多彩な機能と付属品が魅力!
受信感度に優れた小型チューナ【2009年3月号掲載】



スペック

[発売元] バッファロー [価格] 1万5,700円 [OS] Mac OS X 10.4以降
[解像度] 320×180ピクセル [インターフェイス] USB2.0 [サイズ/重量] W20×D13×H7.9mm(キャップなし・突起物除く)/23g [備考] 容量:8GB、録画方式:H.264、CPU:PowerPC G4 1.42GHz以上 [掲載号] 「Mac Fan」2009年3月号

OVERVIEW

今や携帯電話でも手軽に見られるようになった、地上デジタル放送の携帯・移動端末向けサービスのワンセグ放送。Mac対応のチューナは数多く発売されており、その多くがUSBメモリを一回り大きくしたようなコンパクトサイズでUSBポートに差し込むだけで利用できる。通常のフルセグ放送と違って最大表示解像度は320×240ピクセルと小さいが、電波が受信できる地域であれば持ち運んで外出先でも手軽にTV放送を視聴・録画可能だ。

ワンセグ放送は開始時こそ受信エリアが限定されていたものの、今や対応エリアは全国に拡大している。また、2008年4月より従来のアナログ放送と同一番組という義務化が解かれ、ワンセグ独自の番組編成がされるようになった。野球中継の延長や年末番組など、ワンセグでしか見られない番組も増えてきている。

FOCUS ON

現在市販されているワンセグチューナの基本仕様は、最大表示解像度やフレームレート(15フレーム/秒)、画像や音声の圧縮方式など製品間で共通な部分が多い。そのため、どの製品を選んでも大差ないと思いがちだが、本製品によってそれがよい意味で覆された。

(1) 多彩な付属品を同梱
白いシンプルなボディ。本体内のメモリにドライバとソフトが記録されている。ケーブル3m長の外部アンテナ、USB延長ケーブル、F線変換コネクタが同梱されている

というのも、本製品はこれまで筆者が使ったチューナと比べて、受信感度がすばらしくよいのだ。通常、外部アンテナでしか受信できないような環境でも、本製品は標準のロットアンテナだけで受信できることが多い。ワンセグ放送は屋内の奥まった場所、トンネルや地下鉄などでは電波が入りにくいのが難点であるため、受信感度は非常に重要だ。

また、ケーブル3m長の外部アンテナやUSB延長ケーブル、F線変換コネクタを標準ですべて同梱しているため、ワンセグの電波感度が悪い場合にも対処できる。

さらに視聴・録画ソフトは使いやすい上、本体には8GBのメモリを内蔵している。USBメモリとして利用できるほか、40時間の番組を録画可能。受信感度のよさと合わせて、旧機種からの買い換えにも値する魅力だ。

(2) 自由な配置のウインドウ
視聴・録画ソフトはTV画面と字幕、チャンネルなどの操作パネル、番組表や予約録画などのライブラリパネルから構成されている。時間になると自動的にソフトが立ち上がり録画する「視聴予約」が可能。また毎週特定の時間に予約を設定することで、週1の番組の連続録画にも対応する

(3) アップルリモートでTVのように使える
TVのような操作画面は、アップル純正のリモコン「アップルリモート」でコントロール可能。マウスを使わなくてもいいのが便利だ

ただし、ウィンドウズでは内蔵メモリに録画した番組を他のPCでも視聴できるが、Macでは録画したMacに限られる。また、録画番組を別の機器に移動できる「ダビング10」にもMacは対応していない。他社製品でも実現していない機能だがやや残念だ。

(4) USBメモリは多彩に使える
USBメモリには視聴ソフトが収録されているほか、録画番組の保存先に指定でき、40時間の録画に対応できる。もちろん、普通にデータを入れて持ち歩くこともできる

AFTER REVIEW

ハードウェアの性能は非常に高いので、今後はウィンドウズ版で可能な機能をMacにも対応させてほしいところ。特に、デジタルラジオはピクセラの「Capty TV Mobile」、データ放送はアイ・オー・データ機器の「GV-SC200M」が対応しているので、期待したいところだ。基本的な視聴・録画機能は他社製品と比べても満足いく仕上がりになっている。4GBのメモリを内蔵した「DH-KONE4G/U2DS」(1万3,600円)も発売されている。