各種バックアップはもちろん、モデム通信など機能が満載
【2008年5月号掲載】



スペック

[発売元] アメリカンメガトレンド [価格] 全キャリア用:6,980円、アップグレード版(ケーブル別売り):3,980円、 ほか各種キャリア用、各種キャリア用充電ケーブル付きを用意 [OS] Mac OS X 10.3.9以上 [メモリ] 512MB以上 [HD] 200MB以上 [備考] PowerPC G4 867MHz以上、またはインテルプロセッサが必要 [掲載号] 「Mac Fan」2008年5月号

OVERVIEW

携帯電話に保存する情報はアドレス情報だけではない。メールデータやWEBブラウザのブックマーク、写真、ムービーなど、さまざまなデータが詰め込まれた携帯電話の情報を、Mac上で合理的に管理するための管理ツールがこの携帯万能だ。

今回のアップデートでは、Leopardへの対応以外に大幅な変更や強化点はないが、この製品はすでに総合的な機能面で完成の域に達している。メモリダイヤル、メール、スケジュール(カレンダー)、ブックマークの取り込み/編集/書き戻しに対応しているほか、Mac OS Xの「アドレスブック」や「iCal」との同期にも対応しており、データの一元管理がスマートに実現する。

また、メモリダイヤルやメール、ブックマーク、テキストメモをQRコードとして生成できる機能や、モデム機能(携帯電話をMacの通信モデムとして利用するための機能)も備えている。まさに、単なるメモリ管理ソフトの域を超えた、機能満載の便利ツールといえる。

(1) 入力しやすいメモリダイヤル編集
リスト、およびドロワでメモリダイアルの情報が編集できる。フリガナ欄を全角ひらがなで入力しても自動的に半角カタカナで登録されるなど、細やかな入力支援機能が装備されているのがうれしい

FOCUS ON

(2) 絵文字対応のメール送信機能
メール作成機能も備えている。絵文字入力にも対応しており、パレットから好みの絵文字を入力できる

最近はSDメモリーカードを使って携帯内のデータをMacに簡単に転送できるようになり、メモリデータのバックアップソフトとしての意義はやや薄くなった感がある。とはいえ、携帯万能は携帯電話をより快適、かつ楽しく使うための支援ツールとして大いに有効だ。

例えば、携帯電話上でブックマークを登録/管理するのは面倒だが、携帯万能を使えば、ミニブラウザを見ながら必要なWEBサイトを効率良く登録していける。また、Mac上で携帯サイトを見ていて、パソコンからのアクセスを規制しているサイトにぶつかってしまった時でも、そのURLを即座にQRコードにして画面に表示させれば、それを携帯電話のカメラで読み取るだけですぐにアクセスできるわけだ。

(3) 携帯電話専用サイトも楽々アクセス
携帯電話しかアクセスできないWEBサイトに遭遇しても、その場でURLを「メモ」にコピーして[QRコードに書出し]をクリックすれば、即座にQRコードが生成される。これを携帯電話のQRコードリーダで読み込めばすぐにアクセスできる

(4) 携帯で撮影した写真をお手軽編集
携帯電話から読み込んだ写真はサムネイル表示される。これをダブルクリックするとプレビューで開くことができ、画像編集やサイズの変更などが簡単にできる

さらに、iPhotoのように写真やムービーを表示させ、直感的に管理できるのも大きなポイントだ。特に、取り込んだ画像をプレビューで編集したり、待ち受け画面を作成してボタン一発で携帯電話に書き戻せるのは重宝する。

加えて、モデム機能を使って、携帯電話でインターネットにアクセスできるようになるのも見逃せない。ケーブルをいつも携帯しておけば、いざという時でもインターネットアクセスできる。その安心感は大きいはずだ。

(5) 携帯電話でインターネットにアクセス
携帯万能をインストールすると、携帯電話用のモデムドライバがインストールされる。システム環境設定の[ネットワーク]に新たなポートが追加され、携帯電話からインターネットアクセスができるようになる

AFTER REVIEW

すべての情報を携帯電話上で管理し、携帯電話上での文字入力も全然苦にならないという人にとっては、本ソフトの必要性を感じることは少ないだろう。しかし、「携帯をもっとアクティブに使いたいが文字入力が面倒」という人なら、揃えておいて損はないソフトだ。また、新機種対応やバグフィックスなどのアップデートも随時行われ、ソフト上で直接ダウンロードできる。もちろん、更新料は一切かからない。