【コラム】

クリエイターのためのライフハック

1 Wikiを活用してコラボライティングを実現する - Writeboard

長谷川恭久  [2006/05/19]

日々の仕事を楽にこなしてみませんか? 同じタスクでも上手にツールを使うことで効率的かつ迅速に行えることがあります。複数のタスクを同時にこなさなくてはいけない今日のクリエイターライフですが、どのようにすれば複雑になってきているクリエイティブプロセスをシンプルにすることができるでしょうか。そんな仕事プロセスにおいての裏技である「ライフハック」を身につけて、楽にできるところは楽できるツール、サービスを毎週紹介していきます。

"Wiki(ウィキ)"ってなに?

Wikiは Webページを誰でも書き換えることができるプログラム。Webページといえば、サイト管理者のみが更新できるというのが一般的ですが、Wikiを利用したサイトは文字通り誰でもページを更新することができます。

複数人数で作業ができるコラボレーションツールとして知られており、PHPで動作するPukiWikiやPerlで動作するYukiWikiなど、派生プログラムもたくさんあるので、自分にあったWikiを見つけることも容易だと思います。

もちろん、Webサーバーがなくても使える Wikiサービスも数多く存在します。HTMLタグを知らなくても、誰でも気軽にコンテンツをフォーマットできるのがWikiの魅力だといわれていますが、Wikiの独自ルールは多く、ときには混乱を招くことが多いと思います。便利そうだけど、ややこしそうだとWiki を敬遠していた人もいるのではないでしょうか。

シンプルなWikiでも共同作業にはぴったり

WriteboardはWikiのエッセンスである「誰でも簡単にページを編集できる」という特徴にフォーカスしたシンプルなWikiサービスといえます。無料で使用できます。通常のWikiは複数のページの制作が可能で、ページ間のリンクが可能ですが、Writeboardは1ページのみしか作成できません。たった1ページしかないと思うかもしれませんが、記事の執筆や校正作業、ブレインストーミングなど小さなタスクを複数人で行うのに便利です。

Writeboadのトップページ。ページのタイトル名と、パスワード、自分のメールアドレスを入力。「I agree to this terms.」にチェックを入れて、「Create the Writeboad」をクリックすればOK。記事を編集(入力)する画面になる。

例えば、制作チームメンバーがWord文書などをメールで投げ合っている場合、どれが最新のものか分からなくなったり、他のメールの中に埋もれてしまう可能性があります。また、それぞれが書いた文章を組み合わせたり、調整を行うという作業も発生する可能性があります。これでは、手間がかかるだけでなくミスコミュニケーションもおこりかねません。そこでWriteboardのようなサービスを利用して、編集する文書はひとつにしておけば、管理の一元化が計れるだけでなく、オンラインなのでいつでもアクセスできるというメリットがあります。

記事を入力し、保存したところ。右上にある「Invite People」をクリックすると、左上部に図のように招待したい人のアドレスと自分の名前を入力して、別のメンバーを加えることができる。

メモ帳と同様に使い捨てもOK

また、ひとりで使用するときもメモ帳代わりに使うなどメリットはいくつかあります。リストや見出しなど基本的なことはWriteboardでも作成できますし、オンラインなのでいつでもアクセスすることができます。複数ページを作成できた方が、整理ができるから便利だと思うかもしれませんが、ページを整理する労力や、情報がどこに書かれたのかを探す手間を考えると、1ページの方が扱いやすいかもしれません。Writeboardは無料のサービスなので、いくつでもWikiを作ることが可能なだけでなく、必要のなくなったWriteboardは削除することもできます。個々のWriteboardはパスワードがかけられるので、ひとつの案件に使い、プロジェクトが終わったら削除するといった具合に使い捨てもできます。もちろん、バックアップ機能もあるので、テキスト形式かHTML形式で書き出すことができます。

Export機能を使うと、特定バージョンがテキスト形式かHTML形式で書き出せる。

通常のWikiでは高機能だったテキストフォーマットもWriteboardでは太字、見出し、リスト、リンクなど最小限に絞られています。編集ページの右に「Formatting guide」というリンクがあり、それをクリックすると、どのように記述すればフォーマットされるのか一目で分かるようになっています。編集しながら、確認が可能です。フォーマットのルールは別ページとして用意されているケースが多いので、確認しながら編集できるのは、ちょっとしたことですが、非常に使いやすいです。フォーマットのバリエーションが少ないから物足りないと思われるかもしれません。が、実際Microsoft Wordなどを使っているときにどれだけの機能を使いこなしているのかを考えると、これくらいシンプルのほうがちょうど良いのかもしれません。

フォーマットガイドが上部に表示されている。下部は入力画面。たとえば、h1.(半角スペース)タイトルの文字とすると、"タイトルの文字"部分が見出しになる。

Wikiのもうひとつの利点、バージョン管理

もうひとつWikiの一般的な特徴として、バージョン(版)管理があります。例えば、編集を重ねたドキュメントを2週間前の状態に戻したいと思ったら、クリックひとつでできるだけでなく、2つのバージョンを見比べて何が変わったのかを確認することも可能です。この機能はWriteboardにも受け継がれており、分かりやすくシンプルにまとまっています。比べたい版をチェックして、「Compare」ボタンをクリックするだけで比べられます。付け加えられた文章はハイライトされ、削除された部分は取り消し線が付くようになっています。文書を編集した際に名前を記入する欄があるので(任意)、そこに名前を記入しておけば誰が変更をしたのかも一目瞭然です。こういった機能はコラボレーションする人数が多ければ多いほど有効なだけでなく、プロジェクトに方向修正が入ったとしても、柔軟に対応できるというメリットがあります。ファイル名に日付を加えて、手動でバージョン管理をしたり、何度もメールで情報を行き来させるより、Writeboardを使ったほうが自動で行われるので効率的だと思います。毎日Writeboardを訪れなくても、RSSから更新状況をモニタリングすることもできます。また、特定の版をチームメンバーにメールするという機能を使って、取りこぼしの防止対策を行うこともできます。

変更履歴はすべて残って「Versions」に記録されている。比較したいバージョンにチェックをいれて「Compare」を押す。

すると、差分が緑色にハイライト表示される。削除された部分は、削除線が引かれた状態で見ることができる。

サイトを利用する側がコンテンツ作りに参加するということ

数年前までは、情報発信者側がサイトのコンテンツを管理する権限があったと思います。現在では、サイトを利用する側が、すべてにコンテンツを成長させるプロセスに参加できるようになってきました。Wikiはそれを可能にしたひとつのモデルだと思います。今までWikiを敬遠していた方は、ぜひ一度Writeboardに挑戦して、Wikiの魅力と可能性を体験してほしいと思います。

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