FAVOの牙城を崩せるか?
新ワイドタブレットが鳴り物入り【2007年10月号掲載】



スペック

[発売元] プリンストンテクノロジー  [価格] オープンプライス
[実売価格] 9,000円前後 [OS] Mac OS X 10.2.8以上 [インターフェイス] USB2.0 [サイズ/重量] 約W305×H9×D256mm/約565g [備考] 筆圧レベル:1024レベル、読み取り精度:0.42mm [掲載号] 「Mac Fan」2007年10月号

OVERVIEW

ペンタブレットといえばワコムの製品が有名だが、新たにプリンストンテクノロジーからMacにも対応した製品「PTB-ST12」が発売された。本製品で、まず目を引くのが本体の薄さだ。描画エリア部分の厚さは5mm、最厚部でも9mmしかない。ワコムのコンシューマー向けタブレット「FAVO(ファーボ)」の「CTE-640」(以下、FAVO)と比べて半分以下の厚さで、重量も3分の2と軽量。描画エリアはA5サイズ(約209×151mm)のFAVOと比べて広く、ほぼB5サイズ(約254×158mm)となっている。

(1) 描画エリアは5ミリと超薄型
上部の白い部分のみ厚みが9mmあるが、本体部分は5mmと使っていて厚さを感じさせない。本体はほぼA4用紙サイズで、描画エリアは254×158.75mmとなっている

また、描画エリア周辺には、ペンタッチで各種操作を実行できるファンクションキーエリアが29カ所設定されている。ペンはサイドスイッチ付きの筆圧1024レベルのもので、ワコムの上位機種である「Intuos(インテュオス)」と同じ高いスペックを誇る。

(2) 29個のファンクションキーを装備
入力エリア周辺には、ペンタッチで各種操作を実行させることができるファンクションキーが29個ある

FOCUS ON

(3) 単4形乾電池内蔵のペン
ペンは単4形乾電池内蔵の2ボタン付き。出先での電池切れは心配だが、一般的な単4形なので入手に困ることはないだろう。サイドスイッチにはクリック、ダブルクリック、マウス右クリックが割り当てられる

実際にFAVOと比べてみると、やはり描画エリアが広いのは有利だ。ワイドサイズのモニタで使用する場合、FAVOでは入力エリアの上下方向が余ってしまう。一方、不利なのがペン。FAVOのペンが電池レスで12gなのに対し、本製品では22gと重い。単三形乾電池を内蔵しているため、電池交換のメンテナンスも必要だ。

肝心の書き味に関してはスペック上の数値はFAVOと互角だが、実際は感触が異なる。FAVOがほとんど筆圧をかけない状態で描いても反応するのに対し、本製品は、ある程度筆圧をかけてやらないと描画できない。逆に強い筆圧の場合はペン先がしっかりと沈み込むため、FAVOよりも実感を持って描ける。

FAVOと比べると単体での価格差は約2,000円。薄型軽量で持ち運びに便利な上、入力エリアが広いのは大きなメリットだ。大型のワイドモニタを使っており、少しでも大きなタブレットを手軽に導入したい場合に最適といえる。細密なイラスト作成にはFAVOのほうが扱いやすいが、筆圧感知や精度は実用上充分なレベルなので写真編集などの一般用途であればほとんど差はない。

ただし、描画エリアの比率変更が行えないため、4対3のモニタやプロジェクタで使用する場合、またはデュアルモニタ環境で使用する場合などには、描画エリアと縦横比が一致しないという問題が生じるので注意しよう。

(4) 付属アプリで機能を割り当て
各種環境設定は、付属アプリケーションの「Pen Pad」で行う。サイドスイッチへの機能割り当てと、筆圧感度調整が可能。テストボタンで感触を確かめながら設定できる

(5) ファンクションキーへ機能を割り当て
ファンクションキーへの機能割り当ては付属ソフトで行うことができる。ただし、筆者の環境では各アプリケーションの操作は割り当てられず、アプリケーションの起動しか割り当てられなかった

AFTER REVIEW

ワイドモニタで手軽にタブレットを導入したい人には最適だ。「Adobe Photoshop Elements 4.0」をバンドルした「PTB-ST12P」は1万1,000円前後で、お買い得感がある。ただし、まれにペンが反応しなくなる場合があったので改善してほしい。筆圧レベルはFAVOより優れるが、一般的な写真編集やイラスト作成に使用する上では512レベルでも十分だ。また、FAVOではマウスが付属しており、オプション品も豊富。その点も考えると、FAVOにメリットがある。
(※本製品は販売終了となっていますが後継が発売されています)