旅するこねたものたちの行く先にも、春がやってきたようです。辺りにはすっかりと花が咲き、景色がにぎやかになりました。今週は、そんな春の花々に学んでみましょう。

「百花春至 為誰開(ひゃっかはるいたって たがためにかひらく)」という言葉があります。「美しく咲く春の花々は、誰のために咲くのか?」という意味です。

花の咲く景色は我々を楽しませてくれますが、花からしてみればそんな目的などありません。春になれば気温が上がり、日の光を浴びて花が咲く…条件が整えば咲き、整わなければ咲かず、ただ因果だけがあるのであって、そこに誰のため、何のためということは存在しない、というようなものの見方が示されています。

自分のすること、他人の言動、偶然の出来事、周りの景色。

人は周囲の様々な物事に、意味を求めたり思惑を感じたりしています。周りを意識するあまり、余計な想像を働かせて不安や疑念を抱いたり、無理をして期待に答えようとしたり、心に重荷を背負ってしまうことも。

そんな時は、この言葉を思い出し「何かのためではない」と考えることで、楽になることもあるはずです。

それぞれがそれぞれの「あるがまま」を体現していて、自分の人生も誰かのためにあるのではないのです。あなたとしての人生を、気負わず旅していけると良いでしょう。

■こむぎこをこねたもの、とは?

■著者紹介

Jecy
イラストレーター。LINE Creators Marketにてオリジナルキャラクター「こむぎこをこねたもの」のLINEスタンプを発売し、人気を博す。「こむぎこをこねたもの その2」「こむぎこをこねたもの その3」もリリース。そのほか、メルヘン・ファンタジーから科学・哲学まで様々な題材を描き、個人サイトにて発表中。

「週刊こむぎ」は毎週水曜更新予定です。