フィギュアを操るだけで 手軽に3DCGが体験できる
【2007年10月号掲載】



スペック

[発売元] イーフロンティア  [価格] 通常版:6,800円、ガイドブックバンドル版:8,800円 [OS] Mac OS X 10.3.9以上 [メモリ] 512MB以上(768MB以上推奨)
[HD] 1GB以上(4GB以上推奨) [備考]1024×768以上のディスプレイ、DVD-ROMドライブが必要。700MHz以上のPowerPC G4/G5/Intel Macに対応(1GHz以上のPowerPC G4/G5、もしくはIntel CoreDuo以上を推奨) [掲載号] 「Mac Fan」2007年10月号

OVERVIEW

「Poser」シリーズは、人体モデルにポーズを付けることに特化した3DCGソフトだ。「Shade」や「LightWave」といった他の3DCGソフトとは異なり単独でモデリングを行うことはできないが、あらかじめ用意されているフィギュアにポーズや表情をつけたり、服や背景素材を組み合わせることで難しい知識や技術がなくても手軽に3DCGを楽しむことができる。

(1) Poserと共通のインターフェイス
起動直後の画面。各ツールの位置はカスタマイズ可能だ。本製品で使用できないルームタブなどをクリックすると、使用できない旨の警告ウインドウが表示される

本製品は、その最新バージョンである「Poser 7」から静止画を作ることに焦点を絞って、ムービー作成などのアニメーション機能、新規フィギュアの作成など、いくつかの機能を削除した機能限定版にあたる。また「Poser 7」に収録されているコンテンツの大半が省略されている代わりに、2007年7月に発売された別売りフィギュアパックの「にあ☆みぃ」が標準フィギュアとしてインストールされている。

(2) キャラクターの表情が調整できる
パラメータパレットで[目を閉じる][笑う]などのモーフ(変形パターン)を調節して表情を作る。ポーズもダイヤル操作で調節するほうが微調整しやすい

(3) 工夫次第でバリエーションを増やす
にあ☆みぃと別売りフィギュアパック「もえたん」のいんくは服を着回すことができる。テクスチャを変えるなど工夫すればバリエーションを増やすことが可能だ

FOCUS ON

(4) 奥深いレンダリング機能
Poserにはいくつかのレンダリング方式が用意されている。メインのレンダラは被写界深度やIBL(光の演算方法の1つ)などの高度な機能も使用可能だ。また手描き風のスケッチレンダラも備えている

ポーズやライトの設定などはプリセットが用意されており、クリック1つで適用できる。カメラのコントロールやポーズを取らせる操作に慣れてしまえば、すぐにレンダリングして画像を保存することが可能だ。今まで3DCGを難しそうだと敬遠していたり、始めてすぐにモデリングで挫折してしまったユーザにとって、この手軽さは魅力である。

しかし、思いどおりの絵を作るには、ややカスタマイズ性の低さが気になるところだ。プリインストールされるリアル調のフィギュアは、本製品では顔をカスタマイズできないし、用意されている小道具類も限られている。材質感を設定するマテリアルルームも詳細設定が使えない。本製品は、あくまでも用意されたコンテンツをそのまま使うことを前提にしたソフトといえる。

すると、今度はコンテンツを追加してライブラリを充実させる必要が出てくるのだが、ソフトに直結している販売元の素材サイトは使いやすいとはいい難い。また、「服は同じボーン(骨組み)を持つフィギュア間でのみ共用可能」といったPosesr独自のルールが、英語を直訳したマニュアルではフォローされていないので、ユーザが自力でインターネット上の情報を集めなければならない。本当に初心者向けのソフトを目指すならば、今後はそれらガイダンスを充実させることが必要になるだろう。

(5) 画像処理ソフトでイラストを仕上げる
画像はTIFFやPSD形式で保存すればアルファチャンネルを出力できる。レンダリングサイズが1200×1600ピクセルまでという制限はあるが、簡単にオリジナルイラストを作ることができる

AFTER REVIEW

現状ではあくまでもPoserの機能限定版であって、それ以上の付加価値は見い出せなかった。キャラクター作りをキチンとしたいなら、最初から「Poser 7」(1万6,800円)を購入したほうが得だ。しかし、今まで3DCGに興味はあっても手が出せなかったユーザや、2Dで人物を描くのにデッサンの確認をしたいというユーザが気軽に3DCGに触れられるという点では、まさにうってつけのソフトである。