ゲームだけにはもったいない!
87種類のキーで作業を効率化【2009年7月号掲載】



スペック

[発売元] ロジクール [価格] オープンプライス [実勢価格] 9,980円(同社オンラインストア価格) [OS] Mac OS X 10.4以上 [メモリ] 256MB以上 [HD] 20MB以上 [インターフェイス] USB2.0 [サイズ/重量] W171×D243×H41mm/650g [掲載号] 「Mac Fan」2009年7月号

OVERVIEW

(1) 自由に設定できる22個+αのボタン
G1からG22までのボタンのほかジョイスティックの各方向にも操作を割り当てることができる。上部のM1からM3のボタンでモードを切り替えれば、最大87種類の割り当てが可能

本製品は、本来ゲームでの使用を主眼に置いた左手専用の多機能コントローラだ。一見してわかるように、そこには数え切れないほどのボタンがずらりと並ぶ。[G1]から[G22]までのボタンとジョイスティックに隣接する2ボタン、およびジョイスティックの上下左右と押し込みに好きなキー操作を割り当てられる。本体上部にある3つのモードボタンを使えば即座に設定を切り替えられ、最大で87種類のキーを割り当て可能だ。

また、各ボタンにはキーストロークのほか、ファイルやアプリケーションを登録して一発起動させたり、数ステップに及ぶキー操作を登録したり(キーマクロ)することも可能だ。

ここまで多彩な機能を備えた本製品ならば、ゲームに限らず、一般的なアプリケーションでも利用できるはずだ。

FOCUS ON

各ボタンへの割り当ては、本体の[MR]ボタンを押してから好きなボタンを押し、続いてそこに割り当てたいキー操作をキーボードで入力してから、再度[MR]ボタンを押す。1つのボタンに複数のキーを使ったキーコンビネーションを登録したいときも、[コマンド]+[Z]キーのように押して登録すればいい。

(2) 複雑なキー操作も記録できる
1つのボタンに、数ステップに及ぶキーストロークを設定可能だ。例えば、「コピー」「アプリケーションの切り替え([コマンド]キー+[タブ]キー)」「ペースト」といった一連の流れが1ボタンで済む

さて、このデバイスのゲーム以外の活用シーンを考えたとき、まず思い浮かんだのがショートカットキーを多用するAdobe Photoshopなどのグラフィックソフトでの利用だ。3種類のモード切り替えをフル活用すれば(ノート型Macとほぼ同じキー数になる)、各ボタンにキー操作を充分割り当てられる。

また、描画色で塗りつぶし([コマンド]+[オプション]+[デリート]キー)など、本来両手が必要なキーコンビネーションを1つのボタンに割り当てられるのも便利だ。

あとは切り替えを最小限にとどめるためにどんな配置をするかだが、デジタルガジェット好きならこの工程も楽しめるはずだ。

さまざまなキー操作を工夫して割り当てれば、文字入力以外キーボードを触ることなく、作業効率が格段にアップする。Adobe Photoshop以外でも、Final Cut Proや、iMovieといった動画編集ソフトでも有用に使えるだろう。

(3) バリエーションは無限大
本製品は、3つのモード切り替えをまとめたすべてのキー設定を「プロファイル」という単位で管理する。複数のプロファイルを作ることができるため、実際には無限に操作を登録できる

また、本体は使い続けるたびにしっかりと手に馴染むし、液晶ディスプレイで各種情報を表示できるのも面白い。

(4) 疲れにくい山型のフォルム
中央が盛り上がった構造になっており、手を置くとしっくりと馴染む。長時間使っていても疲れない形状だ。キーピッチもちょうどいい

(5) 液晶ディスプレイを搭載
上部の液晶ディスプレイには、「時計」「CPU/メモリ使用状況インジケータ」「カウントダウンタイマー/ストップウォッチ」などを表示できる。タイマーを使って終了目標を設定しながら作業をすると、無駄な操作が減って効率化が望める

AFTER REVIEW

最初はデジタルガジェット好きのおもちゃかと思ったが、使えば使うほど奥の深さを感じた。割り当てるキーや機能を試行錯誤していけば、確実にクリエイティブ業務の効率化、時短化を狙うことができる。使い慣れるまでは、どこにどのキーを割り当てたのか迷うことも多いので、ダッシュボードなどでさっと確認できる機能があればさらに便利になると思う。ちなみに、仮想化ソフトでインストールしたMac上のウィンドウズでもゲームなどに利用できた。

(撮影:黒田彰)