伊予鉄道は2015年に「IYOTETSU チャレンジプロジェクト」を始動させ、その一環で電車・バスのデザイン変更を進めている。郊外電車の610系も1編成(611・661)がオレンジ色の新塗装となり、高浜線・横河原線で2月から営業運転を開始している。

オレンジ色の新塗装となった伊予鉄道610系(611・661)

610系は1990年代に製造されたステンレス製(車体前面は普通鋼製)の車両で、計4両(2両編成×2編成)が活躍中とのこと。地方私鉄では希少な自社発注車両とされ、大型の前面方向幕、窓周りから前照灯にかけて黒を配した前面デザイン、東武鉄道20000型(3扉車)との共通点も見られる側面デザインなどが特徴に挙げられる。従来の610系は車体前面のみ白を基調とし、車体前面・側面の窓下にオレンジ2色の帯を施した外観だった。

新塗装となった610系(611・661)は、車体前面の黒い部分を除き、外観カラーがオレンジ色に統一されている。「IYOTETSU」の英字ロゴも前面・側面にデザインされた。すでに電車・バスの一部車両で新塗装が導入されているものの、610系の新塗装は登場間もないこともあってか、他の車両と比べてもひときわ目立つ印象だった。

大手町駅を発車する610系。郊外電車と市内電車の平面交差で知られる

旧塗装の610系(612・662)。車体前面・側面にオレンジ2色の帯が施されていた

「IYOTETSU チャレンジプロジェクト」では、車両デザインを一新した郊外電車のイメージに3000系が使用されている。かつて京王井の頭線で活躍した3000系もステンレス製(車体前面の一部を除く)の車両だが、新塗装は610系と同様、車体前面・側面ともにオレンジ色に統一されるようだ。郊外電車だけでなく市内電車も新塗装の車両が増えており、9月導入予定の新型LRT車両5000形もオレンジ色のカラーリングが採用される。