FOMAの3G通信網を使って、快適モバイルインターネット
【2008年12月号掲載】



スペック

[発売元] 日本通信 [価格] オープンプライス [実勢価格] 4万円前後
[OS] Mac OS X 10.3以上 [インターフェイス] USB2.0、microSDカードスロット [サイズ/重量] 約W26.5×D12×H87mm/約30g [備考] 利用時間:150時間(最大480日間利用可能) [掲載号] 「Mac Fan」2008年12月号

OVER VIEW

MacBookシリーズを頻繁に活用するユーザにとって、外出先でインターネットに接続するための通信アダプタは欠かせない存在だ。本製品は、NTTドコモのFOMA回線を利用するための通信アダプタ。本体には、下り最大3.6Mbpsの通信速度を実現するFOMA通信カードを搭載しており、MacとUSBで接続することで、100%の人口カバー率を誇るFOMAの3G通信網を利用できるようになる。

(1) シンプルな形状のUSB端末
USBメモリより一回り大きい程度の本体。microSDメモリーカードスロットが搭載されており、USBメモリとしても使用可能だ

一般的に月額制の通信アダプタが多い中、本製品は製品購入時にあらかじめ150時間分の使用権を含んだプリペイド形式を採用している。150時間以内であれば、最大で480日間利用できる。月額固定のデータ通信端末に契約するほど頻繁に外出先でモバイル通信しないユーザにとっては、コスト面で大きなメリットといえる。

これまでウィンドウズのみの対応だったこともあり、Mac用にセットアップユーティリティは同梱されていない。電話で開通手続きを行ったあと、手動でネットワーク接続を行う必要があるが、マニュアルを参照すれば簡単に行える。Mac用のユーティリティが付属しないデメリットは、接続可能時間の確認のために、専用のWEBページにアクセスする必要があることくらいだ。

(2) Mac側の設定は手動で行う
Macでは、初回のみ「ターミナル」を使ってコマンドの入力を行う必要がある。システム環境設定で、ダイヤルアップ先とプロキシなどの設定も必要だが、マニュアルに手順が記載されている。設定後は、メニューバーからアクセス可能だ

(3) 専用サイトで接続時間を確認
ユーザ専用サイトにアクセスすると残り使用可能時間などの確認が可能だ。将来的にはウィンドウズで利用するように、ユーティリティソフトを使用して確認できる予定だ

FOCUS ON

プリペイド方式なので複雑な契約が不要である点、FOMAの広範なカバーエリアを考えると、運用方法次第では非常に魅力的だ。競合するイー・モバイルのデータ通信端末も人口カバー率が80%を超えているとはいえ、FOMAほどの広範囲には及んでいない。

イー・モバイルの「D02HW」といった7.2Mbpsの通信速度を誇る端末と比べると、通信速度はやや低速だ。ただし、東京都23区内で計測したところ、本製品は通信環境が安定している一方で、「D02HW」は、地域、時間によって計測結果にばらつきが出た。どちらも動画サイトなどのリッチコンテンツでは、コマ落ちが発生するケースがある。

(4) 安定した通信速度
gooスピードテスト」で通信速度を測定。イー・モバイルの「D02HW」は高速だが、計測場所によってばらつきが見られた

150時間という使用可能時間は、週に2時間程度しか使用しないのであれば月額固定の他社端末よりも低コストになる。最大利用日数480日から計算すると、月9.3時間程度までの接続であれば毎月に換算した金額は2,494円となり、他社の月額固定プランと比較すると大幅に安価といえる。

AFTER REVIEW

FOMAのハイスピードエリア(HSDPA)での本製品の通信速度は受信最大3.6Mbps/送信最大384kbpsとなる。それ以外の地域では、送受信とも最大384kbpsとなる。実際の速度に関しては地域や他のユーザ数との関係もあるため、目安と考えよう。Macでの接続はセットアップ時に接続していたUSBポートに限られるので注意したい。150時間分を使い切ったあとは、一般量販店や同社オンラインショップで更新ライセンスの購入が可能。130時間で3万円前後だ。