3D機能の強化により、幅広い活用が可能に
【2008年10月号掲載】



スペック

[発売元] インフィニシス [価格] パッケージ版:1万8,690円、ダウンロード版:1万1,800円 [OS] Mac OS X 10.4以上 [メモリ] 512MB以上 [掲載号] 「Mac Fan」2008年10月号

OVERVIEW

「インテリア」は、インテリアデザインを設計・シミュレーションできる3Dソフトだ。壁を作成し、家具やドア、照明などさまざまなオブジェクトを配置していくだけで、立体的な屋内図が出来上がる。

壁作成には専用のツールがあり、家具類の配置やテクスチャの適用はパレットからあらかじめ用意されているものをドラッグ&ドロップ、その後パレット上で微調整していくのが操作の基本で、3DCGソフトやCADソフトを扱ったことがない人でも直感的に操作できるのが特徴だ。

作成した屋内図は、静止画のほか実際に人が歩き回っているようなウォークスルーアニメーションとしても書き出せる。

(1) 情報がまとめられたインターフェイス
大きなアイコンのツールバーと、さまざまな調整項目がまとめられたインスペクタパレット。ウインドウ上部は、カスタマイズしてよく使うツールを登録しておける

(2) ライブラリから取り出すだけの簡単操作
ライブラリパレットには、家具、台所用品、窓、テクスチャ、色などカテゴリに分類され、1,400以上のオブジェクトが収録されている

本製品は、そのインテリアの上位版にあたり、3Dモデリングツールを搭載してオブジェクトを自分で作成できるようになったものだ。

FOCUS ON

こういったソフトは、新築時の設計やリフォーム時のインテリア検討、オフィスレイアウトや店舗デザインなどを中心に使われる。しかし、それだけでなくイベントブースや学校行事での教室内設計、さらに舞台や撮影時のセットの設計にも使える。さらに、描き出した画像をイラストの下絵に利用するということも考えられる。インテリアという枠に捕らわれず、さまざまな場面での使いこなしを考えるのも楽しい。

プロ版で加わったモデリング機能は、本ソフトの活用の幅を大いに広げるものだ。あらかじめ用意されている家具以外のものも自分で作成して配置することが可能になるほか、家具を購入する際に寸法どおりのオブジェクトを作り、部屋での収まり具合をチェックしたりもできる。

(3) 自分で立体モデルを作成できる
プロ版は、自分で立体モデルを作成できる。文字オブジェクトを作成することもできる

(4) 複雑な形状を作るのに役立つ「ブール演算」
重なり合ったオブジェクトを4つのモードで編集する。複雑な形状を作り出すのに役立つ

本製品のモデリング機能は、ポリゴン編集などの高度な機能はないものの、家具などを作成するための基本的なツールは一とおり揃っている。断面編集パレットではオブジェクトの形状(押し出し形状の断面)をパスで編集することもできるほか、オブジェクトをもう1つのオブジェクトの形状で型抜きしたり、分割したりできる「ブール演算」機能も備えている。

床があり壁がある「部屋」という空間にオブジェクトを配置したり、テクスチャを設定しているうちに3Dの基本的な手法がマスターできるので、3D入門ツールとしても利用できるだろう。

(5) SketchUp形式の読み込みに対応
3dsおよびSketchUp形式の3Dモデルを読み込むことができるのはありがたい。図は、SketchUp形式の形状を読み込ませたところ(右側が本製品)

AFTER REVIEW

とにかく簡単に操作できるのが最大の魅力だが、クオリティを上げるとレンダリング速度が遅くなってしまうのは少々残念なところだ。また、ウィンドウズ版の同種のソフトでは、よりリアルなレンダリングを実現しているものも発売されている。アンチエイリアシングの調整や影の調整など、もう少しレンダリングの品質をコントロールできるようになると、さらに活用の幅が広がるだろう。