ダブルアンテナで高感度! 多機能なワンセグチューナ登場【2008年2月号掲載】



スペック

[発売元] ロジテック [価格] オープンプライス [実売価格] 1万円前後 [OS] Mac OS X 10.5、Mac OS X 10.4~10.4.10 [サイズ/重量] W20×D55.9×H8.6mm(アンテナ/突起部を除く)/12g(アンテナを含む) [備考] PowerPC G5もしくは、Intel CPU搭載のMacが必要 [掲載号] 「Mac Fan」2008年2月号

OVERVIEW

本製品は携帯電話や移動体端末向けの地上デジタルTV放送、すなわち「ワンセグ」をMacで楽しむためのチューナだ。すでに同様の製品は数多く発売されているが、本製品は受信感度をアップするために2本のアンテナ(ダブルアンテナ)を標準で搭載している点が大きな違いだ。

(1) 小型でダブルアンテナ仕様
メインアンテナは最長17cm、セカンドアンテナは最長12.5cmまで伸びる。USBのコネクタは端子部分のみが板状になったもの。Mac接続時の安定性が心配だったが、本体が小型・軽量のため問題はなかった。

(2) F型コネクタも付属
F型コネクタ変換ケーブルは、17cmのメインアンテナを外して接続する。家庭のTVアンテナ端子と直接接続することができる

(3) 2つの番組をダブル視聴
本製品を2つ購入すれば、2番組を同時に視聴できる。USBポートが隣合っているMacBookなどの機種では製品同士がぶつかってしまうので、USB延長ケーブルなどを使おう

また、ワンセグの視聴/録画用に、TVチューナ用ソフトとして定評のあるエルガト社の「EyeTV」をベースとしたソフトウェアを採用。EPGを利用した予約録画や、予約時間になるとMacの電源を自動的にオンする自動パワーオン機能、タイムシフト機能、2つの画面を1画面内に表示するピクチャインピクチャ機能など多機能を誇る。さらに、本製品を2台を用いることで2番組の同時視聴や同時録画も可能だ。

(4) 直感的操作が可能な付属ソフト
視聴/録画ソフトの「EyeTV Lite for Logitec」。ビューワの大きさは4段階から選べるほか、コーナーをドラッグして自由にサイズを変えることができる。コントローラのスライダをドラッグすれば、いつでもタイムシフト再生が可能だ。

(5) EGP録画が画期的に簡単
コントローラのメニューボタンから番組ガイドを選ぶと、ジャンルごとに色分けされたEPG番組ガイドが表示される。予約したい番組をダブルクリックしていくだけで、予約が完了する

FOCUS ON

本体をUSB2.0ポートに接続するとソフトウェアが起ち上がり、受信チャンネルが表示される。起動は速く、ブロックノイズや色調の反転などはない。チャンネル切り替えも3秒前後とかなりよい。

ワンセグチューナで大事なのは受信感度。窓から離れた部屋の奥など受信感度が悪い場所で使用すると、画質の劣化やコマ落ち、音声の途切れが起きてしまう場合がある。ただし、本製品はダブルアンテナにより、受信感度はかなり安定している。試しに、ある場所で1本のアンテナを取り外してみたところ受信ができなくなった。つまり、ダブルアンテナ搭載の効果は非常に大きいといえる。

他社製品には、受信感度の悪い場所で使用するためにアンテナを延長する数メートル単位のケーブルが付属する場合がある。本製品はそのようなケーブルに頼らなくてもいいのがメリットだ。

ピクチャインピクチャ機能は他社製品にはないオリジナル機能で、受信中の番組と録画番組を同時に見れるなど便利だ。ただし、320×240ピクセルが標準サイズのワンセグでは、子画面のサイズは小さくなってしまう。フルスクリーンにすれば子画面のサイズも大きくなるが、今度は解像度が粗くなる。よって、この機能に実用性を見いだすかはユーザ次第だ。

(6) 2つの画面を同時に表示
1画面内に2つの画面を表示できるピクチャインピクチャ機能。子画面の大きさや表示する場所は変更できる

とはいえ、視聴/録画ソフトは他社製品に比べて、ユーザインターフェイスの造りが群を抜いてよい。iEPGや字幕には対応していないものの、ワンセグチューナに求められる標準機能、そして独自機能の搭載が光る製品だ。

AFTER REVIEW

セカンドアンテナは水平方向にしか可動できないため、設置場所によっては周囲にスペースが必要になる。Mac用のワンセグチューナとしは後発だが、製品の完成度は高く、安定した使い勝手を実現している。TVチューナに付属することが多い「EyeTV」は英語版がほとんどだが、本製品の付属ソフトはきちんと日本語化されている。ワンセグチューナをこれから購入する人はもちろん、手持ちの製品の受信感度に満足いかない人にも魅力的な製品だ。