すっかり木々の緑の鮮やかな季節となりました。

木々の色といえば、季節に合わせて色を変えるものもあれば、1年の間ずっと緑色の葉を保ち続けるものもありますね。1年中変わらずに緑色の葉をつけている松の木は、不老長寿などおめでたいものの象徴とされています。

季節の移ろう中で、松の木のように変化の少ないものは、それぞれ見せ場がある桜や紅葉などに比べて注目を浴びることが少ないのも事実です。

しかし、長く変わらずにいるものは、どんな状況の中でも同じ姿を保つことができる、それだけの強さを持っているのです。

そんな松の木の姿に不変の真理を重ねた禅の言葉に、「松樹千年翠(しょうじゅせんねんのみどり)」というものがあります。

古い時代の教えや哲学も、現代から見れば役に立たないなんてことはなく、むしろ現代まで受け継がれつつ残っているということは、それだけどの時代にも適応できる「軸」のようなものがあり、長い間役に立ってきたということなのです。

目まぐるしく変化する時代、ついつい変化の激しいものや新しいものばかりに目を奪われてしまいますが、ゆっくりと変化しつづけ、長くその形を残しているものが秘めた「軸の強さ」にも、注目してみてはいかがでしょう。

■こむぎこをこねたもの、とは?

■著者紹介

Jecy
イラストレーター。LINE Creators Marketにてオリジナルキャラクター「こむぎこをこねたもの」のLINEスタンプを発売し、人気を博す。「こむぎこをこねたもの その2」「こむぎこをこねたもの その3」もリリース。そのほか、メルヘン・ファンタジーから科学・哲学まで様々な題材を描き、個人サイトにて発表中。

「週刊こむぎ」は毎週水曜更新予定です。