【コラム】

Mac Fan ハードウェアレビュー

14 A3インクジェットプリンタ「Epson Proselection PX-G5300」

    Mac Fan編集部  [2009/03/29]

    写真向け顔料プリンタの先駆者が送り出す
    高光沢写真プリントのためのA3インクジェット【2008年2月号掲載】


    大気や光の影響で化学変化が起こりやすい染料インクに対して、用紙に定着した後の安定性に優れるのが顔料インクの利点。だが、一方で、顔料インクは発色や精細度で染料インクに劣るとされてきた。インクジェットメーカー各社が、そんな常識を打ち破る顔料インク搭載の写真向けプリンタを発売する中で、光沢顔料プリンタ市場の先駆者、エプソンが満を持して投入するのが、A3ノビ対応インクジェットプリンタ「Epson Proselection PX-G5300」である。


    スペック

    [発売元] エプソン販売  [価格] オープンプライス [実売価格] 6万円台後半
    [OS] Mac OS X 10.2.0以降 [解像度] 5760×1440dpi [用紙サイズ] A3ノビ~名刺 [インターフェイス] USB2.0×3 [サイズ/重量] W661×H214×D322mm/約12.2kg
    [備考] インク:8色独立インク [掲載号] Mac Fan 2008年2月号

    OVERVIEW

    用紙に染み込む染料インクと違い、粒子の大きな顔料インクに光沢プリントは不可能と考えられていた。そんな定説を覆し、「グロスオプティマイザ」と呼ばれる特殊樹脂インクを使って、光沢写真プリントを実現したのが、エプソンの顔料プリンタ「PX-G」シリーズだ。従来モデル「PX-G5100」では、2種類のブラックインクと、レッド、ブルーという2つの特色インクを使うことで、染料よりも発色が弱いという顔料インクのもう1つの弱点も克服。写真向け顔料プリンタという新しい市場を切り開いた。

    (1) 直線的フォルムのシックなデザイン
    従来機に比べて、直線的なフォルムが採用されている。どうも、プリンタの外観は自動車と同じで、角張ったり丸くなったりを数年ごとに繰り返すらしい

    そのPX-Gシリーズの新製品「PX-G5300」は、従来のブルーインクに変わって、新たにオレンジインクが追加されている。さらに、画像処理技術の見直し、ヘッドの改良などが行われ、粒状感のない豊かな階調表現と、A3で従来比約2倍という高速化を実現したという。エプソンが志向する写真の新スタンダード「エプソンカラー」にも対応。新たにPictBridge(ピクトブリッジ)が追加されるなど、使い勝手も向上している。

    (2) オレンジインクで色再現性アップ
    従来からのフォトブラック、マットブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グロスオプティマイザにオレンジインク加えた8色顔料インクを採用。最高5760×1440dpiの高精細ながら、1.5、5、11plという大中小3つのサイズのインク滴を打ち分けることで、高速かつ階調豊かなプリントを実現

    (3) USB2.0ポートを計3基搭載
    インターフェイスは従来機「PX-5300」のFireWire&USBから、USBポート2基、PictBridge用USBポート1基に変更されている

    FOCUS ON

    2007年は、長くエプソンの独壇場だった顔料写真プリンタ市場に、続々と競合メーカーが参入してきた年だった。それだけに、先駆者エプソンの対抗機種が注目されたわけだが、新製品PX-G5300の写真品質は「素晴らしい」の一言。

    空や水面、木々をプリントしても、ブルーインクがなくなった影響は一切感じられない。それどころか、画像処理技術の見直しの成果か、従来、微妙なグラデーション部やシャドー部で若干見られた粒状感がなくなり、実に見事に階調を表現している。自然で落ち着いたグラデーション描画は、染料プリンタと見間違うばかりか、ともすると派手になりがちな染料プリントよりワンランク上、大人のプリントといった印象だ。

    従来の顔料プリンタが苦手とした部分、人肌のプリントは、オレンジインクの効果か、画像処理の見直しの成果か、実に自然で活き活きと描画されている。以前ならごまかしが効いた元画像データの粗までが、はっきりわかるレベルに達している。もうプリンタの性能を言い訳にすることはできなさそうだ。

    (4) 階調豊かなプリント
    水面に映った建物の影など、微妙な階調もきれいに表現している。粒状感もまったく感じられず、自然な落ち着いた色合いが素晴らしい

    (5) 粒状感なく高画質
    従来モデルでは、首などのシャドー部で若干粒状感が残っていたが、PX-G5300のプリントは、細部にいたるまで粒状感を感じない

    まだ発売前の試用版でのテストのため、細かな計測結果の掲載は控えるが、数値を計測するまでもなく、速度アップを充分に実感できる。

    (6) 光沢紙で連続プリント
    上位機種PX-5500は、高光沢専用紙「写真用紙クリスピア〈高光沢〉」を手差しで1枚ずつしかプリントできないが、PX-G5300なら背面給紙トレイにセットして連続プリントできる

    これまで、ややもするとマニア向けという印象もあった顔料プリンタだが、ついにここまで達したのか。PX-G5300は、そんな進化を身を持って感じさせられる製品だ。

    AFTER REVIEW

    レパード専用ドライバを利用すれば、Photoshopなどのグラフィックソフトから自動画像補正技術「オートフォトファイン! EX」を使ったプリントも可能だ。同機能対応ドライバの配布方法など詳細は、エプソンのWEBサイトまで。

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