Macに対応した高速ドキュメントスキャナ
あらゆる紙文書をPDF化して手軽に管理!【2008年6月号掲載】


オフィスで日常的に増え続ける紙文書を、ワンボタンで高速にスキャンしてPDF化してくれるドキュメントスキャナが、PFUの「ScanSnap(スキャンスナップ)」だ。ウィンドウズ向けに発売され、大ヒットを飛ばしてきた同製品がついに正式にMac対応を果たした。Mac向けに一新されたボディデザインを採用、iPhotoとの連携機能などを搭載したMac専用モデルである。カタログや名刺、領収書のスキャンといったビジネス向け用途から、年賀状や子どもが作った作品のスキャンといった家庭用途まで、あらゆる場面での活躍を期待できる待望の製品だ。


スペック

[発売元] PFU [価格] オープンプライス [実勢価格] S510M:5万円前後、S300M:3万円前後 [OS] Mac OS X 10.2.8以上 [解像度] 最大カラー600dpi、白黒1200dpi相当 [用紙サイズ] A4~名刺(最大216×360mm/最小50.8×50.8mm) [インターフェイス] USB2.0 [サイズ/重量] S510M:W284×D157×H158mm/2.7kg、S300M:W284×D95×H77mm/1.4kg [掲載号] 「Mac Fan」2008年6月号

OVERVIEW

Mac専用モデルとして登場した「スキャンスナップ」は、「S510M」と「S300M」の2機種。ともに本体は白を基調としたデザインで、大変コンパクトな作りとなっている。S510Mは卓上タイプ、S300Mは重さ約1.4kgと手軽に持ち運べるポータブルタイプだ。

(1) コンパクトな白色ボディ
S510M(右)、S300M(左)ともにサイズが非常にコンパクト。ちょっとしたスペースに気軽に置くことができる

本体サイズのほかに、紙文書の読み取り速度も両モデルで異なる。読み取り用のセンサはS510MがCCD、S300MはCISを採用しており、A4書類の読み取り速度はS510Mが標準モードで毎分18枚、S300Mが毎分8枚(ACアダプタ利用時)となっている。

読み取りサイズは両モデルともA4(最大216×360㎜)だが、S510Mには付属のキャリアシートを使ってA3サイズを半分に折り畳んでスキャンすることが可能だ。

(2) A3文章は二つ折りで
A3サイズの書類は付属のキャリアシートに挟んでスキャンする。両面を一気にスキャンした後、ソフトウェア上で画像をつなげてくれる

(3) プラスチックカードもスキャン可能
メーカーでは推奨していないが、プラスチックカードもスキャンできた。会員証などをスキャンして保存しておくのもいい

使い方は簡単で、スキャンしたい紙文書を背面トレイにセットし、本体前面にあるスキャンボタンをワンプッシュする。これだけで紙文書が次々に読み込まれ、Macにインストールした付属ソフト「スキャンスナップ・マネージャ」を介してデータとして取り込める。S510Mでは最大50枚、S300Mでは最大10枚の紙文書をセット可能だ。

(4) 操作はボタンをワンプッシュ
操作ボタンは電源とスキャンボタンだけのシンプルな構成。原稿をガイドに沿ってセットし、スキャンボタンを押すだけ

読み込んだデータはPDFとして、指定したフォルダに保存したり、メールで送信したり、iPhotoに転送したりなど、用途に合わせて選ぶことができる。

FOCUS ON

実際の使用感も大変優れている。コンパクトな本体は場所を選ばずに設置でき、カバーを開け閉めするだけで電源がオン/オフできる。

(5) 細かな設定も可能
読み取りモードの設定などは、スキャンスナップマネージャの[設定]で変更する。デフォルトでは両面読み取りとなっており、裏に何か読み取る部分があれば自動的に読み取ってくれる

紙文書をセットしたらボタンを押すだけという手軽さなので操作に迷うことはない。読み取りモードは4種類から選べ、A4サイズ1枚の読み取りにかかる時間はノーマルモード(150dpi)で8秒、もっとも高品質なエクセレントモード(600dpi)で60秒だ。一般用途ならばノーマルモードで十分なので、卓上に溜まってしまう紙文書をどんどんデータ化したくなる。また、セットする用紙サイズや白紙ページを自動で判別してくれるのも便利だ。

OCR(文字読み取り)機能が付属ソフトに搭載されていないため、読み込んだデータは画像形式となる。ただし、S510Mに付属している「Adobe Acrobat 8 Professional」のOCR機能を使って、取り込んだデータをテキスト化しておけば、Spotlight(スポットライト)で検索可能なPDFを作ることが可能だ。

(6) 高い読み取り品質
通常の文字の大きさならば、もっとも高速な標準モードで十分。取り込んだPDFファイルをAdobe Acrobat 8で開き、OCRでテキスト認識させて保存すればいい。テキストになればスポットライト検索も利用できる

また、スキャンしたデータはiPhotoに保存しておくことで便利に使える。iPhotoではスキャンした日時を元にデータを自動的にグループにまとめてくれるため、管理が非常に楽なのだ。さらに、iPhotoはiPodと同期できるため、スキャンした資料や写真、カード類などをiPodに入れて手軽に持ち運べるようになる。

(7) 好みに保存先を指定
スキャンするとMac上でスキャンスナップマネージャが起動する。ここで、フォルダやiPhotoへの保存など、保存先を指定できる

(8) iPodで外出先で参照
読み込んだデータをiPhotoに保存しておけば、iTunesを介して自動でiPodに転送される。iPod touchなどで手軽に参照できる

紙書類のデータ化というと面倒に思いがちだが、本製品ならば煩雑な書類管理がスマートにこなせる。誰もが1台は持っていてもおかしくない「道具」として、さまざまな用途に活躍するはずだ。

AFTER REVIEW

スキャンスナップのように、高速で書類をスキャンできるMac対応製品は他には存在しない。S510Mは実売5万円前後と、スキャンとしては高いように感じられるが、実売価格5万円以上はする「Adobe Acrobat 8 Professional」が同梱している。それを考えればかなりお買い得だ。Acrobat 8 Professionalを持っていないならS510M、持っているならS300Mを選ぶという選択もありだ。