早いもので、今年も残りわずかとなりました。
大晦日につく除夜の鐘は
こむぎこ寺にとって大きなイベントで、
こねたものたちも準備に余念がないようです。

除夜の鐘は煩悩を払うためにつくとされていますが、
その「煩悩」とはそもそもどういったものなのでしょうか?

煩悩とは、仏教で人の迷いや
「苦」(思い通りにならないことによる満たされない気持ち)の
もととなる心のはたらきのことを指します。

長い時間をかけて染み付いた「心の癖」のようなもので、
次から次へと欲望が湧いてきたり、
人と自分を比べて勝ち誇ったり妬んだり、
ひとつのものに必要以上にこだわったり…といった
考え方や行動の傾向に、人は気付かないうちに
流されていると考えられています。

癖となってしまっているため、
「これは自分にとってよくないことだ」と
頭の中で理解していても
なかなか止められないというのが厄介なところで、
それ故に修行をし、体験を通して癖を直す必要があるのです。

煩悩の根本には、
・貪欲(とんよく/もっと欲しいという執着心)
・瞋恚(しんい/嫌がったり怒ったりする心)
・愚痴(ぐち/真理を知らないということ)
の3つの要素があり(これを「三毒」と呼びます)、
これらを完全に克服した状態が「悟り」であるとされています。

悩んだり迷ったり怒ったり…苦しいと感じた経験には、
その状況に自分を導いた「心の癖」が隠されているかもしれません。
1年を振り返る機会、自分の思考や行動の「癖」を探してみては如何でしょうか。

■こむぎこをこねたもの、とは?

■著者紹介

Jecy
イラストレーター。LINE Creators Marketにてオリジナルキャラクター「こむぎこをこねたもの」のLINEスタンプを発売し、人気を博す。「こむぎこをこねたもの その2」「こむぎこをこねたもの その3」もリリース。そのほか、メルヘン・ファンタジーから科学・哲学まで様々な題材を描き、個人サイトにて発表中。

「週刊こむぎ」は毎週水曜更新予定です。