単語の訳をルビで表示
翻訳結果の修正がより簡単に【2008年6月号掲載】



スペック

[発売元] クロスランゲージ [価格] 6万2,790円(パーソナル版は4万1,790円) [OS] Mac OS X 10.3.9以上 [メモリ] Mac OS X 10.3.9:128MB以上、Mac OS X 10.4:256MB以上 [HD] 約1.6GB(パーソナル版は約1.3GB) [掲載号] 「Mac Fan」2008年6月号

OVERVIEW

本製品は、翻訳精度の高さで定評のある英日、日英翻訳ソフトだ。

製品バリエーションは、個人向けの「パーソナル」のほか、プロ向けの「プロフェッショナル」の2つが用意され、後者は完成させた訳文を原文とのセットでデータベース化し、そのあとに同一の原文が現れた時に呼び出すことができる「翻訳メモリ」機能を備えているほか、電子辞書ソフト「研究社 リーダーズ英和辞典」が付属する。

(1) WEBページをクリック1つで翻訳
開いているWEBページの基本的なレイアウトを保ったまま翻訳できる「ブラウザ翻訳」。新バージョンではSafariに加えてFireFoxにも対応した

本バージョンでは、インターネットを利用した機能が2つ搭載された。1つは、内部の辞書では解釈できなかった新語や未知語などをソフト上で直接インターネット検索する「WEB検索機能」だ。従来であれば、解釈できなかった単語の意味を調べたい時は自分でインターネット検索を行う必要があったが、この機能を使えば、ソフト上で即座に検索できるというわけだ。

そしてもう1つは、検索窓に入力した日本語のキーワードを英訳し、その単語を英語版のグーグルやウィキペディアで検索する「翻訳検索」機能だ。検索結果のページは、日本語訳付きで表示してくれる。この機能により、海外サイトから情報を収集することがより容易になった。

(2) 英語サイトでの調べものに威力を発揮する「翻訳検索」
今回追加された「翻訳検索」機能は、パレットに入力したキーワードを英語版のグーグルやヤフー、ウィキペディアで検索し、その結果を日本語に翻訳してWEBブラウザ上に表示する

FOCUS ON

まず、翻訳エンジンそのものに注目してみよう。今回、いくつかの英文で前バージョンと比較を行ってみたところ、9割程度は同じ翻訳結果になった。ただし、複雑な構造の文章などは結果が異なり、前バージョンと見比べると明らかに精度が向上している。より、日本語として自然な文章になるよう改良された印象だ。

さらに、新機能の「訳振り機能」が役に立つ。原文の単語や熟語の上に訳語ルビを付加するという機能で、どの単語がどのように訳されたのかが一目でわかる。そのうえ、翻訳の修正をしたい時には、単語をクリックすれば他の翻訳候補が出てくるという仕様になっており、翻訳結果の修正が今までよりぐっと楽になった。

(3) 完成訳を作り出すための「翻訳エディタ」
翻訳エディタでは、原文の単語の上に訳語ルビを付加する「訳振り機能」が搭載された

いくら翻訳精度が高くても、ソフトを使った機械翻訳には限界がある。実際の英文が常に理想的な文法に則ったものとは限らないし、言葉の使い方にも書いた人の癖が出る。しかし、このソフトを使えば、そういった誤訳や不自然な文章を手軽に修正し学習させることができる。そういった修正操作の使い勝手の良さは、業務レベルでの使用でも十分役に立つはずだ。

(4) 日英日の3面エディタで誤訳をチェック
日英翻訳では、英訳文をさらに英日翻訳する「確認翻訳編集モード」が用意されている。より正しい英文を作るのに役に立つ

(5) 短めの文章を手早く翻訳
「ワンポイント翻訳」は、ちょっとした文章をコピー&ペーストで入力しすばやく翻訳したい時に便利な機能だ。同機能をダッシュボードから利用するためのウィジェットも付属する

AFTER REVIEW

翻訳品質は確実に向上しているようだ。さらに、これまでSafariだけに対応していたブラウザ翻訳が、FireFoxにも対応したことは、同ブラウザをよく使う筆者にとってはうれしい限り。WEB上には無料の翻訳サービスもあるが、翻訳結果の修正を行いながら完全訳を作成できるのはソフトならではのメリットだ。翻訳辞書の語彙数も豊富なので、翻訳の機会が多いユーザならきっと重宝するはずだ。