新染料インクで写真がきれい! 実用性に富んだ複合機
【2009年1月号掲載】



スペック

[発売元] キヤノンマーケティングジャパン [価格] オープンプライス [実勢価格] 2万5,000円前後 [OS] Mac OS X 10.3.9以上(プリンタドライバ) [解像度] プリンタ:9600×2400dpi、スキャナ:4800dpi [インターフェイス] USB2.0 [サイズ/重量] W450×D368×H176mm/約8.8kg [備考] インク数:5色インク(染料CMYK、顔料K)、最小インク滴:1pl、液晶サイズ:2.5インチ、L判写真プリント:18秒 [掲載号] 「Mac Fan」2009年1月号

OVERVIEW

本製品は、2008年の秋キヤノンがリリースしたインクジェット複合機の中で、フラグシップモデル「MP980」の次に位置する実力機だ。搭載するインクは5色インクで、最小インク滴は1ピコ(1兆分の1)リットル。新染料インクの採用で写真プリントの色再現範囲を拡大し、純正写真用紙「キヤノン写真用紙・光沢ゴールド」との組み合わせではアルバム保存300年以上、耐光性約40年、耐ガス性約10年という高い保存性を実現している。

また、自動両面印刷やDVD/CDレーベル印刷、イージースクロールホイール、クイックスタートといった前年のモデルで好評だった機能を継続して搭載。プリンタが自動で好ましい色に写真を補正してくれる「自動写真補正」機能や、写真に手書き文字などを合成できる「手書き合成」機能なども進化している。

(1) さらに小さくなったボディ
昨年のMP610と比べて、高さ約1.2cm、奥行き2.1cmも小型化。用紙をロードして印刷し、排紙するまで駆動音が非常に小さいのも特徴だ

(2) 操作性のこだわり
ボタンをくるくると回す直感的なイージースクロールホイールを搭載。DVD・CDレーベル印刷にも対応する

FOCUS ON

(3) 色再現範囲がアップ
新染料インクで色再現範囲が拡大。純正用紙との組み合わせで10~30%向上している。特に、赤の発色に優れる

まず驚かされたのは、その画質だ。デジカメ写真を、新フラグシップ写真用紙「キヤノン写真用紙・光沢 プロ [プラチナグレード]」に印刷してみると、赤系の色、特に中間調からハイライトにかけての微妙な階調が美しく再現される。ここ数年のインクジェット複合機のプリント画質は高いレベルに達し、これ以上の画質アップは難しいのではと思っていたのだが、それが見事に覆された。

また、自動両面プリントがスピーディなのも特筆すべき点だ。WEBページ7ページを両面プリントするのにかかった時間(スプール時間込み)は3分38秒で、1ページあたり30秒程度と高速。顔料ブラックインク搭載していることもあり、両面プリント&コピー時でも裏写りが少なくシャープなプリントが行えた。

(4) 自動両面に標準対応
自動両面機能はプリントだけでなく、コピーにも対応。高速モードで行っても裏写りが少なく、文字がシャープにプリントされる

2007年や2006年の製品と比べると、複合機としての基本的な性能・機能に大きな違いはない。ただし、ダイレクトプリント時の印刷工程が簡略化され簡単になっていたり、原稿を自動判別して原稿に適した設定でスキャン&保存まで行う機能が付属ソフトに追加されていたり、細かな部分で改良が施されている。

写真プリントを本格的に楽しむなら5色インクに加えグレーインクを搭載したMP980のほうが魅力。MP980はフィルムにも対応している。とはいえ、その他の性能・機能はほぼ同様なので、一般的な家庭で利用するには多くの人が満足するはずだ。一部では実売2万円以下で販売されている。

(5) おまかせスキャン搭載
スキャナドライバ「スキャンギア」では、さまざまなスキャンが可能。新たに[おまかせモード]を搭載し、原稿の種類に応じて自動でスキャン&保存を行ってくれる

AFTER REVIEW

レポート用紙や方眼紙、カレンダー、証明写真をプリントする機能が付いたのもうれしい点だ。外観がほぼ同じである「MP620」との大きな違いは、MP630が有線/無線LANに対応していない代わりに、自動両面プリントとDVD・CDレーベル印刷に対応し、4800dpiのCISスキャナを搭載している点だ(MP620は2400dpi)。有線/無線LANが必須でない場合は、MP630を選んだほうがいい。Macに接続していれば、プリンタ共有も行える。