【コラム】

Mac Fan ソフトウェアレビュー

5 RAW現像ソフト「ArcSoft DigitalDarkroom」

    諌山研一  [2009/03/21]

    必要な機能を絞り込んだ、お手頃価格の現像ソフト
    【2007年10月号掲載】



    スペック

    [発売元] ジャングル [価格] 通常版:1万8,690円、特別優待版:1万3,440円、ダウンロード版:1万2,600円、ダウンロード特別優待版:8,820円
    [OS] Mac OS X 10.3以上 [メモリ] 512MB以上(768MB以上を推奨) [HD] 50MB以上(1GB以上を推奨) [CPU] PowerPC G4/G5またはIntel Mac(PowerPC G5 または Intel CoreDuoプロセッサ以上を推奨) [掲載号] 「Mac Fan」2007年10月号

    OVERVIEW

    ウィンドウズ版のみで発売されていたRAW現像ソフトが、Macにも対応し発売開始となった。

    本ソフトの特徴は、RAWデータの現像、ならびにJPEG/TIFFファイルの調整に特化させることで、シンプルな操作と高速性を追求していることだ。画面の作りは、メインビューを大きくとり、下に画像のサムネイル、右に各種情報とパラメータのリストが表示されるデザインとなっている。

    (1) わかりやすい3分割のメインウインドウ
    メインウインドウ、情報/コントロールウインドウ、サムネイルウインドウの3つに分けられたメイン画面。必要なパラメータだけを表示させる方式でわかりやすい作りだ

    (2) 処理済みかどうかを確認できる
    調整後の画像にはサムネイルにバッジがつく。一目で調整済みかどうかがわかるため、処理のし忘れがない

    画像の一括登録や一括処理も可能で、機能も過不足なく備わっているほか、国内外17社のカメラRAWデータに対応しており、アップデートによる機種追加も頻繁に行っている。対応の遅いiPhotoの代替アプリケーションとして有効な選択肢といえるだろう。

    FOCUS ON

    メーカーは、本製品のウリとして現像スピードを挙げているが、Mac版ではそれほどの速さを感じなかった。体感的には、カメラメーカーの純正ソフトより速いが、他のサードパーティ製品と比べると大差ないという印象だ。むしろ、「Adobe Photoshop Lightroom」のようなプロアプリケーションに匹敵する現像品質が、このソフトのウリではないだろうか?

    (3) カラースペースも設定できる
    sRGB以外のカラースペースに設定することも可能だ。これにより、より階調豊かな現像が可能となる

    実際、プリセットでいろいろなカラースペースを選べるが、どれも良好な階調性を再現している。ただし、色に関しての経験不足があるのか、色温度の再現に少々不満を感じる点がある。本来のアンバー系の再現がイエロー気味に偏るところは改善の余地がありそうだ。

    また、EXIFデータと画面での表示に多少の食い違いが見えるのは、この手の汎用RAW現像ソフトによく見られる傾向で、メーカーごとの微調整が行われていない感があるのは残念なところ。そのため、データを表示させた際に撮影時とは違った色再現がなされてしまい、一瞬戸惑うことが何度もあった。

    (4) 元画像と調整画像を並べて表示
    元画像と比較しながらの調整も可能。ただし、RAWデータのEXIF情報が現像に活かされておらず、どのデータも必ず調整を行わないといけないのは残念

    (5) ファイルを探し出すファイルビューワを装備
    ファイルビューワ機能も用意されており、ドラッグ&ドロップで現像したい画像を登録することができる

    全体的な使用感に関しては、必要なパラメータのみ表示可能なパレットをはじめ、ほこり/キズ除去など比較的扱いやすい。

    (6) ほこり/キズ除去機能を装備
    ワンクリックで修正可能なほこり/キズ除去を装備。シンプルなツールだがかなり有効に活用できる。もちろんJPEG、TIFFでも使用可能だ

    ただし、強力にアピールする部分が乏しい。価格は手頃だが、少々物足りなさを感じさせるところがあるのは否めない。他のソフトから乗り換えるほどのメリットは感じさせないが、汎用RAW現像ソフトの最初の一本として検討するならいいのではないだろうか。

    AFTER REVIEW

    現像結果は、同価格帯の他のソフトウェアに比べると高品位。しかし、機能面では、同価格帯のPhotoshop Elementsが備えているRAW現像機能に比べると少々物足りない部分もある。最初のバージョンということで、まだまだ改善の余地は充分にありそうだ。ただし、汎用RAW現像ソフトの最初の一本として持つなら、価格も手頃で悪くはない選択肢だろう。今後の機能アップに期待したい。

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