【コラム】

Mac Fan ソフトウェアレビュー

16 3DCGプラグインソフト「STRATA DESIGN 3D[in] 日本語版 for Mac OS X」

    海津ヨシノリ  [2009/03/29]

    Photoshopユーザのための 使いやすい3Dツールが誕生【2008年2月号掲載】


    初心者にも親しみやすいインターフェイスで、アニメーションまで作り込めるオールインワン3Dソフト「STRATA 3D」。そのSTRATA 3Dが、Photoshop CS3 Extended用のプラグンとして登場した。プラグインというとソフトにちょっとした機能を追加するものだというイメージがあるが、この製品は違う。最新の「STRATA 3D CX」とほぼ同様の機能を持ち、3Dモデルを思いのままに作成することができる。しかも、3Dモデルを写真のパースに合わせて配置する機能まで備えている。それでいてSTRATA 3D CXよりも、はるかにリーズナブルというのは驚きだ。


    スペック

    [発売元] ソフトウェア・トゥー  [価格] 3万2,000円 [OS] Mac OS X 10.4.8以上 [メモリ] 512MB以上 [HD] 380MB以上 [備考] 1GHz以上のPowerPCまたはIntel Mac。Adobe Photoshop CS3 Extended、64MB以上のビデオカードが必要
    [掲載号] 「Mac Fan」2008年2月号

    OVERVIEW

    本製品は、「Adobe Photoshop CS3 Extended」上で3Dモデルの作成、配置を行うプラグインソフトだ。

    (1) Photoshopからダイレクトに起動
    インストールすると、Photoshop CS3の[フィルタ]メニューに項目が加わる。機能は大きく分けて、「モデルイン」「マッチイン」「レンダーイン」の3種類だ

    このソフトが備えている機能は大きく分けて3種類。1つ目の「Model[in](モデルイン)」は、新しい 3Dモデルを作成して 3Dレイヤーに格納したり、3Dレイヤーに格納されている3Dモデルを修正することができる。また、すでに作成してある3Dデータを読み込ませることも可能だ。

    (2) 画像を背景に3Dモデルを作成
    Photoshopで任意の画像を背景とし、[Model[in] 新規]を選択すると、指定した背景に合わせてモデリングを行う。すでに作成してあるモデリングデータを読み込むことも可能なので自由度はかなり高い

    (3) 要素を選んで転送できる
    モデルインの処理結果のうち、どの項目をPhotoshopに転送するかについて指定が行えるので、ある程度意図的な処理が可能である

    次の「Match[in](マッチイン)」は、Photoshopで開いた画像の中に、自然に3Dデータを配置する機能だ。Photoshop CS3の「バニッシングポイント(Vanishing Point)」フィルタで作成したグリッドを利用し、3Dモデルのカメラ位置などを自動的に調整する。

    (4) 画像の遠近法に合わせて配置
    Photoshop CS3の「バニッシングポイント」の機能で3Dレイヤーを作成後、マッチインにてライブラリから指定のオブジェクトをドラッグコピーすることメッシュ上にオブジェクトが配置される

    そして最後の「Render[in](レンダーイン)」は、3DモデルをPSDファイルにレンダリングイメージとして合成する。また、レンダリング結果をさまざまな構成要素に分割して、PSDファイルのレイヤーとして保存。これらのレイヤーを個々に調整することによって、とてもリアルな合成結果を得ることができる。

    (5) 後処理が行いやすいレンダリング
    STRATAお得意のレイヤーレンダリングではカラー合成セットとして反射やハイライトといった設定別にレイヤーが自動生成されるので、Photoshop側での後処理がスムーズに行える

    FOCUS ON

    (6) マスク用レイヤーが自動で生成
    「マスク/選択範囲」レイヤーセットの中に生成されるオブジェクト選択範囲レイヤー。選択範囲が綺麗に色分けされているので迅速かつ正確に範囲を取得することができる

    同社のスタンドアローンの3DCGソフト「STRATA 3D CX」との違いは、一部のモデリング処理およびシェーディング機能が省かれているだけで、実質的な機能に大きな違いはない。3Dアーティストばかりでなくグラフィツクデザイナーの3Dツールとして必要な機能は十分に搭載されている。Illustrator CS3の Aiファイルから簡単な操作で3次元の形状を作り出すこともできるので、アドビ製のアプリケーションに慣れ親しんだデザイナーが初めて使う3DCGツールとしてはもってこいだ。

    また、汎用的な3Dのファイル形式であるobj形式をサポートしているので、他の3Dソフトとの互換性も高い。3D経験者にとっても、Photoshopとの連携を行いやすく利用価値の高いツールだ。

    Photoshop CS3で採用された3Dレイヤーの機能は、これまで活用方法が今イチ見い出しづらかったが、この製品のおかげで、Photoshopの3D処理機能が本格的に活用できるようになったといえる。

    なお、フル機能のSTRATA 3D CXとはファイル拡張子が異なり、STRATA 3D CXのデータ(.s3d)を本製品で読み込むことはできるが、その逆はできないので注意しよう。

    AFTER REVIEW

    バニッシングポイント処理後のマッチインの連携がギクシャクしている。特に配置後のレンダリングでオブジェクト自身の影の設定が自動では行えず、シャドウ取得用にテーブルなどを作成する必要があるのは残念。全体の仕上がりが満足できる範囲であるため、余計に気になってしまう。とはいえ、13万円ほどの製品とほぼ同等の機能を持ちながら、これだけリーズナブルな価格を実現したことは賞賛に値する。

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