウインドウでパラメータを指定できる。このように、独自のユーザインターフェイスを廃止したことで、より直感的に操作できるようになった点は十分実感できた。ドラッグ&ドロップで画像の配置が可能になっているのもMacらしく、使いやすい改良だ。

(5) デザインを一新した裏面の作成画面
裏面の編集はインスペクタウインドウを用いた操作方法に変更。宛名面も同様のインターフェイスで編集できる

(6) 年賀状以外の宛名書きにも活用
宛名書きは、年賀状や官製ハガキ、往復ハガキのほかに、封筒やラベル用紙などのデザインも用意されている。年末だけでなくフルシーズン活用できる

AFTER REVIEW

宛名印刷などの機能面は、すでに十分すぎる域まで達しているソフトだ。新しくなったインターフェイスは、細かなところを突けばもっとMacらしく改良できる余地があると思うが、大幅に使いやすくなっているのは間違いない。一連の作業でさまざまなウインドウを開く必要がある点は従来同様で、多少の繁雑さを感じるが、次バージョンでこれをスッキリと統合できれば、さらに使い勝手がよくなるだろう。

48/70

インデックス

連載目次
第70回 Flashアニメーション作成ソフト「かんたんWebアニメーション2」
第69回 DVDコピー/動画変換ソフト「Roxio Popcorn 4」
第68回 WEBサイト作成ソフト「BiND for WebLiFE*3.5」
第67回 ToDo管理ソフト「Things Mac」
第66回 データ復旧ソフト「データレスキュー3」
第65回 動画ダウンロード&変換ソフト「チューブ&ニコ録画2コンプリート」
第64回 WEBサイト作成ソフト「BiND for WebLiFE*3」
第63回 スライドショー作成ソフト「LiFE* with PhotoCinema 3」
第62回 セキュリティソフト「ノートン・インターネットセキュリティ Mac版」
第61回 ディスクライティングソフト「Toast 10 Titanium」
第60回 画像処理ソフト「Nik Software Sharpener Pro 3.0」
第59回 申告書類作成ソフト「Macの青色申告5」
第58回 データベース作成ソフト「FileMaker Pro 10」
第57回 統合オフィスソフト「スタースイート 9」
第56回 ファイル復元ソフト「完全復元PRO for Mac」
第55回 名刺管理ソフト「名刺万能 for Macintosh」
第54回 仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop 4.0 for Mac」
第53回 翻訳ソフト「翻訳ピカイチ 2009 plus for Macintosh」
第52回 スライドショー作成ソフト「パルプモーション・アドバンス 英語版」
第51回 データベース作成ソフト「Bento 2」
第50回 写真合成ソフト「Photomatix Pro 3.0」
第49回 ユーティリティ「iPartition 3」
第48回 年賀状作成ソフト「宛名職人 Ver.15」
第47回 マンガ制作ソフト「ComicStudioEX 4.0」
第46回 Photoshop/Apertureプラグイン「Nik Software Silver Efex Pro」
第45回 DTMソフト「Digital Performer 6」
第44回 インテリアシミュレーション「インテリア プロ 4.0」
第43回 DJソフト「djay」
第42回 RAW現像・画像管理ソフト「Adobe Photoshop Lightroom 2」
第41回 ディスクメンテナンス「Drive Genius 2」
第40回 動画ダウンローダ「チューブ&ニコ録画 for Mac」
第39回 iTunesユーティリティ「TuneRanger」
第38回 RAW現像ソフト「DxO Optics Pro v5」
第37回 ユーティリティソフト「Spring Cleaning 9」
第36回 PDF活用ソフト「Adobe Acrobat 9 Pro」
第35回 日本語入力ソフト「ATOK 2008 for Mac」
第34回 マネー管理ソフト「Master Money for Mac 2」
第33回 バックアップソフト「パーソナルバックアップ X5」
第32回 写真編集・管理ソフト「Aperture 2」
第31回 翻訳ソフト「MAC-Transer 2008 プロフェッショナル」
第30回 グラフィックソフト「OmniGraffle 5 Professional」
第29回 CD/DVDライティングソフト「Toast 9 Titanium」
第28回 Photoshopプラグイン「Nik Color Efex Pro 3.0 COMPLETE EDITION」
第27回 携帯電話メモリ管理ソフト「携帯万能 for Macintosh」
第26回 セキュリティソフト「ウイルスバリアX5」
第25回 セキュリティソフト「ネットバリアX5」
第24回 画像管理ソフト「PhotoBase Pro」
第23回 ファイル復旧ソフト「ファイルサルベージ 6 PRO」
第22回 3DCGソフト「Shade 10 Professional」
第21回 ウイルス対策ソフト「Norton AntiVirus 11 for Mac」
第20回 ペイントソフト「Kid Pix Deluxe 3X」
第19回 ペイントソフト「Corel Painter Essentials 4」
第18回 ムービー編集ソフト「Final Cut Express 4」
第17回 圧縮・解凍ソフト「StuffIt Deluxe 12 英語版」
第16回 3DCGプラグインソフト「STRATA DESIGN 3D[in] 日本語版 for Mac OS X」
第15回 サウンド取り込み・編集ソフト「WireTap Studio」
第14回 宛名印刷ソフト「宛名職人Ver.15」
第13回 動画ダウンロード/変換ソフト「Video SAVE for Macintosh」
第12回 会計ソフト「A&A会計」
第11回 DVDコピー/動画変換ソフト「Roxio Popcorn 3」
第10回 DTMソフト「Logic Studio」
第9回 マインドマップ作成ツール「MindManager 7 Mac」
第8回 アニメーション作成ソフト「パルプモーション」
第7回 キャプチャツール「Snapz Pro X」
第6回 3DCGソフト「iPoser 7 for Mac OS X」
第5回 RAW現像ソフト「ArcSoft DigitalDarkroom」
第4回 Webサイト作成ソフト「BiND for WebLiFE*」
第3回 コンテンツ管理システム「Movable Type 4」
第2回 ファイルデータベースソフト「Microsoft Expression Media」
第1回 Flashアニメ作成ソフト「かんたんWebアニメーション」

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