Macで仕事をしているなら、会計業務もMacで行おう
【2007年12月号掲載】



スペック

[発売元] エーアンドエー [価格] 3万1,290円 [OS] Mac OS X 10.4以上
[メモリ] 512MB以上 [HD] 1GB以上 [備考] PowerPC G4以上、またはIntelプロセッサを搭載するMac(Intel Macを推奨)。1024×768ピクセル以上のモニタ。マルチクライアント機能で入力及び編集を行う場合は有線(イーサネットケーブル)によるLAN環境が必要 [掲載号] 「Mac Fan」2007年12月号

OVERVIEW

毎年の確定申告や決算の処理がどうにも面倒。しかし、税理士まかせにしたくない。そう考えているSOHOや小規模企業の経営者なら、使い勝手の良い会計ソフトを選びたいもの。使いこなすまでに時間がかかったり、安価だからといって機能が貧弱では、結局、使わず仕舞いになってしまう。

(1) 基本設定画面もMacらしい
インストールしたら企業名や会計期間など基本設定を行う。作業担当者なども登録しておく。日頃Macを使っている人に使いやすいインターフェイスだ

このA&A会計は、以前「MAC会計」という製品名で定評があった小規模事業所向け会計ソフトをMac OS X用に作り直し、機能を強化させたものだ。MAC会計の使い勝手の良さを引き継ぎ、入力した伝票データから各種財務諸表を作成できる。

もちろん、2006年5月1日に施行された新会社法にも対応している。新会社法では、1円以上の資本金があれば株式会社を設立できるなど起業しやすくする一方で、企業の社会的責任が問われ、特に会計について財務報告書をしっかり作ることが求められるようになった。

このソフトでは、貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書などの財務報告書に必要な書類に加え、表紙や記名押印書もプリントできる。新会社法で新設された株主資本等編変動計算書も設定可能だ。

(2) 財務報告書作成では、必要な書類をまとめて出力
決算報告などに必要な書類をチェックし、まとめてプリント。製本すれば財務報告書が出来上がる

FOCUS ON

ソフトをインストールしたら、最初に各種の設定を行う。設定する項目は、会社の名前や決算期、会計期間、消費税の申告区分など。こういった設定が会計ソフトの最初の難関になるが、本製品は見やすい画面構成になっており、余計な不安を抱えず設定できるのが魅力的だ。

データ入力では、伝票入力、単一入力、帳簿入力と3種類の方法を用意している。日々の入出金を入力するなら伝票入力、仕訳帳に書き込む感覚でまとめて入力したいなら単一入力、勘定元帳を書き込んでまとめたいなら帳簿入力と、使い方に合わせて選べるのはありがたい。

(3) 日々の入出金は「伝票入力」で
日々の出金、入金の処理は、伝票のイメージそのままの「伝票入力」画面が使いやすい

(4) 仕訳帳にまとめて入力する感覚の「単一入力」
「単一入力」画面は、単一仕訳(1行の仕訳)の入力に特化した入力画面だ

(5) 勘定元帳に書き込む感覚の「帳簿入力」
勘定元帳に書き込むように入力できるのが「帳簿入力」画面。勘定科目を1つ固定し、その科目の増減の取引を時系列で入力したい時に活用できる

どの画面も実際の伝票や勘定元帳のイメージでデザインされているので見やすい。例えば、「印箱」機能は、科目や摘要の一覧を表示し、ハンコを取り出して押すように入力できる。定型伝票を登録できるなど入力効率をアップする工夫もされている。

また、セキュリティ面の配慮がしっかりしているのも重要なポイントだ。担当者ごとに作業できるレベルを設定できるので、経営者はすべてに権限を持ち、伝票入力担当者はここまでというように制限しておけば安心だろう。

AFTER REVIEW

しっかりした財務報告書が、日々の伝票入力などの作業から自動的に行えるのが魅力。月次や部門別残高を使ってお金の流れをつかんでおけば、経営感覚も身についていく。ただし、グラフ化やシミュレーションなど経営支援的な機能はないので、テキストデータとして書き出す機能を利用し、必要に応じて表計算ソフトと組み合わせて使うといいだろう。小規模事業所なら、そのほうが使い勝手が良くリーズナブルだ。